「なめんなよ」十一人の賊軍 Masa_king01さんの映画レビュー(感想・評価)
なめんなよ
同僚の教員が、戊辰戦争でいかに自分たちのふるさとが難しい立ち回りを強いられたかを、小学生に分かりやすく、でも考えさせるように巧みに教材化して授業した。
知れば知るほど官軍の奸計と幕軍の盲信に腹立たしくなる。
小学生もそれは感じるらしく、夏休みの自由研究にして地域の研究発表会で発表したほどだった。
鑑賞中、どうしても我が郷里の立場が思い返されて、何度となく歯噛みした。
新発田藩のように寝返ったのではなく、最初から四面楚歌の官軍だった我らがご先祖様方だが、いったいどのような無理難題を強いられて、やむをえず官軍と成り果てたのだろう。
阿部サダヲが演じたような家臣が、劇中と同様にうまく立ち回り、無関心な住民たちの無責任な口コミで英雄視されたんだろうことは想像に難くない。
ここしばらくの国政の混乱ぶりとも重なるところが多々ある映画だ。
最近の首相の言葉をそのままそっくり昨今の為政者に返したい。
なめんなよ。
白石監督が荒井晴彦さんのインタビュー本のほんのわずかな記載から構想を知り、現代に通じるものを感じてシナリオ化したそうだ。
もっと早くに観ていたら、2月に荒井さんにお会いした時に感想聞けたのに。
もったいないことをした。
鞘師里保さんという女優さん、知らなかったがとてもよかった。
調べてみたら元AKB?
この後も女優としての活躍を期待したい。インタビュー記事も読んだがとてもしっかりした方だった。
久しぶりに感想を書きたくなったのだが、すっかり備忘録のような内容になっちまった。
とにかく必見の映画です。