「自己満映画にすぎない」宝島 Erinaさんの映画レビュー(感想・評価)
自己満映画にすぎない
るろ剣、ミュージアムで信用度の高い大友監督が歴史的大作を作ったと言うことで鑑賞しに行ってきた。
戦後直近の実際にあった沖縄の話を小説で三部作のうちの一つが今回宝島として上映。
「戦果アギヤー」という窃盗行為を行っていた仲間の話。
戦後ということもありセンシティブな内容なので、あまり適切な言葉を使えないかもしれないので、以下読むのは自己判断でお願いします。
まず、時代物が好きであり、大友監督が手掛けた「るろうに剣心」シリーズは文句なしの出来で、何度も観たしBlu-rayも集めたほど好きな作品。
カメラワーク、音楽のタイミング、人間描写を上手く描いてくれていると言うところが好きで、監督の作品は何点か観ている。
実際にあった話、戦後ということで新しい学びができると言う期待も込めて鑑賞。
ただ、今回、激的につまらん。
いや、今回に限らず前作バタフライレジェンドも思い出したがつまらなかった。
監督が上手く描けるのはアクションなのかもしれないという気付きにもなった。
取り残された沖縄の住民たち、まだアメリカの支配下だった当時。同じ日本なのに本土に見捨てられ、多くの人が苦しんだ、戦ったと言うのは知らなかったし、映画を通して学んだ。そんなたくさん関わった人たちがいる中で「つまらない」というのは自分でもどうかと思う。最低だとも言える。
自分が戦争を経験していなくて教科書だけの浅い学びなのも十分理解している。
ただ私が言いたいのは映画としてつまらないということ。
今年上映で同じ3時間映画の「国宝」は製作費12億に対し、本作は25億。
いや、、、どこに金かけたん…って思えるほど。
やりたいことを詰め込みすぎて、まとめられず「え、結局なにがやりたかったの」と何度かツッコミするシーン多々。CGも雑で醒める。
事実という題材があるのに中途半端すぎて、一番伝えたいことが何なのかわからない。
むしろ、必要で掘ってほしいパートが少なく、不要なパートが長すぎて眠気との戦いにもなる。
各キャラの心情も掘らず察してねというところが多すぎて、何にも浸れなかったのが、つまらなくさせた原因だと思う。
そして、回想シーン。どう頑張ってもネタバレになるので伏せておくが、最悪すぎる。
あとは、どうしても方言が伝わらなさすぎて、声を張らないセリフでは何を言ってるのかわからず。結局何だったのというシーンや、暗闇から明るい場面に出てきた主役以外のキャラクターに「誰」となってしまった。
そのため大まかに、こんなことが起きていたんだという事実を知り、観終わってから気になってる場所を自分で調べて深追いするという状況になってしまった。興味を持って調べるというより、理解するために調べるという感じ。
良かった点は、時代の変化で身だしなみが変わっていくところや、キャストの表情。方言に関しては分からないので評価はできず。
あとは、心情を魅せるカット割と絶妙なタイミングで流れる楽曲がよかった。
何となく、るろ剣ぽいなと思って調べてみたらビンゴ。結構、大友啓史×佐藤直紀でタッグを組んでるみたい。
また、窪田正孝の演技が狂気滲み出ていて、とても良かった。
今回は歴史の話であるが、現代社会にも言えることであり、私たちが日本で生きていくためには声上げる、立ち上がるというのは大切だという気付きにもなった。
総じて沖縄の歴史を描き、世に知らせるということは、とてもよかったが、映画としてはワーストすぎる作品であり、製作者サイドの自己満映画とも言える作品であった。
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