「思いの外後味悪くない」悪い夏 ふたり映画さんの映画レビュー(感想・評価)
思いの外後味悪くない
闇落ちした北村匠海くんが見たくて鑑賞。
気弱な地味青年→仕事ができて包容力のある男→悲しみにくれて自暴自棄になった弱者→後悔と憤怒にかられて暴挙にでる気狂い、とまぁ四面相どころか多様な表情が見れてすごくよかった。彼の情けない姿ってなんであんなに魅力的なんでしょう。
もはやコメディかといえるほどのラストの怒涛の展開に、笑ってしまったのは私だけだろうか。そのラストの展開までずっと淡々としているので飽きてしまう人はいるかもしれないが、全体的に暗くて陰湿で鬱作品なのに、嵐の中の傘差しとか、お決まりの修羅場とかは、演者たちが必死であればあるほど恐ろしいよりコミカルに見えてきてしまう、不思議な作品。出てくるみんな気持ち悪かった(褒めてる)。
木南晴夏さんの憔悴しきった表情はとてもリアルで、これはかなりヤバイ……と思うほどの鬱状態が伝わってくる。あと窪田正孝くん、「春に散る」でもそうだったけど、ニヒルな役が上手いですねぇ。なんだか彼だけは一貫性があってブレない悪人だからか格好良く見えました。
主人公の佐々木は、仕事も精神的にも追い詰められて最悪で悪い夏だったかもしれないけれど、その半分は良い思い出も入っているんじゃないかなと思った。彼女とその娘さんと過ごした時間は本物だったから。思いの外後味が悪くなかったので良かった。
ただ、思ってたよりも主人公が脅されれるまで長く感じたし、胸糞キャラと物語に嫌な気持ちを引きずって胸焼けを起こしてしまう人がいるかも。
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