劇場公開日 2024年8月9日

  • 予告編を見る

ボレロ 永遠の旋律のレビュー・感想・評価

全51件中、1~20件目を表示

3.5ラヴェルと5人の女たち。ハンサムなのにちょっと残念な奥手男の「ボレロ」作曲奮闘記。

2024年12月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

マルグリット、マルグリットって、ずっと妹かなんかだと思って観てたら、途中でピアノ協奏曲ト長調の2楽章のソロを流暢に弾いてるシーンが出てきて、ああ、これあの曲の初演者で、サンソン・フランソワの師匠だった超大物ピアニストのマルグリット・ロン女史だったのか!!と今更ながら気づいた(笑)。
ごめん! この菅義偉かゲルギエフみたいな顔のおばちゃん(あき竹城っぽくもある)、なんでしょっちゅう訪ねてくるんだろうとかいぶかってて。たぶん登場したあたりの紹介シーンでうとうとしててきき逃したんでしょう……。

ラヴェルの後半生を描きつつ、名曲「ボレロ」の誕生秘話を紹介する音楽映画。
ずっと観よう観ようとは思いながら、観るタイミングを逸していたが、下北沢で再映していることに気づき、N響の第九を聴きに行く前に朝から鑑賞した。

ラヴェルが主人公と聞いて、また最近の映画によくある、やれ隠れゲイだったんじゃないかとか、児童性愛者だったんじゃないかとか、性的不能者だったんじゃないかとか、マザコンだったんじゃないかとか、そういう「生臭い」要素が多かったらホントに嫌だなあと思っていたのだが、そこまでラヴェルの性癖には立ち入らずにきれいにまとめてて、本当に良かった。一応、監督の解釈としてはヘテロだけど無性愛者(アセクシュアル)って設定なのかな?

とはいえ、ラヴェル本人が、あなたの伝記映画つくりましたよって本作のプレミアに呼ばれて、娼館で手袋の衣擦れの音を聴きながら白目剥いてふんふんトリップしてる自分の様子を見せられたら、それこそ「ボレロ」のバレエ初演の百倍くらい激昂したんじゃないかとは思うけどね(笑)。
もう死んじゃってるから、なんでもありですね。

超奥手で、潔癖症で、機械オタクで、鳥好きで、音フェチで、不器用だけど、特定の才能にあふれているタイプとか、今の日本でなら秋葉原界隈や鉄オタやバーダーあたりにいても一向におかしくない手合いだと思うし、こういうハンサムで優秀なのにチー牛くさいインテリは個人的に大好き。

― ― ― ―

中学、高校のころから、ラヴェルはお気に入りの作曲家だった。
大学のときやっていた学生マジックのステージショーで、前述したラヴェルのピアノ協奏曲ト長調の第二楽章をBGMに使ったくらいに愛聴していた。
いまはもっぱら、マーラーとかブルックナーばかりを好んで聴くような暑苦しい初老のクラオタだが、高校生のころは本当にラヴェルが好きだった。
当時はお小遣いが月2000円だったので、月1枚CDを買って、残りの金額で100円の本格ミステリを古本屋のゾッキ本で買いあさるのが一番の娯楽だった。
ラヴェルについては、当時定番だった、エンジェル(EMI)のアンドレ・クリュイタンス指揮の管弦楽曲集と、サンソン・フランソワのピアノ曲集&協奏曲集、あとはBMGのシャルル・ミュンシュ指揮盤が愛聴盤だった。

今でも、アレクサンドル・タローのラヴェル・アルバムはよく聴くし、彼が来日したらなるべく演奏会にも足を運ぶようにしているが、サントラのリスト見てたら、今回のピアノの手の吹き替えってやっぱりタローちゃんだったのね!! しかも、何かとラヴェルに食って掛かる若い音楽批評家のラロの役まで演じていたといわれてびっくり。全く気付かなかった!!
口ひげとかまで付けて、めっちゃ演技してるじゃん! タローちゃんふつーにうまいし。
選曲とかにもかかわってるのかしらん?
あと、サントラには前述したフランソワとかクリュイタンスあたりのEMI音源をそのまんま使ってて、映画のなかで流れてた演奏の大半が、自分の持ってるCDから採ったものばっかりだったことを後から知る。まるで気づかない自分の耳の悪さにがっかり(笑)。
でも、演奏シーンの8割がたでは、ラヴェルを演じたラファエル・ペルソナ本人が5か月くらい特訓して実際に弾いているらしい。それはそれですごいな。

― ― ― ―

「ボレロ」の曲自体には実はほとんど思い入れがないが(正直、ラヴェルなら他の曲のほうが好き)、作曲の経緯などはよく知らなかったので、とても興味深く観ることができた。
ああいう奥手の天才にとっては、イダ・ルビンシュタインみたいなド厚かましいクライアントが押せ押せで攻め寄せてきて、「無理やり書かせてくれる」シチュエーションが、作曲には必要だったんだろうなあ。
終盤に、自分は「何を書いてほしい」の繰り返しで曲を書いてきたけど、独自のものなんてない、自分は空っぽだ、みたいなセリフがあって、どきっとした。たしかに依頼や強制といった外圧がないと、なかなか仕事ってやる気にならないからね。結局、人に評価されるほどに「周りの期待に応える」形での仕事が増えてゆくことになる。
イダ役のジャンヌ・バリバールが『サンセット大通り』のグロリア・スワンソンみたいなクセの強い演技付けでやっていて、実に楽しそうだった。
あのダンスシーンは、リアルな当時の舞踏を再現しようという意識が高いのかな? 今の感覚からすると動きとかかなりダサいというか、古めかしい感じもしたけど。

「ボレロ」の楽曲の発想源として、工場の機械の規則正しい機動音や、お手伝いさんの歌う流行歌の「バレンシア」が挙げられていたり、そもそも17回の反復というアイディア自体が、編曲用に当てにしていた他人の楽曲の著作権が押さえられていてダメになり、切羽詰まってひねり出した苦し紛れの案だったことなど、いろいろ初めて知る話が多くて面白かった。
ラヴェルの周囲で鳴っているいろんな自然音や人工音、旅先で聴いたジャズやパリの街のシャンソン、それらすべてが「ボレロ」の作曲に悩む作曲家のなかにしみ込んで、「素材」となっていることを示す「音の演出」も巧みだった。

楽曲の使い方は、本当によく考えられていると思った。
たとえば、ふつうなら伸縮自在のテンポで煽り気味に演奏する指揮者の多い「ラ・ヴァルス」の自作自演で、オケにイン・テンポ(一定のテンポ)を維持して最後まで押し切るよう明快に指示していて、へえと思った。そのほうが官能的だみたいなこと言ってなかったっけ?
これは、中盤の「ボレロ」の話で、同じ旋律を同じテンポで17回繰り返す試みの、明らかな前振りになっている。
あと、「マ・メール・ロア」のピアノ連弾版(10歳くらいの子供たちのために作った曲なので簡単なつくりになっている)の「眠れる森の美女」を最初のほうのパーティーでミシアと連弾させて(ミシアの旦那にめちゃくちゃディスられるあのシーンの曲)、そのあと管弦楽編曲版の「マ・メール・ロア」を全体のテーマ曲のように使うやり方もうまい。

「逝ける王女のためのパヴァーヌ」「道化師の朝の歌」(いずれもピアノ版)、「グロテスクなセレナード」、「夜のガスパール」の「絞首台」、ピアノ協奏曲ト長調(両手で弾くほう)、ヴァイオリン・ソナタ、ピアノ三重奏曲、弦楽四重奏曲、「ラ・ヴァルス」などをちりばめつつ、有名な「スペイン狂詩曲」や「ダフニスとクロエ」あたりは使用しないという、こだわりのきいた楽曲採用になっているのも気になるところ。
とくに、オペラ「子供と魔法」と「左手のためのピアノ協奏曲」は、作中でわざわざラヴェルの口から楽曲について言及があるのに、なぜかなかでは流れない。
このへん、どういう意図で誰の意向が働いた選曲なのか、若干興味がある。

― ― ― ―

全体としては、落ち着いたフランス映画らしいつくり。
とにかくモーリス・ラヴェル役のラファエル・ペルソナを「綺麗に」撮っていて、それだけで作品は成功している気がする。カメラワークは流麗で、とくに海辺の別荘に作曲のためにおこもりに行くシーンで、建物の前を走る坂を下から仰ぎ見るショットにつなげて、背後の海側を鳥瞰で撮るショットには、たいへん感心した。

一方、淡々としたつくりなので、多少眠たくなる部分もある。
話の時系列がかなりわかりにくいのも、好き嫌いの分かれるところだろう。わざと回想シーンをあちこちシームレスに挟みこんで、単調な展開にならないよう調子をつけているのだが、そのせいで、漫然と観ていると結局いつラヴェルが戦地に行って、その後母親が亡くなったのかがよくわからなくなる。Wikiによれば、

1915年 兵役に就く
1917年 母親逝去、スランプに
1920年 「ラ・ヴァルス」作曲
1928年 アメリカ演奏旅行大成功、同年「ボレロ」作曲
1930年 左手のためのピアノ協奏曲作曲
1931年 ピアノ協奏曲ト長調作曲
1932年 失語症悪化、引退
1937年 脳手術後、予後悪く逝去

ということなので、かなり話の順番がシャッフルされている。

あと、マルグリットがマルグリット・ロンだとわかりにくいのと同様、ラヴェルのミューズとして全編にわたって登場するミシア・セールの扱いも、ちょっとわかりにくい気がする。
なんで人妻でありながら、四六時中ラヴェルの家を訪れてはイチャコラしてるのか根拠がよくわからないのだが、ミシアはそもそもガブリエル・フォーレの弟子で、リストもほめたたえたバリバリの技量をもつ「ピアニスト」としてラヴェルと交流し、さらには、ラヴェルを常に支援しつづけたシパの「実の姉」という立場でラヴェルと付き合っていたのである。
このあたり、もう少しドラマのなかでわかりやすく整理してくれてもいいのにな、とは思った。
なお、ミシアは文学者・画家・音楽家のパトロンとして、パリの芸術サロンの中核にいた超有名人であり、ルノワールやロートレック、ボナールあたりもこぞって絵にしているような「みんなの女神」だった。映画に出てくる嫌味な旦那さんは、彼女の三人目の夫で、スペイン人の画家である。この旦那の愛人とも性的関係を結び、三人で生活していたこともあるというエピソードがWikiに載っていた。ココ・シャネルが唯一心をひらいた親友でもあるという。なかなかに興味深い人物だ。

なんにせよ、ミシアとラヴェルのプラトニックな関係は、観ていて興味深い。
むしろ、ミシアのほうが積極的にラヴェルを誘惑するのだが、ラヴェルが乗ってこないとあえて深追いはしない。結局つかず離れず、長い年月にわたって、ふたりには友人以上恋人未満の関係が持続していたように、作中では描かれている。
ふたりのやりとりは、つねにほのめかしと機知にとんだもので、聞いていていかにもフランス知識人階級の香りがして楽しい。

一見気づきにくいが、映画のつくりとしては、超奥手男のモーリス・ラヴェルと、それを取り巻く5人の女たち――イダ・ルビンシュタイン、ミシア・セール、マルグリット・ロン、お手伝いさん、娼館のお気に入り――のやりとりを描く、ちょっとラノベかギャルゲーみたいな構造になっている(あとは死んだお母さんも)。モテモテなんだけど、絶対手は出さないよ! みたいな(笑)。
通例こういう映画では、カサノヴァみたいな男が何股もかけて罰を受ける『黒い十人の女』とか『女の都』みたいな展開になりがちなのだが、本作の場合は逆に、徹底的に受け身で「手を出さない」安心君が、何かとかいがいしく世話を焼いてくれる女性たちに助けられてなんとかがんばれるという、謎のハーレム状態が維持されている。
似ても似つかない話ではあるが、ちょっと『ダンまち』のベル・クラネルを彷彿させる設定。
女性監督がこれを撮っていることを考えると、こういう性的には無味無臭だけど気障なセリフはいえて、でも母性本能をくすぐるような繊細さを併せ持つ細面の美男子こそが、一番主人公としてはモテるんですよって女性目線でいわれているようで、妙な感じがします(笑)。

ちなみに世間ではラファエル・ペルソナは「アラン・ドロンの再来」と呼ばれているらしい。たしかにクールな美貌の持ち主で、アメリカにはいないタイプ。ぜひ今後とも活躍してほしいところだ。

コメントする 2件)
共感した! 5件)
じゃい

5.0ラヴェルの鼓動

2024年10月28日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

遠い日の僕の思い出。
あれは冬の夜だったけれど、
ポケットに手を入れて、
夜ふけの、道路工事を傍らで立って見ていたら
あの「アスファルトを砕く削岩機の音」の中からひとつの音楽が聴こえてきたので・・
僕はあの「リズム」につられて 誘われるままに ふらりと西国行きのブルトレに乗ったのでした。
すべてが嫌になり、生きることの限界に耐えられず、学生寮を出て夜道をさまよっていた時です。

機械の発する無機質、かつどこまでも単調な騒音から新しい拍動が。
そう、誰も知らなかったリズムとメロディーが生まれる瞬間。
若き日の家出少年?の思い出です。

・・・・・・・・・・・・

モーリス・ラヴェルの「ボレロ」の本領は
「ステージ上の演奏はあくまでも冷静なのに」
「客席はアクメのパニックになる」という=作曲者も意図しなかった反応。二律背反の現象です。

《リズムの反復が生むこのトランス状態》は
「ダンサー・イン・ザ・ダーク」のセルマや
「モダンタイムス」のチャップリンも、発端は同じでした。

そのアイデア斬新にして、奔放な、この世紀の傑作「ボレロ」が、
①実は頑なにメトロノームを見つめ、ひとつのリズムマシーンの“タガ"に自らを終始縛り付けた代物だったのであり、
②遊びや脱線を恐れる自らへの防御作品でもあり、
③時計と規則大好き、
という四角四面な構造であること。
その事が、
モーリス・ラヴェル自身のガードの固い精神とクソ神経質な生き様を、実はよく表している。

⇔ かたや観衆の側に沸き起こる熱狂とアドレナリンの爆発は
作曲者の預かり知らぬところだ ー
という この主客の「ズレ」がたいへんに面白いのです。

長すぎず、短すぎることもなく、
1分間の主題フレーズを17回。
聴衆は結末を当然知っていつつも、何度でもこの管弦楽の渦を、我が身に求めたくなる。興奮の昂まりに身を委ねて、もみくちゃにされたくなる。
結果を知っていても“中毒”のように惹き込まれてしまう。これは古典落語のオチに酔いしれる「名演」と同じですね。

太鼓の拍動や手拍子は、人間の原始の記憶の想起。
あるいは原生動物時代のクラゲやクリオネに始まる赤い心臓の点滅。
野生に戻り、自分の鼓動を感じること。

・・・・・・・・・・・・・

作曲家の伝記物語として、その中でも「ボレロ」という一曲に集中して作られたコアな作品でした。
モーリス・ラヴェルが、スランプに苦しみながらも委嘱に応えなければならない、締め切り前の七転八倒の姿です。

機械工場、
無機質な繰り返し、
5回も繰り返して落選したコンクール、
半音を撤廃し四つの音を基本に、
20分では長いから15分にしようかとおもったが 間を取って17分、
アメリカで聴いたJAZZのテナー・サックスのあの気だるいフレーズ、
気分転換に歩く浜辺の、波の寄せ引き、
家政婦が愛唱するスペインの歌謡曲「ヴァレンシア」の、独特のダンスリズム、
娼館での赤いサテンの手袋のフェティシズム、
ラヴェル自身は一貫して女の前でも服を脱ぐこと、裸になることから逃げている。
しかし、
最後は火山の噴火で終息に。

こういう劇中に去来し 交わされる「キーワード」の積み重ねが、鑑賞する我々にも、波のように繰り返し繰り返し 提示されていて
「我々の知るあのボレロ」の完成に向けての「プロセス」を共に感じることが出来るのです。
そこがこの映画を退屈させない実に上手い作りですね。
つまり、誰もが答えを知っている有名な楽曲であるからこそ、観ている側がそのヒントを拾いながら壮絶なコーダを迎えられるように出来ている。
(逆に言えば「ボレロ」を知らない人間はこの映画の作りの面白さが分からずに全然乗ってこれないということになりますね) 。

それにしても、
無から有を呼び起こす作曲家たちこの産みの苦しみの、なんと辛いことよ!

曲の完成を待ちわびる何人もの女たち=
モーリスの母親、
ロシア人舞踏家のイダ、
モーリスを愛するサポーターのミシャ、
いつも靴の忘れ物を届けてくれる陽気な家政婦のルヴロさん、
そして影にひなたにモーリスの面倒をみたマルグリード。
・・この全員が、ボレロの完成を諦めずに待った訳です。
モーリスの弱さと脆さが、女性たちの母性本能と愛玩行動を引きだすのかも知れません。みんな年上タイプ。
監督も女性=アンヌ・フォンテーヌでした。
こうしてたくさんの女性が登場しますが、全員が独特の風貌と身長と性格でキャスティングされているため、混乱は皆無です。お見事。

絶体絶命で、口からでまかせで、半ば破れかぶれで生まれた「名曲の誕生秘話」。
ひょうたんから駒でした。

・・・・・・・・・・・・

ラストは
本人の指揮風景で終わります。
若年性認知症なのでしょうか?
燃え尽き症候群なのでしょうか?
脳腫瘍の手術あとにも見えます。
頭真っ白の状態になっての、ハレーショ゙ンのモノクロ映像です。

娼館での性行為を思わせる熱情のリズムは、まんまベッドシーン。
イダが評した通りの、ラヴェルの音楽の「官能」「陶酔」「エロチシズム」の極致でした。

誰にも気付かれずに微かな小太鼓で「抑制的」に「理知的」に開始され、繰り返す拍動。
重ねられ、徐々にクレッシェンドされ、昂まる緊張と興奮。
そしてつまりラストは頭真っ白で、怒涛のオルガスムス。
まさしく!フランス人はラテン民族だったのでした。

・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・

【 おまけ情報 ①②】
①5人のダンサーによる「ボレロ」の見比べ動画と解説
[ バレエ「ボレロ」はダンサーによって全く違う作品に!?|NOAバレエスクール ]

◆シルヴィ・ギエム、
◆上野水香、
◆マヤ・プリセツカヤ、
◆首藤康之、
◆ジョルジュ・ドン

②「ボレロ」の演奏会形式録音の変り種としては
楽団員たちが、練習演奏で、フィナーレで叫んだ録音ですね。指揮者をびっくりさせて。
結局面白いからと、そのままでCD発売に相なったというお遊びの一枚でもあります。
⇒クラウディオ・アバドのボレロで動画検索して下さい。

( ※ コメント欄 )

コメントする 12件)
共感した! 13件)
きりん

5.0今年一番

2024年10月25日
PCから投稿

私的には
最近見た映画の中で
というより
今年見た映画の中で
一番でした
(なんでだろ?)

ボレロは知ってる程度で
特に好きというわけではないのですが
冒頭の
ボレロのいろいろバージョンの演奏から
心を掴まれてしまいました

工場で
楽譜を渡すシーンから
ボレロの
あの耳に残るリズムも
近代への賛歌だったのだと
腑におちて
ボレロに妙に親近感を感じました

ラヴェルは
嫌な人ではないけれど
繊細で
常人ではないところのある人だなと思いました。

ラヴェルがどんな人で
どのようにしてボレロを作ったか
ボレロが現代でも
いかに人々に愛される曲なのか
ボレロ賛歌を
描きたかった作品かなと思います

私的には
イダの官能的な踊りよりも
エンドの男性の
躍動感あふれる踊りの方が
ボレロに
しっくりきて
そうこれこれ
と思って終われました

コメントする (0件)
共感した! 3件)
アツコ

4.5誰でも知っている、モーリス・ラベルのバレエ曲について。 作る際の苦...

2024年10月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

幸せ

誰でも知っている、モーリス・ラベルのバレエ曲について。
作る際の苦悩とか、
踊り手も、聴衆も、それぞれ異なる感想を抱いて、作曲した本人もいわれて気づく観点があったり、
興味深い物語でした。
もしかして、ミニマルミュージックの元祖かもしれないですね。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
woodstock

3.5ボレロ

2024年10月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

ベジャール振り付けボレロに魅せられた一人です。
ラヴェルの曲は水の戯れやパヴァーヌなどピアノで演奏したこともあり、作曲家としても深掘りしたい特別な存在。その一生も知りたかったけど、本作は完全ボレロストーリー。

あの名曲誕生の裏に、そこまでの苦悩があったとは。
完全にバレエ曲の依頼として誕生したことも、限られたコードや繰り返しがその場しのぎのアイデアだったことも、1分x17回といった構造も知らなかった。

そして工場の機械的で無機質な繰り返し音、力強い男性的なイメージで作ったのにエロティックにバレエで表現されて憤怒したことも。

私が見たベジャールは男性ダンサーズだったので、確かに印象は少し違ったけど、それに近いラスト妄想の力強い男性の踊りより、劇中舞台の女性の官能的な踊りの方がなんか心にささって、感動した。新しい解釈だったからか?あの曲のラストの絶頂はいつもうるっとくる。

映画としては淡々と、眠気を誘う感じ。でも当時のフランスの暮らしや風景、ラヴェルの落ち着いていながらもどこか狂気に誘われそうな闇にゾクッとくるところ、好きでした。

それにしてもこの曲のドラム叩く人、大変そう。。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
alvo

4.0バルーンフェスタ

Mさん
2024年9月24日
Androidアプリから投稿

「愛と悲しみのボレロ」の感動を期待する人にはガッカリ作品だろうが、私にとっては、なかなかよかった。
ラヴェルの人生なんて何の興味もなかったが、調べてみたくなった。

コメントする 3件)
共感した! 7件)
M

3.5愛と哀しみの・・・

2024年9月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

寝られる

キレイな女優が一人も出とらん。リアル。

踊りたくなった。帰宅後踊った。

天から音楽が降りてくるものでもないのだね。とてもいい。

コメントする 1件)
共感した! 1件)
色即是空

4.0ラファエル・ペルソナが魅力的でうっとり

2024年9月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ボレロが完成するまでを、映画らしく音と映像によって鮮やかに描きだしていると思う。特に音。工場の歯車、時計の秒針、靴音、拳、様々な音がボレロのあの印象的な旋律につながっていく展開が素晴らしかった。
ラヴェルの人がらが映画から匂い立つようで、音楽にこだわる彼独特の臆した愛、欲情は繊細でよかったと思う。
ラファエル・ペルソナの端正な容姿がとてもラヴェルにあっていて、ジョン・ローン×ジェレミー・アイアンズを思い出すような、個人的にすごく惹かれる容姿。これからますます活躍していくのでは。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
ターコイズ

4.5クラシックには疎いのですが

2024年9月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

幸せ

萌える

ボレロが生まれるまでの苦悩、プレッシャーのなか、リズムが決まり、主旋律がうまれ、
思わず右手が指揮をとるように動いてしまいました。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
みのまる

3.0ボレロとラヴェルを知る

2024年9月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

1928年のフランス・パリで、作曲家モーリス・ラヴェルは、バレエダンサーのイダから新しいバレエ曲を依頼された。その頃のラヴェルは曲が書けずスランプだったが、試行錯誤の末、ついに、ボレロを完成させた。しかしすべてを注ぎ込んで作り上げたこの曲だが、彼の意図した情景と全く違い、イダが振り付けたのは娼婦のようなバレエであり、落ち込んだが、観客からは絶賛された。そんな話。

ボレロはもちろん聞いたことあるが、作曲家がラヴェルだという事も、フランス人だという事も知らずに鑑賞した。
ローマ賞に何度も挑戦し、落ち続けたことや、曲が書けないと悩んでる時期があったりで、天才肌では無かったのだろうと思った。
友人の姉のミシアを好きだったのだろうが、彼女は金持ちと結婚したため一生独身を貫いたようだ。
ボレロ発表の頃から記憶障害になり、寂しい晩年を過ごしたみたい。
そんはボレロとラヴェルを知ることのできる作品。

コメントする 1件)
共感した! 7件)
りあの

2.5うーん

2024年9月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

ボレロが好きなので良い音響でと思って映画館へ。

うーん、ん?

タイトルは「ボレロ」より「ラヴェル」の方が良いかな…
もっとボレロを堪能したかった。個人的な希望。

伝記としても時系列や登場人物、関係性がよくわからないまま進むことだらけで入り込めなかった。

うーん。不完全燃焼。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
yopida

5.0音楽版コロンボ

2024年8月24日
Androidアプリから投稿

あの名曲が如何にして我々の耳に響いたのか、良かったです。
しかし、あれがバレー曲だとはビックリしました。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
ホモ・サピエンス

3.5少々盛りすぎ?

2024年8月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

当時の美術や衣装の再現と、カメラのフレームワークが美しすぎるくらい美しく、「光」を堪能できました。
そこがよかった。

NHKの大河ドラマや司馬遼太郎の「司馬史観」あたりに顕著だが、小説、TVドラマ、映画などで"「史実」「真実」をベース"などと謳われた作品の大半は、想像力で盛られることが多い。
特に、現代人に通じる「価値観」や、作者の「正義」「倫理観」などのフィルターを通し、かつ本やフィルムなどにする上での「【物語】としての緩急強調演出」を加えられ、作り事「創作」になるのが普通とはいえ。
『ボレロ』は名曲だし、たしかに世界中どこかで流れない日はないと思うくらい有名とはいえ……

ラヴェルは他の曲も素晴らしい。
若い頃から 『ソナチネ』『スペイン狂詩曲』『マ・メール・ロワ』『夜のガスパール』といった大ヒット曲を飛ばして世間から注目されたのに、『ボレロ』でしか評価されないという作中の扱いは少々寂しかった。
それに、たくさんの恋人たちの力で『ボレロ』ができたように描くのは、少々盛りすぎじゃないの?とは思った。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
コージィ日本犬

3.5TuかVousか、とにかく気になる〜ゎっ♪

2024年8月23日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

フランス語には2種類の二人称があり、親しい人にはTu、敬称ではVous(Tuの複数形を単数に使う)と習った人も多いのではないかと思います。

※ふたりの関係で、どちらからがTu、もう片方からがVousということはないらしい。

という切り口でフランス映画を見ると字幕のあちら側を知ることができてお得だと思います。

史実でどうだったかは存じませんが、この映画におけるモーリスの一面が表されてるとも言えるでしょう。

というわけで、ここの感想を読んでいてもいろいろ勘違いなさってる方々がいらっしゃるので、字幕では描ききれないエピソードがストーリーに存在しているのかもしれません。

米企業Netflixとしてはどうだったんでしょうね。

ちなみに当方にとってはパトリス・ルコントのボレロこそがボレロの真髄です。

また、以前とある管楽器の音大生がとても得意満面に現れたので「じゃあボレロ吹いてみて」と言ったら一瞬怯みながらも挑戦してくれたのがいい思い出です。

天才ラン・ランの左手をぶっ壊したのはラヴェルの「左手」と言われています。ヴァルスも難曲。それを作曲して弾いていた人の技術がもう少し描かれてると良かったのに、オケの奏者たちにとっても簡単なものではないと説明があってもよかったかも、と思いました。

全体的にサウンドが誠実です。雨音まで聴ける映画です。なんでも盛っちゃう米国企業がよく我慢したな、とも思います。

Netflixに欧州作品がじゃんじゃん増えるといいですね。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
たちつてとん

2.0亡き作曲家のためのパヴァーヌ

2024年8月22日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

この映画を見る限りラヴェルがあまりドラマチックな生涯を送った人とは思えず、そうなると当然のことながら映画もあまり感動的なドラマにはならない。ローマ大賞に落ちた話やアメリカ演奏旅行、バレエ音楽の作曲依頼などが断片的に配置されるので(しかもあまり説明がない)、物語や時間の流れがわかりづらい。
私にとって「ボレロ」と言えば、モーリス・ベジャールであり、シルヴィ・ギエムであり、上野水香なので、(フィギュアスケート番組のテーマでもある)、ニジンスカの振付による初演のステージは違和感があった。
主演のラファエル・ペルソナは時々マユリカの阪本みたいな表情を浮かべる。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
梨剥く侍

3.0冗長的、特に前半は要らない

2024年8月22日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

音楽家の生涯は音楽作品がメインで、プライベートな女性関係は参考程度で良いと思うが、登場人物は女性ばかりでダラダラ長々と描かれ、前半で席を立っていく人もいた。
フォーレやドビュッシーやサティやガーシュインや、作品に影響し合った音楽家は出てこない。
ボレロは傑作だが、ピアノ協奏曲第2楽章も聴きたかったので、最後のエンドロールで流れたので良かった。
精確さのボレロとは反対の、あの不思議な魅力の不協和音は彼が精神的に病んでいく(認知症?)影響なのか、2つの曲の対比で彼の頭の中を感じる事が出来たので、我慢して前半で席を立たなくて良かった。

コメントする 1件)
共感した! 1件)
ゲド

3.0手袋フェチ

2024年8月20日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

イダの「肉体の音楽だ」という発言や不本意な褒められ方にラヴェルは反発するのだが、例えばベジャール振り付けによるドンやギエムの演技を知ってしまうとその通りだとしか言い様がない。いちばんの有名作が必ずしも本人のお気に入りとは限らないのはよくある話で(手塚治虫は「鉄腕アトム」があまり好きじゃなかったらしい)、それを乗り越えるようとする事が新たなモチベーションになるのもまた然り。
それにしても、それこそドンやギエムと比較しても仕方ないけど、バリバールの演技にケチつける気は無いが、踊りのキレの無さは…
レスター・ヤングとビリー・ホリデーは彼の同時代人だったんだなぁ。

コメントする 3件)
共感した! 6件)
ひろちゃんのカレシ

3.5鑑賞後にボレロのリズムが頭の中でグルグル

2024年8月20日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

非常に繊細な神経を持ち「ボレロ」を作曲した作曲家ラヴェルの半生の運命を描く内容。
エンディングが格好いい!

コメントする (0件)
共感した! 1件)
デコ山

4.0ラベルの「ボレロ」ではなく

2024年8月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

2024年。アンヌ・フォンテーヌ監督。音楽家ラベルが「ボレロ」作曲に至るまでを描いた映画。「ボレロ」作曲に至るまでの、また「ボレロ」作曲後のいくつかのエピソードが「ボレロ」を焦点にしてつなぎ合わされている。「ラベルの「ボレロ」」についての映画。
ラベル自身がそういう経験を苦々しく思っていたらしいこともセリフとして出てくるが、エピソードとして、ラベル=「ボレロ」に収まっていないのは、結婚しなかったラベルの終生のミューズだった女性との関係、靴探し、逆説的だが「ボレロ」初演時のダンスシーンといったところか。とくに、初演時のダンスはジャンヌ・バリバールの過剰な演技(わざとか?)もあいまって、ダンス自体の「ボレロ」との不協和音が強調されており、ラベルから「ボレロ」が奪われていくようにみえる。直後にラベル自身が「自分にはわかっていなかった「ボレロ」の性的な側面」として認めてしまうのだが。
そもあれ、映画自体が「ラベルの「ボレロ」」を表象しているのは間違いなく、工場や近代化の隠喩、時計の音の換喩などはこれまでの「ボレロ」解釈を多用にしたかもしれないが、ラベルといえば「ボレロ」という構図は不変であり、ラベル=「ボレロ」という等号の線をいくらか太くしたり複雑にしたりしたにすぎない。
いや、ラベルが精神を病んでいくことを思えば(ただの認知症にも見えるが)、むしろ、主役はラベルではなく「ボレロ」という近代的な音楽(厳格に均質的なリズム、テーマの繰り返しと微妙な差異、徐々にもりあがって最後に爆発)であり、ラベルという特定の人をある日突然襲ってきた近代社会の音の魔力、その犠牲となった音楽家の悲劇、の映画なのかもしれない。=は等号ではなく、「ボレロ」に飲み込まれたラベル(記号で言えば、ラベル<「ボレロ」)ということかも。

コメントする 1件)
共感した! 3件)
文字読み

2.5ラヴェルの人生を知ってたらもう少し違ってたかな と思える内容でした...

2024年8月17日
Androidアプリから投稿

ラヴェルの人生を知ってたらもう少し違ってたかな
と思える内容でした

時間が行き来するのと、大きな盛り上がりや起承転結のような流れがなく、観終わったあと、久々に、フランス映画ってこうだよね、という思いに駆られる

ただ、ボレロは心地よく、音楽に癒される映画だった

コメントする (0件)
共感した! 1件)
yukarin