「ホウセンカの花言葉」ホウセンカ SP_Hitoshiさんの映画レビュー(感想・評価)
ホウセンカの花言葉
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あまり興味のないジャンルだったけど、評判がよさそうなので観ることにした。
とても良くて、観て良かった。
内容は昭和世代に受けそう。不器用に生きてきた男が主人公の任侠もの。昔はこういう男が主人公の映画がたくさんあったなー。鉄道員(ぽっぽや)とか。
たくさん伏線がはってあって、だんだん回収されていく展開や、「種明かし」をちゃんとクライマックスにもっていく物語の構成が見事だと思った。
主人公が獄中からの手紙を出すとき、検閲で黒く塗られる個所がなぜ正確に分かったのか、だけちょっとひっかかった。
なぜ「ホウセンカ」なのか気になったので、花言葉を調べてみた。ホウセンカは熟した実に触れると種がはじけとぶことから、「私に触れないで」「短気」という意味をもつそうだ。また、この植物の特性をポジティブにとらえた花言葉として、「心を開く」という意味もあるという。
主人公がはじめてホウセンカを見つけたとき、実に触れようとしたとき、那奈が「触れないで。自然にまかせたほうがいい」といったのは、触ると種がはじけとんでしまうからだ、ということに気づいた。
最後のクライマックスで主人公がホウセンカに触れ、花火の映像と共に種がはじけとんだのは、この映画のテーマが凝縮されていて良いシーンだったと思う。
「触れない」ことにも愛があり、「触れる」ことにも愛があった。
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