「泣けた。おすすめ!」パドレ・プロジェクト 父の影を追って p.f.nagaさんの映画レビュー(感想・評価)
泣けた。おすすめ!
後半の核心部分について、ここに書けないのが残念。感動的な場面はひとつやふたつではないと言っておきたい。
40年前の情報しかないという無謀な状況。生きているかどうかさえ不明。父親のことを知っている唯一の人である母親は、認知症なので手掛かりはもう得られない。
でも、おそらく主役の武内剛は、「たぶん生きている」「イタリアに行けば会えるんじゃないか」という勘はあったのだろうと思う。
ソフィア・ローレンの「ひまわり」でも、生きているかどうかもわからないのに、ソビエトまで行って捜し回るけど、それと同じような無謀さだと思った。
そして、「LION 25年目のただいま」という映画(インドで5歳で迷子になり、Google Earthを使って、かつて住んでいた家を見つけて、25年後に帰る話)を思い起こすような驚きもあった。
父親を捜しに行く物語だけど、母親との場面もとても良い。母親は認知症で施設に入っていて、武内剛がお土産に買っていった花束を子供のように素直に喜ぶ。認知症でこんなにピュアないい人になるのは珍しいのではないか。黒人の子供との母子家庭で、苦労やいやな体験も多かったはずなのに。
主役の武内剛自身が、監督もやっている。話の展開の順序、状況説明の場面、音の使い方、場面の切り替え方など、とても良い映画で、監督としても高く評価したい。
コメントする