「斬り合い闘いに凄く迫力があって予想以上に良かった。前作イマイチも、白石監督凄いジャンと唸らされた」十一人の賊軍 Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
斬り合い闘いに凄く迫力があって予想以上に良かった。前作イマイチも、白石監督凄いジャンと唸らされた
白石和彌 監督による2024年製作(155分/PG12)の日本映画。
配給:東映、劇場公開日:2024年11月1日。
戊辰戦争で奥羽越列藩同盟の一員ながら新政府軍に寝返った新発田藩を舞台に、虫ケラの様にあつかわれる罪人等庶民たちによる権力者との死闘を描いていて、物語のつくりがお見事。流石、笠原和夫の原案、そして今の時代にしっかりとフィットしていると思わされた。
戦い・斬り合いの迫力もすごく感じられ、刀がぶつかりあう音響もバッチリ。貴重な兵器となった手作り爆弾も、随分と派手な爆発で、絵的にも効果抜群に思えた。ただ、真っ暗でとても見にくいシーンが存在することには、剣捌きの拙さのカバーの様にも思え、少し抵抗感を覚えた。
ダブル主演の罪人役山田孝之も、剣術道場主で藩士ながら共闘した仲野太賀も共にとても良かった。演出も含めてだが、二人の超絶的戦いのアクションそして壮絶な最後も素晴らしく、俳優として大きな魅力を感じた。
新発田藩の重臣溝口内匠(阿部サダヲ)の描かれ方も、とても気に入った。主人公たちを無罪にすると騙して新政府軍と戦わせた悪役なのだが、かたや相手の強大さを認識し家臣や領民たちの命を守った恩人でもあり、藩の政治を司った人間としては評価もできる両面を示した脚本(池上純哉)は、最愛の娘を無くしてしまう展開も含めて、とても秀逸に思えた。
また主人公以外の罪人たちも個性的で良かった。特に紅一点のなつ役鞘師里保は、お姐さん的存在感も有り、印象に残った。元モーニング娘(9期)とは知らなかったが、今後も映画女優として期待できそう。
監督白石和彌、原案笠原和夫、脚本池上純哉、企画紀伊宗之、プロデュース紀伊宗之、プロデューサー高橋大典、ラインプロデューサー鈴木嘉弘、キャスティングプロデューサー田端利江、音楽プロデューサー津島玄一、撮影池田直矢、照明舘野秀樹、録音浦田和治、音響効果柴崎憲治、美術沖原正純、装飾郷原慶太、小道具松永一太、衣装大塚満、メイク床山
山下みどり、特殊メイク中田彰輝、編集加藤ひとみ、音楽松隈ケンタ、アクションコーディネーター吉田浩之、操演宇田川幸夫、ガンエフェクト早川光、シニアVFXスーパーバイザー
尾上克郎、特撮VFXスーパーバイザー神谷誠、監督補松尾浩道、助監督藤江儀全、制作担当
松村隆司。
出演
政山田孝之、鷲尾兵士郎仲野太賀、赤丹尾上右近、なつ鞘師里保、ノロ佐久本宝、引導千原せいじ、おろしや岡山天音、三途松浦祐也、二枚目一ノ瀬颯、辻斬小柳亮太、爺っつぁん本山力、入江数馬野村周平、田中俊介、松尾諭、仙石善右エ門音尾琢真、柴崎楓雅、佐藤五郎
吉沢悠、駿河太郎、松角洋平、浅香航大、佐野和真、安藤ヒロキオ、佐野岳、ナダル、木竜麻生、長井恵里、西田尚美、山縣狂介玉木宏、溝口内匠阿部サダヲ、村娘ゆりやんレトリィバァ。