「フィリピンスタッフの敬意と愛情、熱意が伝わるリメイクの好例!」ボルテスV レガシー 矢萩久登さんの映画レビュー(感想・評価)
フィリピンスタッフの敬意と愛情、熱意が伝わるリメイクの好例!
今から47年前に放映された『超電磁マシーン ボルテスV(ファイブ)』は、海外でも評判が良く特にフィリピンでは最高視聴率58%、リバイバル放送でも平均40%を超え、今でも熱狂的な人気で、満を持して現地スタッフによってリメイクを製作。
数年前に特報を観た際はあまりの出来の良さに単なるファンメイドかと思っておりましたが、まさかまさかの長編(87分)として日本逆輸入。
オリジナルは『超電磁ロボ コン・バトラーV(ブイ)』をルーツとする長浜忠夫監督が手がけた長浜ロマンロボシリーズの3部作の第2弾。(第3弾は『闘将ダイモス』)
『コン・バトラーV』で成功した巨大ロボット+集団ヒーロー要素に、さらに『離ればなれの父と子の大河ドラマや驚きの血縁関係、敵役に美形キャラを配した意欲作でしたね。
さてリメイクの本作品ですが日本とフィリピンでは文化面では大きな相違、演出・表現も現地フィリピン色が強くなると覚悟しておりましたが全くの杞憂。
オリジナルに対して敬意と愛情、熱意をもって丁寧に改変なく完全リメイクしており驚きましたね。
プリンス・ハイネルはじめキャストもアニメ版に似せた美男美女を起用、劇伴もオリジナルを採用、主題歌は堀江美都子氏の原曲ではありませんが、さすがフィリピンでは第2の国家といわれるだけあり現地アーティストが日本語歌唱で熱唱、名曲ED『父をもとめて』も効果的に使用されてましたね。
実際のバトルシーンのCGもリアルに再現されて大迫力。
もうCGの技術に関してはハリウッドとアジア諸国の国境はなくなりましたね。
あとは550トンという質量を、もっとリアルに表現するぐらいですね。
かつてフィリピンの動画コンテンツの志向性を業務で調査しましたが、日本以上に『家族』は最も重要な存在で、数多のロボットアニメのなかで同作品が国民的大ヒットする理由も分かりますね。
さすがに全40話分を87分で描くのは無理、あくまでも本作は序章、続編が楽しみですね。
鑑賞はあえて「丸の内TOEI」さん。
なんだか「東映まんがまつり」で通った当時が想起されてちょっとエモかったです。