劇場公開日 2024年9月6日

「この映画は検閲ミス?」映画検閲 サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0この映画は検閲ミス?

2024年9月20日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

怖い

単純

過激な映像を検閲する主人公が、徐々に現実と妄想の境目を失ってしまう様子を描いた、サスペンスホラー。斬新ですごく面白そうな設定に結構楽しみにしていたんだけど、勿体ない!と思っちゃう、少し残念な映画だった。
レビューも全体的に低評価だったから覚悟はしてたけど、映画検閲官というこんないいテーマ、上手く生かしきれなかったのは正直ガッカリ。もっとこの映画にしかできない展開や終着点はあっただろうに。結局、この映画もよくあるB級映画の枠を超えることは出来てないんだよねぇ。

普通のホラー映画はというと、現実とはかなりかけ離れた、スクリーンの向こう側の存在だと認識することが多く、登場人物に共感を得たり、親近感を感じることは限りなく少ない。ただ、本作はそんな非現実的なホラー映画を検閲する女性が主人公のホラーであるため、こっち側の人間というか、他のホラー映画のキャラよりも自分たちと近しい存在として、従来とは違う目線で映画に入り込むことが出来る。これはまさに、アイデアの勝利。フィクションなのにノンフィクション、ドキュメンタリー感が強い。ここはすごく良かった。

前半パートに関しても、残虐な映画を冷静な判断で検閲する主人公・イーニッドに惹かれていき、彼女の過去背景もわりと丁寧に描いていることからかなり楽しめていたんだけど、プロデューサーの家に来訪する辺りから様子がおかしくなり、描写も脚本も全てが雑で良くない方向に走ってしまった。映画と現実の狭間が曖昧になってしまった、ってのは面白いけど、にしては演出や情景描写不足過ぎるし、急に暴走する主人公に着いていけなかった。これまでの丁寧さはどこに?

しかもR15+にしてはあまりグロくないし、グロイシーンも検閲する映画の中だけであって、かなり物足りない。もしかして、検閲ミスしてる?映倫もよく何でこの映画規制入ってんの?と思うことよくあるからな〜。せっかくのいいテーマだから、もう一度予算を増やして新たに作って欲しい。でも、イーニッドを演じた女優さんはすごく良かったよ!

サプライズ