「ファンタジーオブファンタジー」僕らは人生で一回だけ魔法が使える momoさんの映画レビュー(感想・評価)
ファンタジーオブファンタジー
18歳から20歳までの間にこの村の男子は人生で1度だけ魔法が使えるという、タイトル通りのありえないファンタジックな設定をまず飲み込んでしまう。
そうするとみるみる楽しくなってくる。ここでつまずいた人は評価が良くないのかもしれない。
鮮やかな村の景色や子供時代の笑顔のシーンが心を癒す。
最高のファンタジー中のファンタジーだ。
4人とも素敵な青年だったし、最近注目してる櫻井海斗くんも出てたのが良かった。カンニング竹山の演技がものすごく良かった。
子役の子たちの表情も最高!
魔法会議のくだらないゴキブリダンスなんかに退屈しちゃダメだ。ああいうダラダラしたどうでもいいシーンがあったから後に生きてくる。回想シーンでキュンとくる。
古い例えだが高倉健の映画を見たあとは肩で風をきって映画館を出ていくという。
この映画を観ると、とても優しい気分になるのだ。人のために魔法を使うという、人生一度きりの選択をする姿を見て誰もがものすごく自分ならどうするか考え、その結末に驚き優しい人に変身して映画館を出ることになる。
今回、レイトショーでこの映画を観た。
映画館から降りるエレベーターに向かって歩いていた。普通なら閉めて数名乗ったら降りて先に行ってしまうくらい遅いタイミングだったのに扉を長時間開けて待ってくれたお姉さん。
同じ映画を見て心優しくなっていたんだと思う。降りるエレベーターの中にも人の優しさや一体感が生まれるような不思議な感覚があった。
そういう映画なのだ。鈴木おさむさんの発想と脚本は素晴らしい。映画館を出る頃には人に優しくしよう、ささやかな幸せを大切にしようと気持ちはすっかり帰られていたことに気がつく。
大きく深呼吸しよう。下を向かず上を向いて歩こう。
今近くにいる人を大事にしよう。