初めての女のレビュー・感想・評価
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恋は盲目、恋は闇…
今年14作目の映画館鑑賞は、
「初めての女」
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物語は…
飛騨高山生まれの俳人であり小説家の
瀧井孝作の若かりし日のお話です…
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勉強不足で瀧井孝作氏の事は知らなかったのですが、
芥川賞の選考委員を、
創設以来46年間務めた方なんですね❗️
この話は、まだ自分が俳人として
生きていく決意ができていなかった時の事…
様々な「初めて」に出会い、
成長していきます…
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主な登場人物は、
主人公の"孝作"を高橋雄祐さん、
洋食屋の"玉"を芋生悠さん、
三味線芸者の"菊"を三輪晴香さんが演じます…
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家業が傾いた事で、
丁稚奉公に出された孝作の
唯一の楽しみは俳句を書く事…
しかし、玉と菊
この2人の女性に出会い
新たな感情に心が揺らいでいきます…
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この作品…
まず舞台となっている飛騨高山の風景が
素晴らしく美しいです✨✨
雪に覆われた山、
街中の風景、
建物の外観・内観…
明治時代末期の設定に違和感のない背景…
上映後に小平監督とお話をしたんですが、
セットは使わずに全てロケで撮影したとの事❗️
だから小物は時代設定を合わせるのが
大変だったと話されてました…
確かに電話は顔みたいな形の古いやつだし、
電柱なんかも全く見えないようになってました👏🏻
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そして、
各登場人物の表情の移り変わりも印象的でした…
最初は自信無さげな"孝作"が
物語の終盤に見せる表情…
"菊"は逆に出会った頃から
どんどん表情が無くなっていく…
一番印象に残ったのは、
3人が初めて出会った時の"玉"の表情でした…
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恋は盲目、恋は闇…
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目が覚めて、
全てが幻だったと気づいた時の喪失感…
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多くの人が経験する事だと思いますが、
そこからどう立ち直れるか。
その経験をどう活かすかは
人によって違います…
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瀧井孝作氏は、
この出会いを晩年になってから小説にしています…
まるで昨日のことのような描写で…
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甘くほろ苦い出会いから60年余り…
完全に消化するには
それだけの時間を要したという事
なのかも知れませんが、
少なくとも彼にとってこの出会いは
忘れられない大切な思い出になったという事
なんでしょうね…
ツバメ気質
ここから始めよう
明治末期の飛騨高山。古い街並みや自然を背景に、俳句仲間との青春、2人の女性との初めての恋など、ひとりの青年の成長を描く。
時間の流れが今と違って緩やかで、とても心地よく、贅沢な時間を過ごすことができました。自分が幼い頃に育った故郷の景色とともに思い出します。
人生で初めてのことって、生きているとだんだん無くなっていきますよね。それって寂しいことだと最近思うようになりました。
でも、人との出会い(別れもかな)はいつでも初めてであることを忘れないで、これからも大切にしていきたいと思います。人との出会いは自分を成長させてくれると信じて。
髙橋雄祐さん、芋生悠さん、三輪晴香さん、それぞれの人物を素敵に表現されていて、心に残りました。特に、芋生悠さんの悲しく優しい笑顔、とても印象的でした。
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