満月、世界のレビュー・感想・評価
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再現ドラマかセミドキュメンタリー?
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チラシに吃音の子が出てくると書かれていたので期待していたら、全くそういう子ではなく、エンドロールになったので、どういうことかと思っていたら、次の作品の冒頭で、いきなり言葉が話せない子が出てきたので、全く別の作品の組み合わせだとわかった。話し方が通常の吃音と異なっていて、言葉がなかなか出ない話し方だった。調べてみると、難発という種類だった。担任教師は急かさないけれども、何も声をかけずに冷淡だった。周りの生徒は、違和感のある反応の者もいれば、本人が話し始めるとじっと聴き入る者もいた。ことばの教室に通っていれば、居場所ができただろうし、担任教師や他の生徒との橋渡しを期待できたのではないかと思った。最後の場面で、担任教師がほとんど記入されていない学級日誌をただ開いて確認している意味がわからなかった。
事後の監督トークで、2編はそれぞれ出会った子どもたちの日常から生まれたもので、IC レコーダーを渡してつくりあげた、『満月』と『世界』とはつくり方が違う、というようなことを話された。質問で、『世界』の主人公と周りの生徒や担任教師との関係は、実際もそうだったのか、最後の学級日誌の内容はどういう意味なのか、主人公はことばの教室には通っていなかったのかを質問してみた。演出も加えたという。再現ドラマかセミドキュメンタリーといった作品と言えるのかもしれない。追跡的な作品が2030年に完成するそうなので、本作の関係性がどうなっているのか、楽しみではある。
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