「迫力満点の時代劇!時代に弄ばれた賊軍!」十一人の賊軍 ratienさんの映画レビュー(感想・評価)
迫力満点の時代劇!時代に弄ばれた賊軍!
昔は、週に何本もテレビでお目にかかった時代劇。今じゃ、大河ドラマくらいしかないよね。
テレビが何台もある家じゃなかったから、チャンネル権を持っているオヤジの付き合いで、よく見てた気がする。勧善懲悪で、毎週、同じことの繰り返し。安心して見れるってやつかな。
歳を取って、城歩きが趣味に加わったもんだから、時代劇も結構真剣に見ちゃいます。
このロケ地、どこのお城だろうって感じで。
本作品は、新潟の新発田城がメインでしたよね。まだ、行ったことがないので、ワクワクしながら見ちゃいました。
賊軍が陣取る砦は、撮影用ですよね。見張り台とか砲撃受けて壊れてたし。実際にあるものだったら、見に行ってみたい。
さて、内容ですが、切ない話でしたね。
罪人が無罪放免を勝ち取るために、官軍から砦を守るってことだったんですが・・・
【ネタバレ】
実は、単なる時間稼ぎだった。
新発田藩が新政府軍に寝返るため、城内の旧幕府軍が出ていくまで足止めをしなければならなかった。
次々と仲間を失いながらも、官軍に一矢を報い、無事砦を守り切ることに成功する。しかし、味方になる官軍の兵士を殺めたこともあって、罪人達は、敵として抹殺されるしかなかった・・・
罪人達を利用したことを反省し、家老に訴えようとしていた役人は、官軍との戦闘で最期を迎えてしまう。夫である役人の意思を継いで、娘は父親(家老)に罪人達の解放を訴えた。しかし、官軍とのしがらみで罪人達は処刑されてしまう。自分の非力を嘆いた娘は自害してしまった。腹の子と共に・・・
「さらばヤマト」とか「ローグ・ワン」みたいな全滅モノが大好きな自分なんですが、この作品に関しては、なぜか素直に楽しめなかった。後味の悪さが残る一本でした。
最後にもう一言。
本作品では仲野太賀さんが、賊軍と共に砦を守る侍として出ています。どちらかと言えば、オチャラケのイメージが強い役者さんなんで、いつ笑わせてくれるのかと期待してたのですが、最期までメチャクチャカッコよかった。新たな一面を見たようで楽しませてもらいました。
なつとノロが生き延びて、手つかずのお金を政の妻に手渡して救うところで私も救われました。(なつとノロは、多分家老の娘のはからいで無罪になったんでしょう)弱い者たちが救われて、決死隊も無駄死にではなかったな、と思えました。