劇場公開日 2025年10月10日

「うまくできた脚本」ホウセンカ kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 うまくできた脚本

2025年10月25日
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鑑賞方法:映画館

無期懲役で収監されている阿久津に、枕もとで咲いているホウセンカが話しかけてくる。ホウセンカに昔のことを語りながら、阿久津の家族、阿久津の人生をたどる流れ。
阿久津の不器用で言葉足らずな感じが昭和の男って印象で、あぁこのタイプの男ねとちょっとゲンナリしてしまう。もどかしいったらありゃしない。たしかに、那奈の連れ子は自分の実の父親ではない。でも、父親だろ!と思ってしまう。あの態度はないよな(今の感覚で観るなら)。
家族の幸せよりもヤクザの内部抗争と金儲けに明け暮れるのも時代とマッチしていないなと感じる。阿久津の言う大逆転が本当にそれでいいのか!?とも。でも彼の考える大逆転が何なのかが徐々に判明していく流れは嫌いじゃない。那奈が手紙を読んだのがなぜこの時期だったのかという理由も一応は辻褄があっている。
泣けるとまではいかないが、うまく練り上げられている脚本だと思う。ホウセンカの意識の共有とか、設定がうまいし、伏線もキレイに回収された。アニメならではの話に見えるが、実写にしても面白そうだ。韓国映画がいい感じでリメイクしないかな。

kenshuchu