「何のために戦う?」十一人の賊軍 forkicksさんの映画レビュー(感想・評価)
何のために戦う?
賊軍の戦う理由づけが緩い。なぜみな逃げない? 逃げようとするのが山田孝之一人。さっぱりわからない。
しかもお目付け役の武士がたった三人。みなで寝込みを襲って逃げるとか官軍に投降するとかなぜしない。彼らがまっとうな人たちならそんなことはしないよ、だけど罪人たちだからね。
一応あった動機づけが中盤で崩れたあと、それでも戦おうとするのかさらによくわからん。あんな死にかけの武士の言葉、あてにならないのに。
こういう動機づけの甘い映画はダメ。見ててずっとイライラした。
アクションシーンのゴア描写はよかったけど、ちょっとくどい。ラストで似たような強度の描写が続くとさすがに飽きる。官軍とのバトルをあっさり終わらせてラストの戦いをたっぷりやるとか緩急がないと。
できればそれぞれの罪人の得意技をもっと出して工夫して戦うようにしてほしかった。爆弾の少年だけそういう使い方をしてた。
ただ、繰り返すが最大の問題点は戦う動機づけの弱さ。
「この外道ども!」とか言ったって相手は官軍だからね。奥さんに絡んでないし、相手が違う。
オリジナルの笠原和夫の脚本を読んでみたい。さすがにこういうところはしっかり詰めてくれてたはずだ。
コメントする