劇場公開日 2025年9月19日

「雰囲気はいいんだけど…」男神 おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5 雰囲気はいいんだけど…

2025年9月20日
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鑑賞方法:映画館

怖い

■ 作品情報
監督・脚本は井上雅貴、原案は八木商店。主要キャストは遠藤雄弥、彩凪翔、岩橋玄樹、須田亜香里、カトウシンスケ、沢田亜矢子、加藤雅也など。

■ ストーリー
全国で母と子の失踪事件が相次ぐ中、新興住宅地の建設現場に謎の深い穴が出現する。時を同じくして、そこで働く建設会社社員・和田勇輝の息子が姿を消してしまう。その穴の先は不思議な森へと繋がり、そこでは巫女たちが古の存在「男神」を鎮めるため、無垢な子どもを生贄として捧げる異様な儀式を行っていた。息子がその穴に迷い込んだことを知った和田は、禁忌を破り、我が子を助けるため禁断の地へと足を踏み入れる。

■ 感想
公開初日のレビュー高評価につられ、B級ホラー臭を内心感じつつも、思い切って鑑賞してきました。多少は期待してたのですが、なんだかちょっと物足りない印象の作品でした。

古代から続く生贄の儀式という、神話に根差した設定は非常に魅力的で、物語への導入としては申し分ありません。ホラーというよりは、オカルティックなムードが全編を覆い、おどろおどろしい雰囲気を醸し出している点は、確かに心惹かれるものがあります。彩度を落とした暗い画面と、常に不穏に響く効果音が、その世界観をいっそう際立たせ、視覚的・聴覚的に独特の世界観を提示しているようにも感じられます。

しかし、全体的な雰囲気づくりは素晴らしいのですが、その一本調子な演出はだんだん退屈に感じてきます。また、時系列が入り乱れる回想シーンが少々混乱を招き、主人公の背景がちょっと捉えにくく感じます。生贄の儀式に関する説明も不十分なため、巫女やオババたちの立ち位置や心情も理解しにくかったです。息子を差し出す巫女たちの苦悩は共感できますが、現代においてなぜ彼女らがその運命を受け入れているのか、その背景にある深い理由が見えてこないため、感情移入が難しいのが正直なところです。

他にも、なんだか唐突に絡み始めたように見えた外国人研究者やイタコ、秘密を知っていながら無愛想に振る舞う牧場主、これ見よがしにわざとらしく汚れた重機の女性など、どうにも不自然さや違和感を覚えてしまう部分が多いです。そして、これが物語の説得力を損なっているように感じます。こんな感じで、イマイチ浸れず、自分には響かず、劇場で観るほどではないかなという印象となってしまいました。

とはいえ、仕事帰りで疲れている中、「ボーイ・キルズ・ワールド」に続けて鑑賞したため、しばしば意識が遠のき、理解不足となってしまったのかもしれません。機会があれば、きちんと覚醒している時に改めて鑑賞してみようと思います。

おじゃる
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