劇場公開日 2025年10月10日

「大逆転」ホウセンカ とぽとぽさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 大逆転

2025年10月10日
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人生は、最後の一手まで分からない。好きの証明でひっくり返せる。正直言ってクサい(=ハマらないと鼻につく)語り口・ストーリーテリングだけど、それも本作のテーマなどを考えた際には必要なのだろうと思った。裏目裏目に出たほうが、最後の最後まで勝負は分からない、一発大逆転の価値があるってもんだ。まだそんな夢みたいなこと言ってんのかよ、バーカ。ボイスキャストがいい。
不器用だけど、すべて引き受けて愛し抜く一途な愛。この"終わった"貧乏な衰退途上国で、日本らしいアニメによって、バブルが弾ける前から描く日本らしい題材と空気感。頭の中に方眼紙が浮かんでいる阿久津と、オセロが強いナナ。日常のささやかな幸せを噛み締めるような、花火とスタンド・バイ・ミーのシーンは必見!最後は、まぁそうなるよねと。けど、冷静に考えたら危なくない?愛してる。
ヤクザ者一世一代の花火を打ち上げる。熟した実を軽く触ると、パンと花火みたいに種をはじき飛ばすホウセンカ。そして、上から見るとただの草なのに、横から見るときれいな花を咲かせている。それってまるで主人公達の人生みたいじゃないか。タイトルに込められた意味を考えるとエモい。意識のチャンネルを合わせると見えてくる脈々と繋がる命の輪、記憶。

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とぽとぽ