「罪人となった九人の男と一人の女の生き残りをかけた戦い。」十一人の賊軍 caduceusさんの映画レビュー(感想・評価)
罪人となった九人の男と一人の女の生き残りをかけた戦い。
全体をおおうストーリーとしては戊辰戦争下の新発田藩をめぐる新政府軍と奥羽越列藩同盟軍の権謀術数を描き、伏線としては罪人となった九人の男と一人の女の運命を描く。
それぞれの罪人は、それぞれの思いで生き残りをかけた戦いに挑み、権力に利用され、ある者は命を散らし、ある者は生き残っていく。
自らの身の安全のみを得ようとしているかに見える人間が、最後には人のために命を捧げ、鮮烈とも言える死をとげる。
そして、十一人の賊軍の謎解きはラストに訪れる。
時代劇が作られなくなるのではないかと言われる昨今ではあるが、生き生きとした人間の描写と、脈々とした人材に裏打ちされた情熱のほとばしりを感じる。
これからも、力強い作品を作り続けていってほしいと強く願う次第である。
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