「犯罪者たちのバックボーンがなかったことが残念。」十一人の賊軍 カツベン二郎さんの映画レビュー(感想・評価)
犯罪者たちのバックボーンがなかったことが残念。
十人の犯罪者と一人の剣術家で砦で足止めするのだが、犯罪者らしい?粗野で無頼な振る舞いがなどがあまりなく、とても無法者集団に見えなかったため迫力が今一つ感じられなかった。
それぞれの罪状をよく見ると強盗殺人と辻斬り以外は密航、姦通、賭博、一家心中、脱獄幇助などとても極悪人とは言えない連中が大半の集まりだったので、それぞれの得意技(ノロの花火など)をもっと活かしながら立ち向かうというストーリーにすれば、より個々が掘り下げられ感情移入でき、尺も長く感じることもなかったのに・・・。
ノロ役の佐久本宝くんは難しい役を上手に演じ達者さを感じたが、白く綺麗な歯並びを見るたびに残念さの方が上回った。
阿部サダヲさんの内に秘めた狂気の表現が怖く、途中から目がイっちゃっておりなかなかの見応えだった。
グロく暴力的な描写が得意な白石監督だが、本作も腕が切り落とされたり肉片が飛び散ったりと、救いようのない物語を言いようのない無情さと残酷さでエンタメ感を後押しした面白い映画でした。
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