「賊の意地」十一人の賊軍 MARさんの映画レビュー(感想・評価)
賊の意地
戊辰戦争の最中、勢いを強める新政府軍との闘いで劣勢に立たされた幕府軍。闘いの前線にされそうな新発田藩の溝口がある作戦を企て…。その駒として砦を死守することとなった罪人達の物語。
それぞれに重罪を犯した死刑囚達。しかし、ある作戦に身を投じれば無罪放免を言い渡され…といった所から本筋が始まっていく。
登場人物は多いものの、皆キャラが立っていてわかりやすく良い感じ。
何物でもない一般人(重罪人なのでそうは言えないか…)達が、官軍を相手に見事な作戦で闘う様は、唸らされると同時に大迫力。
ここでの敵は官軍でありながら、こちら側は罪人と藩という構図で、中々一枚岩とならない描写も見応えアリ。…そうそう、無罪放免といってもやっぱりね。。
そんなこんなありながら、アクションシーンは大迫力‼…の合間に見せられるドラマパートはちょっとテンポがよくなかったりしたり、やはり2時間半超えの尺はどうにも長く感じてしまったり。
あとは、賊の意地だなんだとカッコ良い言葉を並べても、アンタ何度も皆を…。
感情移入するにはちょっとアレな主人公だったのが少し残念。でもまぁ罪人なわけだし、キレイに描かれていてもそれはそれででしょうかね。また、最後の殺陣は流石にちょっとやり過ぎなような…。
と思う所はちょくちょくあれど、圧倒的に不利な状況を知恵と腕っぷしで戦い抜く決死隊の姿には熱くなったし、誰もが生き残って欲しいと思える程良キャラ揃いだったのはとても良かった。
総じて、とても面白い作品でした。