「花からみた人間の不器用な、でも美しい愛」ホウセンカ HKさんの映画レビュー(感想・評価)
花からみた人間の不器用な、でも美しい愛
死に瀕した不器用で真っ直ぐな男の人生に対して
植物の立場からツッコミを入れ、バカにするホウセンカ。
一見ノイズのような存在だが、
それによって感傷に陥りそうな純愛物語に適度なスパイスを与えつつ、
人間の営みの可笑しみという別の視点も追加されて、
物語の奥行きが深くなっている。
ディテールを描きすぎないキャラクターや
俳優さんたちの抑制気味の台詞回しが、
何気ない会話からも余情を生み出していてすばらしい。
ceroさんの独特なサウンドの音楽も意外で面白い。
永く会えない遠くにいる人に生涯をかけて想いを届ける、
次世代に想いを繋いでいくことに対する、
花というモチーフを使ったほんとうに美しい表現に感嘆。
見終わった直後は意外とそうでもなかったが、
今、各シーンを思い出すと不思議と涙が出てくる。
折に触れて思い出す映画になるのだろうと思った。
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