ひゃくえむ。のレビュー・感想・評価
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世界観、演出は素晴らしいが、ドラマが無い
原作未読。
そのためなのか人間関係がわかりにくく、お前、誰?な記号的なものに感じた。
スポ根世界に哲学的な要素をからめた世界観は嫌味なく魅力的だ。
だからこそ人間関係や対立構造が曖昧なことがスポ根要素を弱くしていて気持ちが高揚しない。
そこじゃない、と言いたいのかも知れないが、そこがあって際立つ世界観なのではないかと思う。
雨中の決戦シーンがあまりにも素晴らしかったので何とももどかしい。
ダークヘビースポコン⁈
最後はスカッとしたなぁ
いじめってコンプライアンス的に駄目だったのかな
今年、「チ。地球の運動について」のアニメに心揺さぶられ、魚豊先生の大ファンになり、デビュー作の「ひゃくえむ。」を観に行きました。
原作は公式マガジンチャンネルで3話まで観たところで、アニメ映画化されると聞いたので、ずっと期待して待っていました。
あの原作(途中までだけしか知らないですが)から106分の長さに収めてしまうのはもったいない。
映画で入り込み要素が足りなかったのは、小学六年生時代の描写が薄かったからだと考えられます。小宮君は転校当初から「おばけ」と言われいじめられていた。小宮君にとっての「走る」は気が紛れるから。トガシの「走る」とは違っていたこと。
トガシは小宮君と学校では話をすることはなかった。クラスメイトには内緒で小宮君に走る事を教えていた。この二人は親友?なのか、、、?からこの物語は始まって行く気がするのですが、そこが薄いせいか、大人になってからの出来事が軽く見えてしまいました。
長回しワンカット映像は、作り手さんのこの作品への想いが伝わってきてとても良かったです。
髭男の主題歌「らしさ」、走っている時の風を感じる音楽。最初合わないかと思っていたけど、じわる。ひゃくえむのアニメ映像と合わせたら最高です!
2次元と3次元のいいとこどり
予備知識ないままに見に行って、出来の良さに感服させられた。
100メートル走に挑むトガシも小宮君もそれ以外の人々、勝つためなのか、ガチで走るためなのか、人のためなのか。人はいかに生きるかという深遠なテーマが彼らの姿を通してわかりやすく示される。
アニメによる誇張と実写の写実を組み合わせて結果的に伝えたいものを的確に見せてくれるいいとこ取りで、走りの迫力や心情がうまく描かれる。
「原作を見てない人にはわからない」ような映画は映画として欠陥があると言っているようなものだ。この映画は映画で完結するように作られている。原作とは別の要素も多く盛り込まれているらしいが、もしも原作に忠実であることが最重要だというなら劇場版の必要性が薄れるわけで、映画は映画として初めて見るものを十二分に満足させてくれるこの作品は映画として妥当である。
アニメによくあるキャラ設定ではなく、例えばトガシの走る目的は成長するに連れて様々に振れるが、それが走りをテーマに据えた人間の苦悩や生きがいである点で一貫している。だからこそ出てくる1人1人のキャラが、設定に支えられたアニキャラより遥かに魅力的である。
名作として残る映画だと思った。5にするとこの分野の成長がここまでになりそうなので4.5に抑えておく。
陸上競技大好きだからかなぁ
陸上競技は大好きで今回の世界陸上も一生懸命に見てました。エンドロールで朝原(言わずと知れたレジェンド)や江里口(オリンピックの400リレーでは補欠だったかな)、鵜澤(バリバリの現役)、金丸(400だよね。くねくねのウォーミングアップする選手)の名前を見つけて、この映画に協力したんだなと思うくらいに僕は短距離に興味ある人です。そして原作者の魚豊に関しては「チ。」全巻揃えてるくらいですから、この映画は評判を聞いて楽しみにしてましたが面白く感じなかった。特に富樫が社会人になってからのストーリーに違和感が。興味のあることだと妙にリアリティーを求めてしまうからかなあ。喋りすぎる人間(財津とか海堂とか)には胡散臭さを感じてしまうからかなあ(設定が僕の好きな陸上でなければファンタジーとして全然アリなんですが)。短距離走を題材にした魚豊ワールド全開って感じかな。陸上が好きな人だとこの魚豊ワールドには違和感(あり得ないって)感じるだろうな。特に僕の感じている(勝手に個人的に)陸上短距離走の美しさがこの物語には感じられなかった。
静かに燃える男たちの陸上映画
原作との違いもあったが、10秒間に込めた選手の緊張と爽快感があり、...
100Mに全てを賭けた
何度でもみたい。
原作未読です
原作を知ってる人だと感想が変わるかもしれませんが、あの短い時間に複数のキャラクターの人生が詰め込まれていています
シンプルな100m走るという行為で人生の強弱や思い入れや乗り越え方がわかりやすく詰め込まれていました
何かに懸命に取り組んでる人ほど自分の取り組み方や躓いた時を比べ刺さるかもしれません
特になにもしていない人でも、懸命に取り組むとはどういう事かをいろんなタイプのキャラの目線で見れて、ちょっと自分もなんか頑張ってみようかな?と思えるかもしれません
誰でも経験のある走るというシンプルな行動だからこそわかりやすく、つられてもう一歩ぐっと踏み込んで…!とか見てて力が入るのも躍動感あって楽しかったです
今年15本くらい映画観てますが、堂々3本の指に入る良さでした
天才像について考えさせられる
陸上にはあまり興味がない。世界陸上も結局観ないまま終わっていた。でも、100メートル走だけは観ていて面白いと思う。10秒で決着がつく世界。過酷な練習と鍛錬を積み重ねてきたのに、たった10秒で栄光と挫折が決まるってのはなかなかドラマティックだ。多くの人にとって、「速く走る」ことに対して強い憧れを持っていることもその魅力に影響しているかもしれない。私も足が速いわけではないので、かつて速く走れる友人への憧れを持っていた。
本作は、「速く走る」ことを追求する者たちの物語。100メートルを人よりも速く走るだけの競技が持つ高揚感と虚無感が描かれる。そこには自分よりも速く走ることのできる人間に対する嫉妬や羨望が入り混じる。なかなか濃くて熱い人間ドラマを楽しませてもらった。
天才と秀才の違いは何かと考えてしまう物語でもある。トガシは小中学時代はまぎれもない「天才」。それに比べ、小宮はあきらかに才能がないように見えた。そこがどう変わっていくのかが見もの。やはり「努力しつづけることができる」のも才能だということ。たとえそれが現実逃避だとしても。天才像について考えさせられる物語がまた一つ増えた。
ストーリーだけでなく、映像も結構楽しめた。スタート前の選手の動きは妙にリアルだし(人の動きをトレースして作成した?)、レース中の選手たちの走る姿はアニメ的で迫力があった。あのレース描写は、洗練されているわけではないが、無骨で躍動感があった。アニメってリアルなだけじゃダメなんだよな。アニメの表現の広がりを感じる映画だった。
素晴らしかった
自分が走りを教えた相手に負けるとはあまりにつらい。しかしよくあることだ。
日本のトップランナーを描いており、全員が哲学者のようだ。それぞれ独自の哲学を持っているが果たしてみんながみんなそれほど理知的だろうか。何も考えていない人もいそうなものだ。
そんな彼らが海外勢と対戦してボルトに真横で欽ちゃん走りで負かされたらどんな哲学を述べるのか気になったが、海外勢とは対戦しない。
ベタなセンスで描くと意地悪な人や親切な人が配置されそうなものだが、どっちもいない。主人公のエージェント的な人もちょっと嫌味っぽいところはあるもののリアルな存在感で、常識的だ。
楽しいのは学生時代までであることがなかなか切ない。僕自身も漫画家としてどんどん先細っていて業界に居場所を失いつつあり、非常に身につまされる。
生きるってこういう事だなぁって思った。
・100M走にだけ人生を捧げている人達が大人になって走ることが虚しくなって迷路に迷い込んで苦しむ姿が印象深かった。記録を出すために頑張って生きてきた末が走るだけの繰り返しの日々の虚しさに到達している姿がとてもリアルだった。日本選手権まで至らなくても、比較にならないけど、クリアしたゲームの世界から抜け出せないままただ日々を生きていくような感じなのかなぁと思った。
・現実で頂きに到達した人にしかわからない感覚なのでピンと来ていないけど、何かに向かっている最中の方が生きる意味を感じられたりするよなぁと思った。
・財津などが講演会で語った内容が難しくてよくわからなかった。
・一つだけを追求する人生って言うのは、とても恐ろしいなぁって思った。
・ラストで小学生の時にかけっこした記憶と重ねた演出で泣けた。喜びの種というか根っこはあの頃にしかないのかもしれないなぁと思ったら、自分にとってのそれって何だろうと思った。
人生の岐路に立つ時にまた観たくなりそうな作品
ストーリーの主人公は小学校の頃から走るセンスのあったトガシという青年です。
作中は100メートル走選手として走り続けるトガシの選手人生と、その道筋で関わる仲間の苦悩と自身の苦悩をこれでもかとぶつけられます。
これまでアスリートの「ア」の字もかすってこなった自分としては、アスリートの生きる世界はこんなに過酷なのかとちょっとおののきました。
印象に残ったシーンは、雨の大会のスタートのシーンです。どしゃ降りの雨の中、スタート直前にひとりずつ選手が呼ばれスタート準備をする時の選手の動きに個性がアニメーションから見てとれてまじまじと見てしまいました。
どのキャラクターも十人十色個性的ですが、特に万年二位のカイドウが好きで終盤の展開は特に熱くなりました。
100メートル走と、何年にもわたる2人の青年だけに絞ったストイックな作りが素晴らしい!
原作を見てみたいなと思わされました
100m走って映画化できるんだ
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