「自由・平等・友愛、、、進軍する料理人たちが奏でる四重奏」グランメゾン・パリ スモーキー石井さんの映画レビュー(感想・評価)
自由・平等・友愛、、、進軍する料理人たちが奏でる四重奏
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本作はドラマ「グランメゾン東京」の映画版続編
劇中日本でミシュラン三ツ星を獲得した目黒某所のグランメゾン東京
その輝かしい功績の陰の立役者尾花夏樹の新たな挫折と、そして尾花はここにありという華々しいパリへの「凱旋」、
そして、フランス料理とは何かを改めて問い、賛美する英雄作品。
中年料理人たちの挫折から再生、そして進化をテーマとする美しい武勇譚
一級品の食材たちをこれでもかと映えさせる映像美
そして、思わず食欲をそそる美しい「音」の数々
そんな美のトリコロールに加え、
ミシュランガイドも脅かすリンダの「食リポ」も相まって、
観るものを美食への「旅」へと誘う最高の「キャトル・クルール」の様相を魅せる。
3つ星への壁
独奏状態のオーナーシェフ
そして、一番のパートナーの抱える葛藤と新たな仲間のピンチ
そんな受難を受け、
大和魂を持つ尾花将軍が友人たちの説得を受け、姿勢を改め、そして「号令」をかける
そして、尾花率いるグランメゾンパリの勇者たちは「進軍」する
何物にもとらわれない自由な発想
多国籍のスタッフで構成される平等な視点と交錯
ただただ自分の料理を認めさせたい勇者たちの友愛
そして、伝統を土台に感性で新たに生み出される
調和という名の進化した料理ともてなし
全ては3つ星という皆の目標のために
最後はフランス料理界の重鎮から3つ星以上の称賛を経てこの物語は幕を閉じる。
私はこの物語をみて、絶望した人間に必要な友愛とヒト本来がもつ不屈の魂を感じ、
心が満たされた。
ただ、満たされないのは胃袋だが・・・
私は改めて思う
この作品は日本が発信する料理やその食卓を囲む人類全体の可能性を示唆する
美しい未来への序章となるはずだ。
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