悪い夏

劇場公開日:

悪い夏

解説・あらすじ

第37回横溝正史ミステリ大賞優秀賞を受賞した染井為人の同名小説を北村匠海主演で映画化し、真面目に生きてきた気弱な公務員が破滅へと転落していく姿を描いたサスペンス。

市役所の生活福祉課に勤める佐々木守は、同僚の宮田から「職場の先輩・高野が生活保護受給者の女性に肉体関係を強要しているらしい」との相談を受ける。面倒に思いながらも断りきれず真相究明を手伝うことになった佐々木は、その当事者である育児放棄寸前のシングルマザー・愛美のもとを訪ねる。高野との関係を否定する愛美だったが、実は彼女は裏社会の住人・金本とその愛人の莉華、手下の山田とともに、ある犯罪計画に手を染めようとしていた。そうとは知らず、愛美にひかれてしまう佐々木。生活に困窮し万引きを繰り返す佳澄らも巻き込み、佐々木にとって悪夢のようなひと夏が始まる。

シングルマザーの愛美を河合優実、犯罪計画の首謀者・金本を窪田正孝、佐々木の同僚・宮田を伊藤万理華が演じる。「ビリーバーズ」「アルプススタンドのはしの方」などの城定秀夫監督がメガホンをとり、「ある男」の向井康介が脚本を担当。

2025年製作/114分/PG12/日本
配給:クロックワークス
劇場公開日:2025年3月20日

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

監督
原作
染井為人
脚本
向井康介
製作
藤本款
遠藤徹哉
久保田修
エグゼクティブプロデューサー
藤本款
プロデューサー
深瀬和美
秋山智則
近藤紗良
スーパーバイジングプロデューサー
久保田修
共同プロデューサー
姫田伸也
撮影
渡邊雅紀
照明
志村昭裕
録音
秋元大輔
美術
松塚隆史
装飾
松塚隆史
小道具
タグチマリナ
スタイリスト
浜辺みさき
ヘアメイク
板垣実和
カラーグレーディング
稲川実希
VFXスーパーバイザー
鹿角剛
整音
伊香真生
音響効果
小山秀雄
編集
平井健一
音楽
遠藤浩二
主題歌
OKAMOTO'S
助監督
戸塚寛人
制作担当
相良晶
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(C)2025映画「悪い夏」製作委員会

映画レビュー

4.0正しく生きていても闇堕ちさせられる怖さ

2025年4月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

本当にクズとワルしか出てこなくて、いっそ清々しかったです。見る前は胸糞系かなと身構えていたけど、そこまでじゃなかった。むしろ最後の展開には笑ってしまった。

河合美優ちゃんも北村匠海くんも良かったけど、MVPは窪田くんでした!ああいうニコニコしていつ何をするかわからないワルが1番怖いんだ。改めて本当になんでもできる役者さんなんだなーと感動しました。オドオドビクビクしている真逆の役をやったら、めちゃくちゃ弱そうなのに、今回は真逆。プライベートでボクシングをやっているからか、殴り方も無駄に綺麗でめちゃくちゃ強そう。本当にすごかった。

監督は存じ上げなかったので調べたら、ピンク映画からVシネ作品撮られてた方なんですね。だからあのむわっとする夏の不快な熱気とか、怠惰的な雰囲気とかの画が上手いのかーのすごく納得。
見た日は雨も降っていてすごく寒かったのに、映画が始まった瞬間一気に不快な夏になった。

あと個人的には、木南さんもすごく良かった!闇堕ち後の北村匠海くんの時も思ったけれど、闇堕ちメイクがすごい!!表情+メイクでまるで別人だった。光を失った絶望を感じている人の目って、本当に真っ暗なんだな。

内容的に万人には勧められないけど、終わり方はある意味理想的な形で終わったので後味は良かったです。おもしろかった!

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共感した! 8件)
AZU

4.0堕ちて迎える修羅場を堪能した

2025年3月29日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

人間とは悪趣味な生き物で、映画の中で人が堕ちていくのを見るのは無性に楽しい。ただしその見せ方が巧くないと悪い後味が残るだけで、つまり堕ちて、悪くて、なおかつ社会問題への目線とエンタメ性を兼ね備えた本作は、破天荒なようで実は相当なまでに緻密な匙加減が効いているのだろう。その要となるのは真面目な青年だ。まさか自分が道を踏み外すなんて想像もしてなかったはず。だがそんな人間こそ悪の大好物。絡めとられた関係性が抜け出せない社会構造を生み、はたまたそこで顔を合わせるキャストの誰もが、一線を踏み越えることで個々の多面的な魅力を余すところなく発揮していく。とりわけ全てが思いっきりぶちまけられる後半の修羅場は、まさに罵詈雑言と感情のオーケストラだ。その反復といい、タイミングの妙といい、浄化作用といい、爆笑と高揚が同時に押し寄せる面白さがある。人は悪い。でもその全てを正直に吐き出した映画はとても面白く、尊い。

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共感した! 12件)
牛津厚信

3.0胸糞展開にも関わらず笑ってしまう作品

2025年5月18日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

物語が終わりに近付くに連れて段々と胸糞が悪くなる作品にも関わらず、クライマックスでは笑い声が漏れてしまうというとんでもない映画です。
生活保護という社会的な問題を扱いながらも嘲笑できる演出に持っていってしまう城定監督の手腕にひたすら感服してしまいました。

勿論、女性を撮るだけで艶っぽく見せてしまう城定監督の魅力も内包しています。
河合優実さんが疲れたシングル・マザーを演じているんですが、何処となく生々しい色気を放つ妖しい魅力が全開でした。

そんな中にあって一番目を引いたのが、窪田正孝さんの演技力。
窪田さんは監督や演出家によってその表情をガラリと変えてしまう役者なのだという事を改めて痛感させて頂きました。
城定監督の元、窪田さんは関わりたくないクズをしっかりとものにしておりました。
彼が笑顔になっただけで、関わる者の嫌な未来しか見えてこないから凄い。
彼の演技が物語の見えない裏側を常に支えているのは明らかでした。

画面には出ていないのに影のように付き纏う窪田さんの存在感からも胸糞展開になるのは明白なのですが、前述した通りクライマックスでは笑える展開が待ってます。
あれだけの人物を丁寧に描いた城定監督の勝利だと思います。
胸糞展開が苦手な人でも鑑賞可能だと思いますので、嘲笑できるクライマックスを味わいたい人は是非。

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かもしだ

1.5カオス

2025年5月17日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

生活保護の不正受給をテーマにしたサスペンス。と言えば聞こえが良いが、内容はサスペンスと言って良いのか…。色々な要素を詰め込み過ぎて物語が進む度にカオスに。
展開的にカオスはある種正解なのだろう。だが、盛り上がりに欠け、惹き込まれない原因は「生活保護の不正受給」というテーマにあるのだろう。このテーマは、共感しずらくエンターテインメントに昇華するには、難しいテーマだ。

生活保護の不正受給を扱うにしては軽すぎる、クズ人間の群像劇としては重すぎる、なんとも消化不良な作品だ。

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hiro