「打算するな今を生きろ」ひゃくえむ。 たあちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
打算するな今を生きろ
9/19の公開から2ケ月経た今でも大ヒット上映中でその面白さを証明しているのだが私は翌週に公開された阿部寛のくだらない映画と天秤にかけてそちらを選択してしまって後悔しきり、遅ればせながらなんとか観ることができて本当に良かった。「チ。地球の運動について」でブレイクした魚豊の連載デビュー作がこれで、講談社も連載は無理と言ったそうだから凡人が考えるヒット作はせいぜい「鬼滅」や「チェンソー」。10秒で片が付く戦いを劇場アニメの題材に選び岩井澤健治監督を指名したポニーキャニオンの寺田悠輔プロデューサーもただものでは無い。ライバルのトガシと小宮に松坂桃李と染谷将太を起用したのもハマり興行的にも奏功した。原作から映画106分への取捨が見事で、イジメ等の既存のドラマに起伏をもたらしていたであろう外部雑音枝葉を排し、ひたすら陸上に打ち込むポジティブな懸命さと挫折だけで構成していて天晴。誰もが指摘するロトスコープ手法が素晴らしくインターハイで選手入場トガシのドアップからスタートまでの3分40秒ワンカット長回しは映画史に残る名シーンとなった。
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