「脚本が破綻してると思うんだけど・・・。」十一人の賊軍 バビさんの映画レビュー(感想・評価)
脚本が破綻してると思うんだけど・・・。
犬吠埼の東映オープニングなんで5秒がアガったんだけど。
先週、「侍タイ」を見たせいで、新潟の城下町ってことなんだけど、「東映の京都撮影所じゃん」って思ってしまう。
文字で「新潟」って書いてるんだからそこは新潟と思ってくださいよ!ってことなんだろうけど、もう少し作りこめないのかなと。
城下町の人々、エキストラさんの演技が侍タイの「エキストラの人の演技の演技」とまったく同じなんだもの。
そもそも題名からして「十三人の刺客」を想起させるわけだから、どうしたって比べちゃうわけなんだけど、確かにアクション単体だったらさほどひけをとってない。
でもさ。
新潟の田舎につかまっていた罪人が10人集まって、薩長軍と戦えるってこと自体が荒唐無稽だし、それにリアリティを与えるロジックすらない。
「十三人・・・」のほうにあった、「初めて人を切ることへの不安や興奮」みたいなものがまったくなくて、おそらく一度も真剣で戦ったことのない下級武士が30人くらいの官軍を切り倒していくんで、桃太郎侍とか暴れん坊将軍的な画になってしまってるんだよねえ。
11人の紹介も下手なんで、いったい8人なんだか12人なんだかもよくわからないままラストを迎えるから、「オレは11人目の賊軍だ!」って叫んでくれることで、ああ11人だったのね、ってわかるという・・。
あと、髪も服装も身体もぼろぼろに汚れてる最下層の人なんだけど、虫歯のない真っ白なきれいな歯並びを見せて叫んでくれちゃうし・・・。
とにかく「十三人の刺客」みたいなものを期待していくとかなりヘコむんで、監督お得意のゴア描写が見られればいいやくらいの気持ちで行くといいと思います。