ひゃくえむ。のレビュー・感想・評価
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子供の頃を思い出させてくれる良作
予告動画や作画力の高さ、主題歌から劇場で見ることを楽しみにしていた作品です。陸上に限らず運動部やその他勝負事の経験がある人なら誰しも悔しさや挫折は経験したことがあると思うのでトガシには感情移入しやすいんじゃないでしょうか。
男性キャラがメインではありますが女性キャラも悩んで楽しんで走っていたので自分の学生時代を思い出しました。
劇場版で時間が限られていたと思うので原作でも端折られているところはあるかと思いますが概ね満足です。強いて言うならBGMのラッパ音が劇場では大き過ぎだと感じたことと、もう少しコミヤの掘り下げが欲しかったかな。
クスリと笑えるシーンもあるので悩んでいる方には見て欲しいです。
笑えない百六分
映画館では、いつも前の方に座るのですが、サイドスピーカが比較的後ろの方にある映画館であることがわかってから、音を重視したくて真ん中あたりに座りました。音が臨場感を楽しむ助けになっているとは思いましたが、それよりも今作は顔のドアップが多いアニメで、目の疲れが軽減されたことが前に座らなくて良かったと思うポイントでした。
時々、特に引きの映像の時に、実写のような斬新なアニメーションになり、その場面は見応えがありました。
水彩画のようなボンヤリした背景の時と、葉っぱ一枚一枚リアルな背景の時があり、特別な意味があるのか考えましたが、単純に実験的に取り入れたのでしょう。
3部構成で、洗練されていない手作り感を楽しむことができるとも言えますが、眠くなるような単調な絵と競走した時の激しい絵のギャップで疲れて、主人公が公園で泣くシーンは松坂桃李さんの演技の見せ所なのでしょうけれど感情移入できず、競争と人生を掛け合わせての知的な会話が説教くさく感じ、ラストは勝っても負けてもハッピーエンドという意味なのでしょうけれどブツ切りに感じました。
足が速いだけで人氣者というのは低学年までですよね。高校時代の陸上部は硬派な人が多いイメージです。そういうところはリアルですが、笑いの要素がなく、良くも悪くも生真面目なアニメでした。
いや、すごいわ
「いまからでもやれるかな」
「それは君が決めることだ」
でズキューンとくるよね。そしてタイトルコール。すごい。
台詞が凄いよね。癖のある登場人物が哲学的っぽい台詞を吐くけど、全部いい。
原作者の力量すごいよ。
中学校のラストが「トガシ怪我したのかな?」ってシーンなんだよね。
それで高校に入って、浅草さんがイイ。すごくイイ。
浅草さんは残念だけど短距離の神には愛されなかった人なんだよね。でも陸上を愛してる。それがトガシを動かしたね。
それで仁神も巻き込んで男女混合リレー。
スタート前に浅草さんがヘアピン付けたところで「がんばれ鰯弐!」と劇場で叫びたくなった。リアリティが高い。
ライバル高校の顧問が二神の復活に配慮して陸上部継続もいいね。
小宮を描くターンになって、財津の言葉もいいね。
小宮がイップスを克服して、置いていかれる経田はツライ。「お前は陸上をやめろ」という経田の台詞は良かった。狂わなければトップに立てないけど、全てを失うことも意味する。経田はそちら側には行けなかったんだね。
インタハイ決勝のロトスコープは良かった。
「ロトスコープだな」っていうアングルなんだよね。あれを頭の中で描いてアニメ化してたらすごすぎる。
社会人編も良かったけど、ここはね。ちょっとご都合主義的展開を感じたな。
気持ちの持ち方でタイムが変わる競技ではないでしょう。100m走。
でも仁神さんがライバル校の顧問に就任してるみたいで良かった。
自分は何度生まれ変わっても、競技として100m走だけは選択しないだろうと思ってるの。
ほぼ、持って生まれたもので決まるよね。速筋の割合がどれだけかっていう。
トレーニングは意味あるだろうけど、結局みんな考えられるトレーニングはやってくる。持ちタイムで結果も見えちゃう気がするの。
それで勝負は一瞬だから、少し何かを間違えたら、それで終わり。インタハイ決勝みたいな舞台で、いつも通り走れ、そうでなければ終わりなんて、恐いよ。
その上、極限までトレーニングで高めるわけだから、故障と背中合わせ。どんなに気をつけても、筋肉なんて簡単に傷んじゃうしね。
そういう競技だけど、飛び込んでいった人たちが描かれていて、そりゃ、その人たちぶっ飛んだこと言うよね、とは思ったな。
トガシの声優いいなと思ったら松坂桃李だね。染谷将太を向こうに回して引けを取らない。
戸田恵梨香は付き合った男の運気を上げると言われてたけど、ホントにそうかもなと思ったよ。
魚豊の作品おもしろそうだから、読んでみよ。
主人公の成長描写不足
ロトスコープを用いた競技シーンは良いにしてもストーリーはだいぶ残念、そして作者らしさではあるけど作品中での精神論の話が多過ぎて鬱陶しい
高校生の頃に精神的なものでもなく純粋にライバルに実力差をつけられていて、その後主人公は惰性で陸上続けているような状態なのに先輩の助言でメンタルコントロールできるようになっただけで怪我持ちの状態にも関わらずライバルに追いつくラスト展開に持っていくのはいくらなんでも無理がありすぎるし他の鑑賞者はこのラストに納得できたのでしょうか?
そもそも高校で元日本一の人が2人も揃う展開もやり過ぎ、漫画とはいえこういうとこもリアリティ性が削がれる。
なんかこの作品持ち上げてる人って話題作に埋もれてる作品を持ち上げることで映画通気取りたいだけでは
内容よりも作画演出が印象的だった
ストーリーやセリフ以上に、作画そのものが強く印象に残りました。技術的なことは素人ですし、普段あまりアニメーションを観るわけではないので、あくまで印象の話になりますが、本作には二つの演出が対照的に存在していたと感じます。
一方は「現実の写真に近いリアルな絵」「シームレスな動き」「空間的な奥行きや視点の移動」。もう一方は「漫画的な平面の絵」「コマ送りのような動き」「二次元的な移動」。この両者をあえて極端に混ぜ合わせることで、緩急に富み、私にとっては新鮮な感覚を生み出していました。絵画に例えるなら、西洋的な印象派の作風と日本的な歌舞伎絵風の作風を融合させた藤田嗣治の作品のような印象です。
たとえば学生時代のトラックでの決勝シーンでは、会場内を本物のカメラが選手たちの周囲を回り込むように動く、臨場感あふれる演出がありました。その一方で、観客は棒人間のように簡略化され、雨は定規で引いたかのような太い線で表され、さらに動きがコマ送りのようにカクカクと描かれる場面もある。こうした「現代的なリアルさ」と「昔の漫画的な平面性」との組み合わせが、非常に印象的で面白いと感じました。
原作読む前に映画見てください
pvで見た通りアニメーションの個性はとても好きです。松坂桃李のトガシくんの演技も本業声優か疑うくらい上手かった。
でも原作の大事な部分を所々端折っていたのはかなり残念…やっぱりチ。もそうですが魚豊作品の良いところは哲学的なセリフ回しだと思っているので、小学生編がかなりカット入っていたように見えたのは残念でした。
尺の問題もあるでしょうし2人の高校生編でのエピソードが短縮されていたり人物ドラマが端折られていたのはまだ理解できます。ですがせめて小学生の頃のエピソード、特に小宮くんが仁神選手に質問するシーンやその後仁神選手にボロクソ言われる辺りを端折ってしまったのは勿体ない…🥲あれから大きくなって仁神と小宮が並んで走るシーンの重みが全然変わってしまう……YouTubeのボイスドラマから興味を持って単行本買った身としては辛い。あと走っている時の心理描写全カットもないよー
映像の間も悪くないのですが、そういう大事な所をカットしてしまったのは個人的に残念。原作見てない人なら十分楽しめるんじゃないでしょうか。
もはや『哲学に触れる』という新しい体験かも知れない
こちらにレビューを書いておられる方の中にも、少なからずいらっしゃるだろうと思いますが、私も『チ。』に感銘を受けた1人です。『ひゃくえむ』は原作未読で映画を鑑賞。他の方も書いておられますが、原作未読でも、あるいはだからこそ?十分楽しめました。
魚豊さんの作品の魅力はストーリーの展開やテーマの設定など、色々とあるとは思いますが、なんと言っても随所に散りばめられた哲学的な言葉の数々でしょう。魚豊さんの作品が好きかどうかは、この哲学的な言葉に対して『普通こんな台詞言わんな』と思っても(それは一種のファンタジーだと思う)、それを越えて好きかどうか、それらの言葉に違和感よりも、ハッとさせられたり、じわっと沁みたりする方が強くて、その感覚が好きかどうか、というのが大きい気がします。もちろん、良さはそれだけではなく、それらの言葉が活きてくるだけの物語やキャラクター作りがあってこそとは思います。
個人的にはこれはもう新しいジャンルじゃないかと思うところです。今後、哲学的な台詞を多用する作品を作れば『魚豊的』『魚豊っぽい』なんて言われるのではないでしょうか?ある意味それは魚豊さんの課題になるような気もしますが。私は漫画というものに詳しいわけではないので、詳しい方で、魚豊さんに多大な影響を与えた○○がわかるといった方もあるかも知れませんが、これほどまでに『哲学的な漫画作品』として広く知られた方はないぐらいではないかと思います。
私からすれば、魚豊さん、すごいなぁ。その若さで1つのジャンルを作っちゃうなんて!という感嘆に尽きます。魚豊さんの作品は、普段私たちが心の中にモヤッと持っているかも知れない『哲学』に触れる体験のようなものと思います。そして、『哲学』が心に響く方は結構多いのですね。
ここは、映画のレビューですので、映画はというと、その立ち上げの根幹に魚豊さんの作品への感動が感じられる、その世界観をどう伝えるか、映像化するかということへの情熱を感じる。だから大変キラキラと心に届きました。
原作これから読もうと思います。原作の入口になるという意味でも、よいのではないでしょうか?
映像は雨のレースシーンは圧巻です。
イヤに圧力のあるリアリティ
鬼滅に続き今週もナントカ本作を観覧出来たので、この調子で趣味を復活させたいと思います。そんな訳で鑑賞しましたが、思っていたものと内容が若干異なりました、でもソレは評価には全く影響はなく。
鑑賞していてビジュアルが『ルックバック』的な雰囲気でしたが、当然その感覚はすぐに消えました。その代わりイヤにリアルに動くアニメーションと、その細かい動きは実写のソレをトレースしたもの?と言う疑問につながりました。CGアニメのスラダン的でもないですし、アレはCGではない?まさか手作業なのでしょうか?
表現に関しては特に、ランナーの走る様子が地面に垂直で、こう言っちゃ難ですがスピード感があまり伝わらず。その代わり絵面の勢いと顔芸さながらのキャラ描写、加えてリアルな呼吸や会話劇、現場の雰囲気、カット割りやアングルなどの部分でソレが補われている様な?
これは100m走と言う短距離競技のスピード感よりも、その人間描写というか世界観(場面)をリアルに見せたい意図があったとかでしょうか。ソレであれば、本作はアニメより実写の方が向いていたかも?(どーせ実写作品は殆ど見ないクセにw)と思ったものです。
だからと言って本作が駄目な事はなく、劇場版としての解像度が足りない以外は良く仕上がった作品だと思います。短距離競走競技を実際にやっている人からすれば、なおさら楽しめたのでは?と。
それに実写であの緊迫感・迫力が創り出せたかは疑問ですし。或いはもし普通のアニメキャラを用いたとしても(このビジュアルは原作通りなのでしょうが)、コレ程の圧力のあるリアリティは魅せられなかったかも?知れません。
マイナスポイントは、上記の通り解像度不足、それと各パート(幼少〜中高〜社会人)の掘り下げが、もう一断層深まればと思ったところ、そして競技者本人以外の周辺環境の人物が描かれていない事くらい(学生時分の教師や社会人の場合は監督など)。尺は2時間あってもいい程のボリュームであったかと思います。とは言え★3.5は厳しめの評価ではありますが。
そして苦手な芸能人の中の人も、本作においては然程気になりませんでしたし。総じてまずまずの出来だったという結論です。
求道としての100メートル
100メートルに人生の大部分を費やしているがゆえに、その10秒そこらの時間に自信、迷い、劣等感、依存、逃避、充足、覚悟などのすべてがある人達の話。最後はそのすべてを楽しめ!だったと思う。
見ていて大変そうである反面、そういったことに対して覚悟も情熱も執着もないので羨ましくもあった。
100メートル走の出走シーンは実際その場にいるんじゃないかと思うほど、静かで息を飲むような緊張感があった。
世界観、演出は素晴らしいが、ドラマが無い
ダークヘビースポコン⁈
最後はスカッとしたなぁ
いじめってコンプライアンス的に駄目だったのかな
今年、「チ。地球の運動について」のアニメに心揺さぶられ、魚豊先生の大ファンになり、デビュー作の「ひゃくえむ。」を観に行きました。
原作は公式マガジンチャンネルで3話まで観たところで、アニメ映画化されると聞いたので、ずっと期待して待っていました。
あの原作(途中までだけしか知らないですが)から106分の長さに収めてしまうのはもったいない。
映画で入り込み要素が足りなかったのは、小学六年生時代の描写が薄かったからだと考えられます。小宮君は転校当初から「おばけ」と言われいじめられていた。小宮君にとっての「走る」は気が紛れるから。トガシの「走る」とは違っていたこと。
トガシは小宮君と学校では話をすることはなかった。クラスメイトには内緒で小宮君に走る事を教えていた。この二人は親友?なのか、、、?からこの物語は始まって行く気がするのですが、そこが薄いせいか、大人になってからの出来事が軽く見えてしまいました。
長回しワンカット映像は、作り手さんのこの作品への想いが伝わってきてとても良かったです。
髭男の主題歌「らしさ」、走っている時の風を感じる音楽。最初合わないかと思っていたけど、じわる。ひゃくえむのアニメ映像と合わせたら最高です!
2次元と3次元のいいとこどり
予備知識ないままに見に行って、出来の良さに感服させられた。
100メートル走に挑むトガシも小宮君もそれ以外の人々、勝つためなのか、ガチで走るためなのか、人のためなのか。人はいかに生きるかという深遠なテーマが彼らの姿を通してわかりやすく示される。
アニメによる誇張と実写の写実を組み合わせて結果的に伝えたいものを的確に見せてくれるいいとこ取りで、走りの迫力や心情がうまく描かれる。
「原作を見てない人にはわからない」ような映画は映画として欠陥があると言っているようなものだ。この映画は映画で完結するように作られている。原作とは別の要素も多く盛り込まれているらしいが、もしも原作に忠実であることが最重要だというなら劇場版の必要性が薄れるわけで、映画は映画として初めて見るものを十二分に満足させてくれるこの作品は映画として妥当である。
アニメによくあるキャラ設定ではなく、例えばトガシの走る目的は成長するに連れて様々に振れるが、それが走りをテーマに据えた人間の苦悩や生きがいである点で一貫している。だからこそ出てくる1人1人のキャラが、設定に支えられたアニキャラより遥かに魅力的である。
名作として残る映画だと思った。5にするとこの分野の成長がここまでになりそうなので4.5に抑えておく。
陸上競技大好きだからかなぁ
陸上競技は大好きで今回の世界陸上も一生懸命に見てました。エンドロールで朝原(言わずと知れたレジェンド)や江里口(オリンピックの400リレーでは補欠だったかな)、鵜澤(バリバリの現役)、金丸(400だよね。くねくねのウォーミングアップする選手)の名前を見つけて、この映画に協力したんだなと思うくらいに僕は短距離に興味ある人です。そして原作者の魚豊に関しては「チ。」全巻揃えてるくらいですから、この映画は評判を聞いて楽しみにしてましたが面白く感じなかった。特に富樫が社会人になってからのストーリーに違和感が。興味のあることだと妙にリアリティーを求めてしまうからかなあ。喋りすぎる人間(財津とか海堂とか)には胡散臭さを感じてしまうからかなあ(設定が僕の好きな陸上でなければファンタジーとして全然アリなんですが)。短距離走を題材にした魚豊ワールド全開って感じかな。陸上が好きな人だとこの魚豊ワールドには違和感(あり得ないって)感じるだろうな。特に僕の感じている(勝手に個人的に)陸上短距離走の美しさがこの物語には感じられなかった。
静かに燃える男たちの陸上映画
原作との違いもあったが、10秒間に込めた選手の緊張と爽快感があり、...
100Mに全てを賭けた
何度でもみたい。
全372件中、141~160件目を表示
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