悪い夏のレビュー・感想・評価
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正しく生きていても闇堕ちさせられる怖さ
本当にクズとワルしか出てこなくて、いっそ清々しかったです。見る前は胸糞系かなと身構えていたけど、そこまでじゃなかった。むしろ最後の展開には笑ってしまった。
河合美優ちゃんも北村匠海くんも良かったけど、MVPは窪田くんでした!ああいうニコニコしていつ何をするかわからないワルが1番怖いんだ。改めて本当になんでもできる役者さんなんだなーと感動しました。オドオドビクビクしている真逆の役をやったら、めちゃくちゃ弱そうなのに、今回は真逆。プライベートでボクシングをやっているからか、殴り方も無駄に綺麗でめちゃくちゃ強そう。本当にすごかった。
監督は存じ上げなかったので調べたら、ピンク映画からVシネ作品撮られてた方なんですね。だからあのむわっとする夏の不快な熱気とか、怠惰的な雰囲気とかの画が上手いのかーのすごく納得。
見た日は雨も降っていてすごく寒かったのに、映画が始まった瞬間一気に不快な夏になった。
あと個人的には、木南さんもすごく良かった!闇堕ち後の北村匠海くんの時も思ったけれど、闇堕ちメイクがすごい!!表情+メイクでまるで別人だった。光を失った絶望を感じている人の目って、本当に真っ暗なんだな。
内容的に万人には勧められないけど、終わり方はある意味理想的な形で終わったので後味は良かったです。おもしろかった!
堕ちて迎える修羅場を堪能した
人間とは悪趣味な生き物で、映画の中で人が堕ちていくのを見るのは無性に楽しい。ただしその見せ方が巧くないと悪い後味が残るだけで、つまり堕ちて、悪くて、なおかつ社会問題への目線とエンタメ性を兼ね備えた本作は、破天荒なようで実は相当なまでに緻密な匙加減が効いているのだろう。その要となるのは真面目な青年だ。まさか自分が道を踏み外すなんて想像もしてなかったはず。だがそんな人間こそ悪の大好物。絡めとられた関係性が抜け出せない社会構造を生み、はたまたそこで顔を合わせるキャストの誰もが、一線を踏み越えることで個々の多面的な魅力を余すところなく発揮していく。とりわけ全てが思いっきりぶちまけられる後半の修羅場は、まさに罵詈雑言と感情のオーケストラだ。その反復といい、タイミングの妙といい、浄化作用といい、爆笑と高揚が同時に押し寄せる面白さがある。人は悪い。でもその全てを正直に吐き出した映画はとても面白く、尊い。
原作変えて良い面悪い面がはっきり
こんなドアの使い方ってステキ
ふみはずした人、普通の人の転落、裏切り、執着が悪い人の定義ってことですかねー すべてのキャストの演技力、設定に引き込まれて長さは感じませんでした。薮内さんもバラエティと違う魅力でした。俯瞰的に描いた転落していく様子に、ドキドキ心配してしまいました。没入していたってことですね。ドアを開けることで始まるストーリー→幸福→不幸→ハッピーエンド、ラストシーンもステキでした。
オッサンの使った箸が触れた麺は子役に食べさせられないぜ
城定監督作ははずれない。ちょっと長い気もするけど、無駄シーンがない。
原作が良いのかも知れないが、貧困ビジネスを扱ったものとして良いさじ加減と思った。
生保認定の排除体質と不正時給と両方が並べられているが、それに評価を付けず、感動作としないことによって、見る側に考えさせるようになっている。感動を押し付けたり、社会派作品にすると引いてしまう層が居るからね。
北村匠海の演技はもとより、人相が変わっていく様が見事です。
窪田正孝の悪役ぶりは最高です。
箭内夢菜はもうゆるキャン△にはでれません。
伊藤万理華はこんな役もできるんだな。
さて、河合優実ですが。あんのこと→ナミビア→本作と同一人物ではないかと、疑っています(ベランダからは出奔)。あまりのさやぐれ具合がうま過ぎるので、もはや演技ではなく、こういった人を連れてきておいてあるようです。もちろんほめているが、ちょっと同じようなことを続けてみるのに飽きてしまった。キムタクがキムタクで出演しているみたい。これからも期待してます。
楽しめた
はい、やっぱり邦画は「クズばっかり出て来る作品」に限りますよね!
ここ数年の「クズ人間映画」としては、トップクラスに楽しめた作品でした。
どうしてもそういう作品って、ノリが湿っぽくて、観た後どんよりしちゃうものも多い。
もちろんそれはそれで貴重な映画体験なんだけど、この「悪い夏」は、どうしようもないヤツらばっかりなのに、ポップでちゃんとエンタメしてるのが素晴らしかった。
まずは役者陣がホントに良い!
ヤサグレた女性演じたら当代随一の河合優実、綺麗な顔して見事に闇落ちする北村匠海、いつもホントにナニ考えてるか分からない窪田正孝。この辺りのメインに加えて、サブも良い。箭内夢菜はマジでチンピラの権力を笠に着て偉そうにしてるギャルだし、伊藤万理華って「サマーフィルムにのって」のあのコね!可愛くて結果イカれてるの最高。そして、やっぱり木南晴夏ですよ。あの薄幸そうな表情ときたら。
これだけのマイナスオーラをまとめて、貧困と弱者と搾取をベースに積み上げていくと、どうしても救いのない話になるはずが、すごく上手なバランスでコミカルに見える様に作られててる。
それでいて、この映画はちゃんと観客に「正しいってなんなんでしょうね」ってことも語りかけてくる。
彼らには彼らなりの「正しさ」「良かれ」があって、それに従って行動してるだけ。
でも、みんなやっぱりおかしいんだ。
ラスト。
どんどん登場キャラが集まってきて、嵐の中のワヤクチャが始まる感じもすごく楽しかった。
気になったのは、「生活保護」を受けている人がみんな社会的な「悪」みたいに見える描き方なのは好ましくないかな、と。
役所の担当者たちが「どうやって受給者に打ちきりを迫るか」「打ち切りさせたら偉い」みたいな話をしてるのは、(もちろん理屈は分かるけど)本来の制度の意図と異なるワケだし。
作中で不正受給を断罪するなら、他方で「生活保護受給のあり方」や、日本人として当然受ける権利があることを並行して見せる必要があるところだと思う。
いや、それにしても、楽しかった。
「生活保護費の受給」をテーマにした作品だと思っていたら、「執念深い女」の話だった
こんな夏に誰がした 生活保護制度を通して見えてくるこの社会の歪み
原作は染井為人の大衆小説で中身はスラスラ読めるので時間つぶしにはちょうどいい作品、それなりに社会風刺も効いている。
温暖化による猛暑は毎年のように記録を更新する勢い。今年も各地で観測史上最高気温が記録されるんだろう。もはや地球温暖化どころか地球沸騰化と言われる。そんな中で景気後退により庶民生活は相変わらず厳しく、電気代節約のためエアコンを控えた熱中症のご老人たちを乗せた救急車が町中サイレンを響かせる夏に今年もなりそうだ。こんな夏にいったい誰がした。
市役所の生活福祉課保護担当課に勤める主人公佐々木守はうぶで真面目な青年。そんな彼に生活保護制度に群がるハイエナたちの魔の手が迫る。
守の同僚高野から不正受給を見逃す代わりに脅されていた愛美と知り合い、うぶな守は初めて恋に落ちる。しかしその恋はハイエナたちによる罠だった。高野の代わりに守は美人局の金本らに脅され不正受給の片棒を担がされるはめに。そして初恋の愛美に裏切られたショックで彼は負のスパイラルに落ち込んでいく。
物語はまさに生活保護制度を中心に繰り広げられる。何とか不正受給をしようとするもの、制度を悪用して生活保護ビジネスにしようとする経済ヤクザ、生活に困窮してなんとか生活保護を受けたいというもの、受給者の弱みに付け込み私欲を尽くそうとする職員。それらの思惑が交錯し、二転三転する群像劇。そんなサスペンスが繰り広げられる中で主軸となる生活保護を取り巻く社会の問題点が浮き彫りになる。
守を脅す金本が言う。不正受給はどんどんやるべきだ。まじめに働いても生活保護費以下の収入でしか暮らせないこの国がおかしいのだと。原作ではこれに加えて生活保護を受給している人間に批判の矛先を向けるのではなく、こんな社会にした国に批判を向けるべきだと。
制度の悪用をしている金本に言う資格はないが、彼に利用されたホームレスたちには確かに言う資格のある意見だ。
日本での生活保護捕捉率はたったの2割だという。これは先進各国、たとえばイギリスやフランスなどが9割なのを見ても極端に低い数字とわかる。
日本で捕捉率が低い理由の一つとして、日本人には他人様に迷惑をかけてはいけない、世間に迷惑をかけてはいけないという考えが根強いため、たとえ受給要件を満たしていても申請しない人が多いのだという。それに加えて近年の自己責任論、そして生活保護バッシングがさらに拍車をかけている。ただでさえ先進各国より低い捕捉率が今なお低いままなのはそういった要因による。
他人様に迷惑をかけてはいけないという道徳律は一見立派な考えにも聞こえる。しかしそれは裏を返せば他人に迷惑をかけるような人間は害悪であるという考えになる。生活保護バッシングはその考えが根底にある。
インドでは人間とは他人に迷惑をかけて育つものだという考えが一般的だ。他人に迷惑をかけて生きてきたんだから、あなたも他人を許しなさい、他人が助けを求めてきたら救いの手を差し伸べなさい。これはまさに日本と真逆の考えだ。日本では過去に生活保護を受けるのを良しとせず自宅で餓死した男性のニュースが取り上げられた。その傍らにはおにぎりが食べたいというメモ書きが残されていたという。他人に迷惑をかけてはいけないという考えは他人に助けを求めてはいけないという考えにつながる。それが原因で起きた悲劇だった。
新自由主義的経済政策による富裕層への減税、消費増税、非正規雇用の拡大でかつて一億総中流と言われた日本もいまや中流層は減少し貧困層が増え、富裕層と貧困層の二極化が進んだ。格差は是正されるどころか固定化されその差は大きくなるばかり。貧困層が増えれば今回のようなコロナ禍の影響がもろに出て生活困窮者が増大し生活保護申請もさすがに増えて財政を圧迫しているという。そもそも法人税引き下げのために消費増税で庶民の生活を圧迫したり、正規雇用を減らすことにより生活困窮の土台を作り上げたにもかかわらず一度下げた法人税を上げるのには難色を示す、かわりに社会保障費にそのぶん跳ね返るという悪循環。
そういう社会状況を作り出した国に対して批判の矛先を向けるべきだという金本の意見だけは確かにもっともだ。しかし現実には国民同士の生活保護バッシングである。向けるべき批判の矛先を間違えているのだ。これもよく言う分割統治である。
愛美に裏切られた守は自暴自棄になり窓口に来た母子家庭で困窮していた古川佳澄に厳しい言葉を投げつけて追い返してしまう。後日彼のもとに警察の人間が訪れて彼女が子供と心中を図ったことを知らされ愕然とする。
ここがまさに本作のテーマである制度のゆがみを如実に描いている。制度を悪用する人間たちの申請を受理し、本当に制度による保護を必要としている人間にはその恩恵にあずからせないという。
衝撃的な事実を知らされて自己嫌悪でいっぱいになった守も愛美と心中を図ろうとする。そこで山田や金本、元同僚の高野や彼を追い続けた不倫相手の宮田有子までが入り乱れての大混乱となる。この辺はかなりドタバタ劇の様相を呈している。
ただここで注目すべきは愛美の行動であった。今まで自分の娘はおろか自身のことさえもどこか他人事のように関心のなかった彼女がこの危険な状況から娘美空を守ろうとする。恵まれない生い立ちで自分を愛せなかった彼女が娘を本能的に守ろうという思いが生まれた瞬間だった。守のゴリラの母親の話の伏線がここで生きてくる。救いようのない人間たちの中で唯一彼女だけが救われた瞬間であった。
本作は生活保護制度を悪用しようとした人間たちの姿を通して制度のゆがみ、社会のゆがみを描いた作品。
原作と比べてかなりマイルドな仕上がりで、子供への暴力シーンはさすがに無理だと思うが、守の闇落ちっぷりが生ぬるかったり、古川親子の末路についても変更されている。レイティングのこともあるから仕方がないのかもしれないが。オチも皮肉が効いたものとは違いハッピーエンドに描かれているため社会風刺としての原作の意図はかなり失われている。
本作を見て胸糞が悪いと感じられた方もいるらしいが原作通りにしていれば更に胸糞の悪さを感じるのかも知れない。だが現実に起きてることはこれとは比べようもないくらいなのだが。
作品ラストで生活保護を受けれなかった古川親子もその後受給できたのか幸せそうな姿を宮田有子とのすれ違いざまに見せるがあそこは守がそれらしき親子とすれ違い実は人違いだったとする方が原作がより引き立つのにと思った。
キャスティングは素晴らしい。金本役の窪田をのぞいてほぼイメージ通りだった。愛美役の河合優美もそのまんまだし、荒んだ主婦古川佳澄を演じた木南はやりすぎというくらい真に迫っていた。助演女優賞は彼女で決まり。
金本役の窪田だけが個人的にはミスマッチと思ってたが、鑑賞してみてキャラクター設定がそもそも変えられてるので納得。でもまじめな一市民である守と真逆な闇の世界の悪の象徴である金本の設定は本作のかなめともいえる存在なので変えてほしくなかった。どう見てもあれではただのチャラいチンピラだからねえ。
担当が気になる
レビューでよいことが書かれてなかったが、自分なりには良く出来た作品だと思う。出ている人たち皆しっかりした演技人だし、クズとかワル(それも小物)とかの役はそれほど難しくないはず。一見、ハッピーエンドのようなラストだが、多分誰も幸せになれないだろうな。ところで、スタッフにランボールギーニウラカン担当というのがあったが、何をするのかものすごく気になった。窪田さんはパンフレットで竹原さんをイジメたと書いてあったが、ガチなら当然竹原さんの方が強い。
unのこと。
最後まで見れなかった
途中で退席した映画はじめて。
なんか嫌だな。
生活保護の不正受給とか現実でありあり設定ではあるが、何か扱いが雑。
主人公は凄い善意なのに、はめられていく様をみておられん。俺は苦手だわ。
最後までみれず半分ほどで途中退席したはじめての映画になった。
出てる俳優、みんなハマり役。演技うまい。しかし河合優実さんはいつも複雑な役柄を。竹原ピストルかな?と思ったら、やっぱり!ハマりすぎている笑
小説は購入していて、こちらまず、じっくり読もうと思う。
因みに、途中退席をしたのは初めてだが、映画がくだらないと同意ではなく、自分と合わない。それたけのことだ。
映画も本も人も人間は選ぶ事ができる。人生はどこまで選べるかはわからない。選べるものは選ぼうではないか。そういう考えだ。
でも僕は映画が好きだ。本当によく見てる。月一、多いと月四見る。
今回、はしおるが、人間は怖くも優しくも醜くも美しくもあるものだと、今日改めて感じたなあ、息子にもおしえてあげたい。
豪華キャスト!なのに。
かなりの豪華キャストを揃えた印象です。特に北村匠海と河合優実の共演ということで楽しみにしていたのですが。
まぁ原作があるとの事なので仕方ない部分はあるのでしょうが、最後、警官姿の高野が突撃して来て以降はタチの悪い喜劇を見せられている様で苦笑するしかなかったです。そもそもなんであんな台風来ている夜にみんな集まるのさ?
あと生活保護の不正受給と言えば、外国人に斡旋している悪い輩がいると思うのですが、そういう辺りはスルーなのですね。ふむふむ。
この映画の唯一、ダメなとこはタイトル。「 わるいやつら」 に改題すべき!
いや、原作があるからしょうがないんだけど、悪い夏って何なんだ?そんな文章聞いた事ないぞ?
どの役者も最高の演技だが、木南晴夏が演じるシングルマザーの登場シーンが最高!
この女優、綺麗な人の筈なんだけど、伊藤潤二の漫画の登場人物みたいな変な顔にメイクをしていて、木南晴夏と気付きませんでした。
雨の日に道路を歩いていると、走る車に水飛沫をかけられてびしょびしょになるシーンなんだけど、
もし、オーディションでみすぼらしい役の審査があったなら、登場しただけで優勝してしまうくらい、哀れな顔で思わず笑ってしまいました。
また、この木南おっかさんが、万引きで捕まってパートをクビになり、水道も止められて、公園の水飲み場で飲料水を補充するんだけど、そのさまが哀れでなりません。
意を決して、生活保護申請に行くも北村匠海に説教されて、そのビクビクした顔はもう!何て、可哀想な人なんだー?!貴女は?!ちなみに、木南おっかさんはもっと可哀想になります。震えて眠れ!
主役の河合優実が一番可哀想で、裏口生活保護申請で生活保護受給者になった見返りに、月三万円を相談員から巻き上げられた挙句、相談員がやりたい時に、やられちゃうという生活を続けている元セックスワーカーな訳だ。
生活保護を受けていても、バイト感覚でセックスワーカーカーには絶対に戻りたくないという固い意志があるのに、相談員から月に三万円も巻き上げられていて、無料でやられちゃっているから、もうセックスに嫌気がさしているんだな。
でも、育児放棄気味で食料品は買えなくても、パチンコと煙草だけやるのな?パチカスとヤニカスの役満なので、とても可愛い娘がいてもあまり相手にはしていない。
ひょんな事から、北村匠海が担当している竹原ピストル演じる元タクシー運転手の受給者と河合優実が知り合う事によりマトモだった北村匠海相談員が悪事に手を染める事となる。
元々、北村匠海は河合優実を食い物にしている証拠を掴んだ真面目っ子眼鏡先輩女子の相談員を何とかするのが目的だったのだが、持ち前の真面目さを反社につけ込まれてしまう。
また、河合優実のお絵描き大好きな娘が、クレヨンすら買ってもらえないので、
ピンクのクレヨンじゃなきゃ、駄目なの...。
と、呟くのだ。クレヨンが買えないって...、あまりにも哀れなお子さんにクレヨンを買ってきたのが運の尽き。それに目をつけた反社に嵌められて、北村匠海が闇堕ちしていく。
本当に、生活保護受給者って、碌でもないという啓蒙映画なのだろうか?俺が知っている生活保護受給者は、働いていないと申告しているのに、働いていて、本名でなく偽名で給料を貰っている人がいたなぁ。
何の迷いも無く店長が手書きの偽名が書かれた給料袋を渡していました。あれは、何の罪で誰が裁かれるのだろうか?会社ぐるみで生活保護申請違反をするリスクを何故しょうのか意味がわからんかったとです。
河合優実を食い物にしていた相談員は、警察沙汰にしない代わりに辞職したら、嫁さんにマイホームを取られて追い出されて行き場が無くなったら、反社がちゃんと自分の店で雇ったりするんだよな。何か、この映画、悪党ばかりなんだけど、性根は優しい所が変わっているよな?珍しい映画だ。
これだけ、悲惨なお話しなのに、何か、笑えちゃうんだよな。ところが、ぎっちょん、笑えるシーンは終盤にあるのだが、
いくら何でも、こんな偶然はあり得ない!
と、突っ込んでしまう大団円のシーンは無茶苦茶すぎて最高!劇中で、竹原ピストルが、
何で、今日に限って、こんなにお客さん来るねん!
と、アドリブのような自虐セリフには大爆笑。
まさか、ラスボスがあの人だったとは気付きませんでした。
アノーラの後半シーンが好きな人ならお勧め。面白いぞー?この映画!本当、タイトルで損しているよなぁ?残念だ!
思いの外後味悪くない
闇落ちした北村匠海くんが見たくて鑑賞。
気弱な地味青年→仕事ができて包容力のある男→悲しみにくれて自暴自棄になった弱者→後悔と憤怒にかられて暴挙にでる気狂い、とまぁ四面相どころか多様な表情が見れてすごくよかった。彼の情けない姿ってなんであんなに魅力的なんでしょう。
もはやコメディかといえるほどのラストの怒涛の展開に、笑ってしまったのは私だけだろうか。そのラストの展開までずっと淡々としているので飽きてしまう人はいるかもしれないが、全体的に暗くて陰湿で鬱作品なのに、嵐の中の傘差しとか、お決まりの修羅場とかは、演者たちが必死であればあるほど恐ろしいよりコミカルに見えてきてしまう、不思議な作品。出てくるみんな気持ち悪かった(褒めてる)。
木南晴夏さんの憔悴しきった表情はとてもリアルで、これはかなりヤバイ……と思うほどの鬱状態が伝わってくる。あと窪田正孝くん、「春に散る」でもそうだったけど、ニヒルな役が上手いですねぇ。なんだか彼だけは一貫性があってブレない悪人だからか格好良く見えました。
主人公の佐々木は、仕事も精神的にも追い詰められて最悪で悪い夏だったかもしれないけれど、その半分は良い思い出も入っているんじゃないかなと思った。彼女とその娘さんと過ごした時間は本物だったから。思いの外後味が悪くなかったので良かった。
ただ、思ってたよりも主人公が脅されれるまで長く感じたし、胸糞キャラと物語に嫌な気持ちを引きずって胸焼けを起こしてしまう人がいるかも。
クライマックスだよ、全員集合!
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