劇場公開日 2024年8月9日

ボレロ 永遠の旋律のレビュー・感想・評価

全51件中、1~20件目を表示

5.0ラヴェルの鼓動

2024年10月28日
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鑑賞方法:映画館

遠い日の僕の思い出。
あれは冬の夜だったけれど、
ポケットに手を入れて、
夜ふけの、道路工事を傍らで立って見ていたら
あの「アスファルトを砕く削岩機の音」の中からひとつの音楽が聴こえてきたので・・
僕はあの「リズム」につられて 誘われるままに ふらりと西国行きのブルトレに乗ったのでした。
すべてが嫌になり、生きることの限界に耐えられず、学生寮を出て夜道をさまよっていた時です。

機械の発する無機質、かつどこまでも単調な騒音から新しい拍動が。
そう、誰も知らなかったリズムとメロディーが生まれる瞬間。
若き日の家出少年?の思い出です。

・・・・・・・・・・・・

モーリス・ラヴェルの「ボレロ」の本領は
「ステージ上の演奏はあくまでも冷静なのに」
「客席はアクメのパニックになる」という=作曲者も意図しなかった反応。二律背反の現象です。

《リズムの反復が生むこのトランス状態》は
「ダンサー・イン・ザ・ダーク」のセルマや
「モダンタイムス」のチャップリンも、発端は同じでした。

そのアイデア斬新にして、奔放な、この世紀の傑作「ボレロ」が、
①実は頑なにメトロノームを見つめ、ひとつのリズムマシーンの“タガ"に自らを終始縛り付けた代物だったのであり、
②遊びや脱線を恐れる自らへの防御作品でもあり、
③時計と規則大好き、
という四角四面な構造であること。
その事が、
モーリス・ラヴェル自身のガードの固い精神とクソ神経質な生き様を、実はよく表している。

⇔ かたや観衆の側に沸き起こる熱狂とアドレナリンの爆発は
作曲者の預かり知らぬところだ ー
という この主客の「ズレ」がたいへんに面白いのです。

長すぎず、短すぎることもなく、
1分間の主題フレーズを17回。
聴衆は結末を当然知っていつつも、何度でもこの管弦楽の渦を、我が身に求めたくなる。興奮の昂まりに身を委ねて、もみくちゃにされたくなる。
結果を知っていても“中毒”のように惹き込まれてしまう。これは古典落語のオチに酔いしれる「名演」と同じですね。

太鼓の拍動や手拍子は、人間の原始の記憶の想起。
あるいは原生動物時代のクラゲやクリオネに始まる赤い心臓の点滅。
野生に戻り、自分の鼓動を感じること。

・・・・・・・・・・・・・

作曲家の伝記物語として、その中でも「ボレロ」という一曲に集中して作られたコアな作品でした。
モーリス・ラヴェルが、スランプに苦しみながらも委嘱に応えなければならない、締め切り前の七転八倒の姿です。

機械工場、
無機質な繰り返し、
5回も繰り返して落選したコンクール、
半音を撤廃し四つの音を基本に、
20分では長いから15分にしようかとおもったが 間を取って17分、
アメリカで聴いたJAZZのテナー・サックスのあの気だるいフレーズ、
気分転換に歩く浜辺の、波の寄せ引き、
家政婦が愛唱するスペインの歌謡曲「ヴァレンシア」の、独特のダンスリズム、
娼館での赤いサテンの手袋のフェティシズム、
ラヴェル自身は一貫して女の前でも服を脱ぐこと、裸になることから逃げている。
しかし、
最後は火山の噴火で終息に。

こういう劇中に去来し 交わされる「キーワード」の積み重ねが、鑑賞する我々にも、波のように繰り返し繰り返し 提示されていて
「我々の知るあのボレロ」の完成に向けての「プロセス」を共に感じることが出来るのです。
そこがこの映画を退屈させない実に上手い作りですね。
つまり、誰もが答えを知っている有名な楽曲であるからこそ、観ている側がそのヒントを拾いながら壮絶なコーダを迎えられるように出来ている。
(逆に言えば「ボレロ」を知らない人間はこの映画の作りの面白さが分からずに全然乗ってこれないということになりますね) 。

それにしても、
無から有を呼び起こす作曲家たちこの産みの苦しみの、なんと辛いことよ!

曲の完成を待ちわびる何人もの女たち=
モーリスの母親、
ロシア人舞踏家のイダ、
モーリスを愛するサポーターのミシャ、
いつも靴の忘れ物を届けてくれる陽気な家政婦のルヴロさん、
そして影にひなたにモーリスの面倒をみたマルグリード。
・・この全員が、ボレロの完成を諦めずに待った訳です。
モーリスの弱さと脆さが、女性たちの母性本能と愛玩行動を引きだすのかも知れません。みんな年上タイプ。
監督も女性=アンヌ・フォンテーヌでした。
こうしてたくさんの女性が登場しますが、全員が独特の風貌と身長と性格でキャスティングされているため、混乱は皆無です。お見事。

絶体絶命で、口からでまかせで、半ば破れかぶれで生まれた「名曲の誕生秘話」。
ひょうたんから駒でした。

・・・・・・・・・・・・

ラストは
本人の指揮風景で終わります。
若年性認知症なのでしょうか?
燃え尽き症候群なのでしょうか?
脳腫瘍の手術あとにも見えます。
頭真っ白の状態になっての、ハレーショ゙ンのモノクロ映像です。

娼館での性行為を思わせる熱情のリズムは、まんまベッドシーン。
イダが評した通りの、ラヴェルの音楽の「官能」「陶酔」「エロチシズム」の極致でした。

誰にも気付かれずに微かな小太鼓で「抑制的」に「理知的」に開始され、繰り返す拍動。
重ねられ、徐々にクレッシェンドされ、昂まる緊張と興奮。
そしてつまりラストは頭真っ白で、怒涛のオルガスムス。
まさしく!フランス人はラテン民族だったのでした。

・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・

【 おまけ情報 ①②】
①5人のダンサーによる「ボレロ」の見比べ動画と解説
[ バレエ「ボレロ」はダンサーによって全く違う作品に!?|NOAバレエスクール ]

◆シルヴィ・ギエム、
◆上野水香、
◆マヤ・プリセツカヤ、
◆首藤康之、
◆ジョルジュ・ドン

②「ボレロ」の演奏会形式録音の変り種としては
楽団員たちが、練習演奏で、フィナーレで叫んだ録音ですね。指揮者をびっくりさせて。
結局面白いからと、そのままでCD発売に相なったというお遊びの一枚でもあります。
⇒クラウディオ・アバドのボレロで動画検索して下さい。

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きりん

5.0今年一番

2024年10月25日
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私的には
最近見た映画の中で
というより
今年見た映画の中で
一番でした
(なんでだろ?)

ボレロは知ってる程度で
特に好きというわけではないのですが
冒頭の
ボレロのいろいろバージョンの演奏から
心を掴まれてしまいました

工場で
楽譜を渡すシーンから
ボレロの
あの耳に残るリズムも
近代への賛歌だったのだと
腑におちて
ボレロに妙に親近感を感じました

ラヴェルは
嫌な人ではないけれど
繊細で
常人ではないところのある人だなと思いました。

ラヴェルがどんな人で
どのようにしてボレロを作ったか
ボレロが現代でも
いかに人々に愛される曲なのか
ボレロ賛歌を
描きたかった作品かなと思います

私的には
イダの官能的な踊りよりも
エンドの男性の
躍動感あふれる踊りの方が
ボレロに
しっくりきて
そうこれこれ
と思って終われました

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アツコ

4.5誰でも知っている、モーリス・ラベルのバレエ曲について。 作る際の苦...

2024年10月18日
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鑑賞方法:映画館

興奮

知的

幸せ

誰でも知っている、モーリス・ラベルのバレエ曲について。
作る際の苦悩とか、
踊り手も、聴衆も、それぞれ異なる感想を抱いて、作曲した本人もいわれて気づく観点があったり、
興味深い物語でした。
もしかして、ミニマルミュージックの元祖かもしれないですね。

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woodstock

3.5ボレロ

2024年10月7日
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鑑賞方法:映画館

ベジャール振り付けボレロに魅せられた一人です。
ラヴェルの曲は水の戯れやパヴァーヌなどピアノで演奏したこともあり、作曲家としても深掘りしたい特別な存在。その一生も知りたかったけど、本作は完全ボレロストーリー。

あの名曲誕生の裏に、そこまでの苦悩があったとは。
完全にバレエ曲の依頼として誕生したことも、限られたコードや繰り返しがその場しのぎのアイデアだったことも、1分x17回といった構造も知らなかった。

そして工場の機械的で無機質な繰り返し音、力強い男性的なイメージで作ったのにエロティックにバレエで表現されて憤怒したことも。

私が見たベジャールは男性ダンサーズだったので、確かに印象は少し違ったけど、それに近いラスト妄想の力強い男性の踊りより、劇中舞台の女性の官能的な踊りの方がなんか心にささって、感動した。新しい解釈だったからか?あの曲のラストの絶頂はいつもうるっとくる。

映画としては淡々と、眠気を誘う感じ。でも当時のフランスの暮らしや風景、ラヴェルの落ち着いていながらもどこか狂気に誘われそうな闇にゾクッとくるところ、好きでした。

それにしてもこの曲のドラム叩く人、大変そう。。

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alvo

4.0バルーンフェスタ

Mさん
2024年9月24日
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「愛と悲しみのボレロ」の感動を期待する人にはガッカリ作品だろうが、私にとっては、なかなかよかった。
ラヴェルの人生なんて何の興味もなかったが、調べてみたくなった。

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M

3.5愛と哀しみの・・・

2024年9月19日
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寝られる

キレイな女優が一人も出とらん。リアル。

踊りたくなった。帰宅後踊った。

天から音楽が降りてくるものでもないのだね。とてもいい。

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色即是空

1.0大御所ゲイとかよわきゲイ

2024年9月18日
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同時期上映の『チャイコフスキーの妻』ではゲイとの破綻した結婚生活が暗い画面で重苦しく描かれていたが、こちらは繊細で格調高く、ラヴェル=ゲイの事実をオブラートに包み時々匂わせる程度に留めている。無論、ボレロ誕生の経緯にスポットを当てているのだから、ゲイ告白など対して意味がないと思われるだろう。、しかしラヴェルの出自は誰しもが知るところ。だから彼の立ち位置を明確にし社会不適応やゲイの苦悩を現代にも通底する普遍的なものとして表現することこそ価値ある映画……っていうかその観客をもやもやさせる気取ったフレンチスタイルが気に入らねえ。
ニーチェ、モーパッサン、シューマン彼等が梅毒患者だった事実はいずれの伝記にも見つけられないが、もういい加減、映画になるほどの人生を描く時は、はっきりくっきりと伝えるってのはどうでせう!

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オプンチア

4.0ラファエル・ペルソナが魅力的でうっとり

2024年9月15日
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鑑賞方法:映画館

ボレロが完成するまでを、映画らしく音と映像によって鮮やかに描きだしていると思う。特に音。工場の歯車、時計の秒針、靴音、拳、様々な音がボレロのあの印象的な旋律につながっていく展開が素晴らしかった。
ラヴェルの人がらが映画から匂い立つようで、音楽にこだわる彼独特の臆した愛、欲情は繊細でよかったと思う。
ラファエル・ペルソナの端正な容姿がとてもラヴェルにあっていて、ジョン・ローン×ジェレミー・アイアンズを思い出すような、個人的にすごく惹かれる容姿。これからますます活躍していくのでは。

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ターコイズ

4.5クラシックには疎いのですが

2024年9月12日
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鑑賞方法:映画館

幸せ

萌える

ボレロが生まれるまでの苦悩、プレッシャーのなか、リズムが決まり、主旋律がうまれ、
思わず右手が指揮をとるように動いてしまいました。

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みのまる

3.0ボレロとラヴェルを知る

2024年9月8日
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鑑賞方法:映画館

知的

1928年のフランス・パリで、作曲家モーリス・ラヴェルは、バレエダンサーのイダから新しいバレエ曲を依頼された。その頃のラヴェルは曲が書けずスランプだったが、試行錯誤の末、ついに、ボレロを完成させた。しかしすべてを注ぎ込んで作り上げたこの曲だが、彼の意図した情景と全く違い、イダが振り付けたのは娼婦のようなバレエであり、落ち込んだが、観客からは絶賛された。そんな話。

ボレロはもちろん聞いたことあるが、作曲家がラヴェルだという事も、フランス人だという事も知らずに鑑賞した。
ローマ賞に何度も挑戦し、落ち続けたことや、曲が書けないと悩んでる時期があったりで、天才肌では無かったのだろうと思った。
友人の姉のミシアを好きだったのだろうが、彼女は金持ちと結婚したため一生独身を貫いたようだ。
ボレロ発表の頃から記憶障害になり、寂しい晩年を過ごしたみたい。
そんはボレロとラヴェルを知ることのできる作品。

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りあの

2.5うーん

2024年9月1日
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鑑賞方法:映画館

ボレロが好きなので良い音響でと思って映画館へ。

うーん、ん?

タイトルは「ボレロ」より「ラヴェル」の方が良いかな…
もっとボレロを堪能したかった。個人的な希望。

伝記としても時系列や登場人物、関係性がよくわからないまま進むことだらけで入り込めなかった。

うーん。不完全燃焼。

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yopida

5.0音楽版コロンボ

2024年8月24日
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あの名曲が如何にして我々の耳に響いたのか、良かったです。
しかし、あれがバレー曲だとはビックリしました。

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ホモ・サピエンス

3.5少々盛りすぎ?

2024年8月24日
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当時の美術や衣装の再現と、カメラのフレームワークが美しすぎるくらい美しく、「光」を堪能できました。
そこがよかった。

NHKの大河ドラマや司馬遼太郎の「司馬史観」あたりに顕著だが、小説、TVドラマ、映画などで"「史実」「真実」をベース"などと謳われた作品の大半は、想像力で盛られることが多い。
特に、現代人に通じる「価値観」や、作者の「正義」「倫理観」などのフィルターを通し、かつ本やフィルムなどにする上での「【物語】としての緩急強調演出」を加えられ、作り事「創作」になるのが普通とはいえ。
『ボレロ』は名曲だし、たしかに世界中どこかで流れない日はないと思うくらい有名とはいえ……

ラヴェルは他の曲も素晴らしい。
若い頃から 『ソナチネ』『スペイン狂詩曲』『マ・メール・ロワ』『夜のガスパール』といった大ヒット曲を飛ばして世間から注目されたのに、『ボレロ』でしか評価されないという作中の扱いは少々寂しかった。
それに、たくさんの恋人たちの力で『ボレロ』ができたように描くのは、少々盛りすぎじゃないの?とは思った。

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コージィ日本犬

3.5TuかVousか、とにかく気になる〜ゎっ♪

2024年8月23日
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フランス語には2種類の二人称があり、親しい人にはTu、敬称ではVous(Tuの複数形を単数に使う)と習った人も多いのではないかと思います。

※ふたりの関係で、どちらからがTu、もう片方からがVousということはないらしい。

という切り口でフランス映画を見ると字幕のあちら側を知ることができてお得だと思います。

史実でどうだったかは存じませんが、この映画におけるモーリスの一面が表されてるとも言えるでしょう。

というわけで、ここの感想を読んでいてもいろいろ勘違いなさってる方々がいらっしゃるので、字幕では描ききれないエピソードがストーリーに存在しているのかもしれません。

米企業Netflixとしてはどうだったんでしょうね。

ちなみに当方にとってはパトリス・ルコントのボレロこそがボレロの真髄です。

また、以前とある管楽器の音大生がとても得意満面に現れたので「じゃあボレロ吹いてみて」と言ったら一瞬怯みながらも挑戦してくれたのがいい思い出です。

天才ラン・ランの左手をぶっ壊したのはラヴェルの「左手」と言われています。ヴァルスも難曲。それを作曲して弾いていた人の技術がもう少し描かれてると良かったのに、オケの奏者たちにとっても簡単なものではないと説明があってもよかったかも、と思いました。

全体的にサウンドが誠実です。雨音まで聴ける映画です。なんでも盛っちゃう米国企業がよく我慢したな、とも思います。

Netflixに欧州作品がじゃんじゃん増えるといいですね。

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たちつてとん

2.0亡き作曲家のためのパヴァーヌ

2024年8月22日
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この映画を見る限りラヴェルがあまりドラマチックな生涯を送った人とは思えず、そうなると当然のことながら映画もあまり感動的なドラマにはならない。ローマ大賞に落ちた話やアメリカ演奏旅行、バレエ音楽の作曲依頼などが断片的に配置されるので(しかもあまり説明がない)、物語や時間の流れがわかりづらい。
私にとって「ボレロ」と言えば、モーリス・ベジャールであり、シルヴィ・ギエムであり、上野水香なので、(フィギュアスケート番組のテーマでもある)、ニジンスカの振付による初演のステージは違和感があった。
主演のラファエル・ペルソナは時々マユリカの阪本みたいな表情を浮かべる。

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梨剥く侍

3.0冗長的、特に前半は要らない

2024年8月22日
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音楽家の生涯は音楽作品がメインで、プライベートな女性関係は参考程度で良いと思うが、登場人物は女性ばかりでダラダラ長々と描かれ、前半で席を立っていく人もいた。
フォーレやドビュッシーやサティやガーシュインや、作品に影響し合った音楽家は出てこない。
ボレロは傑作だが、ピアノ協奏曲第2楽章も聴きたかったので、最後のエンドロールで流れたので良かった。
精確さのボレロとは反対の、あの不思議な魅力の不協和音は彼が精神的に病んでいく(認知症?)影響なのか、2つの曲の対比で彼の頭の中を感じる事が出来たので、我慢して前半で席を立たなくて良かった。

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ゲド

3.0手袋フェチ

2024年8月20日
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イダの「肉体の音楽だ」という発言や不本意な褒められ方にラヴェルは反発するのだが、例えばベジャール振り付けによるドンやギエムの演技を知ってしまうとその通りだとしか言い様がない。いちばんの有名作が必ずしも本人のお気に入りとは限らないのはよくある話で(手塚治虫は「鉄腕アトム」があまり好きじゃなかったらしい)、それを乗り越えるようとする事が新たなモチベーションになるのもまた然り。
それにしても、それこそドンやギエムと比較しても仕方ないけど、バリバールの演技にケチつける気は無いが、踊りのキレの無さは…
レスター・ヤングとビリー・ホリデーは彼の同時代人だったんだなぁ。

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ひろちゃんのカレシ

3.5鑑賞後にボレロのリズムが頭の中でグルグル

2024年8月20日
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非常に繊細な神経を持ち「ボレロ」を作曲した作曲家ラヴェルの半生の運命を描く内容。
エンディングが格好いい!

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デコ山

4.0ラベルの「ボレロ」ではなく

2024年8月19日
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2024年。アンヌ・フォンテーヌ監督。音楽家ラベルが「ボレロ」作曲に至るまでを描いた映画。「ボレロ」作曲に至るまでの、また「ボレロ」作曲後のいくつかのエピソードが「ボレロ」を焦点にしてつなぎ合わされている。「ラベルの「ボレロ」」についての映画。
ラベル自身がそういう経験を苦々しく思っていたらしいこともセリフとして出てくるが、エピソードとして、ラベル=「ボレロ」に収まっていないのは、結婚しなかったラベルの終生のミューズだった女性との関係、靴探し、逆説的だが「ボレロ」初演時のダンスシーンといったところか。とくに、初演時のダンスはジャンヌ・バリバールの過剰な演技(わざとか?)もあいまって、ダンス自体の「ボレロ」との不協和音が強調されており、ラベルから「ボレロ」が奪われていくようにみえる。直後にラベル自身が「自分にはわかっていなかった「ボレロ」の性的な側面」として認めてしまうのだが。
そもあれ、映画自体が「ラベルの「ボレロ」」を表象しているのは間違いなく、工場や近代化の隠喩、時計の音の換喩などはこれまでの「ボレロ」解釈を多用にしたかもしれないが、ラベルといえば「ボレロ」という構図は不変であり、ラベル=「ボレロ」という等号の線をいくらか太くしたり複雑にしたりしたにすぎない。
いや、ラベルが精神を病んでいくことを思えば(ただの認知症にも見えるが)、むしろ、主役はラベルではなく「ボレロ」という近代的な音楽(厳格に均質的なリズム、テーマの繰り返しと微妙な差異、徐々にもりあがって最後に爆発)であり、ラベルという特定の人をある日突然襲ってきた近代社会の音の魔力、その犠牲となった音楽家の悲劇、の映画なのかもしれない。=は等号ではなく、「ボレロ」に飲み込まれたラベル(記号で言えば、ラベル<「ボレロ」)ということかも。

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文字読み

2.5ラヴェルの人生を知ってたらもう少し違ってたかな と思える内容でした...

2024年8月17日
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ラヴェルの人生を知ってたらもう少し違ってたかな
と思える内容でした

時間が行き来するのと、大きな盛り上がりや起承転結のような流れがなく、観終わったあと、久々に、フランス映画ってこうだよね、という思いに駆られる

ただ、ボレロは心地よく、音楽に癒される映画だった

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yukarin