「一定の満足度を叩き出す塚原あゆ子監督メソッドはドラマ界の二ツ星」グランメゾン・パリ いも煮さんの映画レビュー(感想・評価)
一定の満足度を叩き出す塚原あゆ子監督メソッドはドラマ界の二ツ星
言わずと知れた「グランメゾン東京」が下地としてある映画なのだが、今作単体で見てもわかる内容でもある。
舞台をパリに移して本場フランスで2週間のロケ。
そこで観光的映像を多く流さないのが良い。
冒頭のうっすらとわかるエッフェル塔のシルエットやセーヌ川を背景に語る主役の2人。
また、パリの路線バスに乗りながら語る場面などに留め、話の中心はあくまでミシュラン三ツ星を獲るための料理と人間関係に絞っている。
脚本のうまさもあるが、大きく話をはみ出させないのが塚原あゆ子監督の持ち味と言えよう。
そのため、ともすると小ぢんまりと纏まってしまいやすい展開を映像的表現でうまくカバーしている。
大局的視点でまとまっている分、失敗のない展開は悪く言えば目新しさはない。
だが、観客が望む通りの着地点に落ち着き一定の期待値を叩き出す。
これぞまさにドラマの二ツ星のよう。
塚原監督の演出がテレビドラマの枠を超えてより映画的になったとき、もの凄い革新的な物語が出来上がるのでは?と三ツ星に向けて今は期待しかない私です。
コメントする