「愛と所有権」ホウセンカ uzさんの映画レビュー(感想・評価)
愛と所有権
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『ODD TAXI』のコンビにCLAP制作ということで。
序盤の『Stand By Me』のシーンは、確かに幸せそうな雰囲気がした。
(赤ん坊いるのにチンチン鳴らすなとは思うけど)
しかしそれ以上の描写がなく、逆に家に寄りつかなくなる流れはどうなんだろう。
その後にすべてを投げうって健介を救おうとすることで多少巻き返しはするが…
阿久津の語る「幸せ」の手触りが薄かった。
3億円強奪の流れ自体は単純だが、阿久津のみが既にメディアで報道されていたのは謎。
堤はずっと一緒だったし、事前に手を回してたなら明確な裏切りなので阿久津の態度が温すぎる。
堤がアパートを捜索しに来るのが30年も経ってからというのもあまりに不自然。
“宝の地図”のネタばらしも、写し紙でもない限りあんなに何枚も透けないでしょ。
健介が助かった後もひたすら金の話に終始する。
いや、金自体じゃなくそれを遺す行動や意志が愛の証明ということは分かるんです。
しかし30年経ってるし、阿久津自身が言ってたように「汚い金」だし、まだ堤には狙われるだろうし…
子分2人はまったく活かされないし、だったら疑似家族の絆とか、阿久津の生い立ちとかが見たかった。
土地所有権の話は「阿久津も那奈と健介を20年以上占有して所有権を得ました、大逆転!」ってこと?
那奈が他の男にいかないと信じてたんですねぇ。
作画も声の演技も全体の雰囲気も決して悪くない。
それだけに、脚本に腑に落ちない点が多いのとキャラ描写が浅いのが非常に残念だった。
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