劇場公開日 2025年9月19日

「内容よりも作画演出が印象的だった」ひゃくえむ。 にちさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 内容よりも作画演出が印象的だった

2025年10月1日
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鑑賞方法:映画館

ストーリーやセリフ以上に、作画そのものが強く印象に残りました。技術的なことは素人ですし、普段あまりアニメーションを観るわけではないので、あくまで印象の話になりますが、本作には二つの演出が対照的に存在していたと感じます。
一方は「現実の写真に近いリアルな絵」「シームレスな動き」「空間的な奥行きや視点の移動」。もう一方は「漫画的な平面の絵」「コマ送りのような動き」「二次元的な移動」。この両者をあえて極端に混ぜ合わせることで、緩急に富み、私にとっては新鮮な感覚を生み出していました。絵画に例えるなら、西洋的な印象派の作風と日本的な歌舞伎絵風の作風を融合させた藤田嗣治の作品のような印象です。

たとえば学生時代のトラックでの決勝シーンでは、会場内を本物のカメラが選手たちの周囲を回り込むように動く、臨場感あふれる演出がありました。その一方で、観客は棒人間のように簡略化され、雨は定規で引いたかのような太い線で表され、さらに動きがコマ送りのようにカクカクと描かれる場面もある。こうした「現代的なリアルさ」と「昔の漫画的な平面性」との組み合わせが、非常に印象的で面白いと感じました。

にち
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