このろくでもない世界でのレビュー・感想・評価
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金輪際、いいことなど起きない
これまではもちろん、これからも何もいいこととは縁のない乾き切った街で、遣る瀬無く、救いようなく展開していく半グレたちの物語。しかし変身の兆しも見せないヨンギュのために、命を投げ出したチゴンを理解するのが辛かった。半端なピカレスクにしか見えなかったです。
◉チゴンの一人芝居
退廃的な暗がりのシーンの中で、ソン・ジュンギ演じるチゴンだけが危うい光を放っていたと思います。いつでも普通の顔つきで人を支配して、傷つけもできれば殺すこともできる。ヤバいグループには必ずこんな一人がいそうで、またチゴンの振る舞いもややわざとらしいのだが、それが怖さを薄めてはくれない。あっという間に背後を取られそうなのだ。
しかしこのチゴンの凄みのみが、ピカレスクを引っ張ってしまった感が拭えないです。それにヨンギュが全く着いていけない。ヨンギュを演じたホン・サビンにできたのは、自己満足しながら、義妹ハヤンと青春小説の中に居続けることだった。
◉可愛そうな不思議青年
ヨンギュが縋るような眼で呟き、ハヤンも懇願して叫んだ「かわいそう」と言うフレーズに、何か特別な深いニュアンスでもあるのか。あまりに場違いな言葉を吐いた青年にできたのは逃げること。何かの間違いで自分に賭けてしまったチゴンを刺した後だと言うのに、疾駆するバイクに刹那感はない。歌を口ずさみながら、どこの街にでもふらっと止まりそうだった。
でも、自分だけを抱き締めていた…と言う点ではチゴンもヨンギュも一緒だったかも知れないです。チゴンは今はいない自分、ヨンギュは一番嫌いな存在である自分。
やりきれない
一度観て、一週間後再び観た。
一度で拾い切れていないと思ったから。
人間関係がやや整理され、ストーリ-に没頭して観ることができた。
汚れは汚れのまま、隠すこと無くさらけ出す韓国映画の真骨頂。
二度目の鑑賞で悲しみが増幅された。
理由の無い暴力の前で足蹴にされてもなお弱いものへの慈悲心を失わないヨンギュ。
母親のいない幼い男の子にバイト先の雑種犬に手を差し伸べる彼に対して、救いの手はどこからも現れなかった。
ただひとりを除いて。
義父は話にならないが、実母も相当ポンコツだと思う。
そんな母であっても、死して後も報われない愛を寄せるヨンギュを見るとたまらない気持ちになった。
差し込む朝日が象徴する世界へ脱出することができたのだろうか。
妹が虐められた復讐で岩で頭を殴っても逮捕されない
映画冒頭から華の無いフツメンの主人公が、タイトルにもある通り岩で同級生を殴るんだけど、これって立派な殺人未遂になるのに逮捕されず慰謝料で済むんだけど、これで逮捕されないという世界観だと思わないとこれからの展開にはついていけない。
慰謝料を立て替えてくれた「 自分の兄」 と名乗る似ても似つかないイケメンが「 金は返さなくてもいい」 と言っているのに兄が生業としているバイク泥棒となって後戻りが出来なくなり暴力に目覚めるという話し。
話しの展開に全く必要がない「 ペンチで爪を剥ぐ」 シーンは気持ち悪いだけ。人を殺すシーンも美学を感じられず痛そうな描写だけ真剣に撮っていて、昆虫を千切って遊ぶのが好きな人なのかと心配になる。
話しの展開も残酷描写を撮る為だけにあるような、行き当たりばったりの展開で、猿並みの脳みそしかない原始人同士が石器で殴り合うようで、知恵のある人間の行動とは到底思えない。
父親は殺されると思っていたが、全く何の関係もない母ちゃんが殺されてショックでした。母ちゃん殺されるような事してないよね? イケメン兄をフツメン主人公が殺すんだけど殺す意味ある?
ジャンジャン麺親子は何かの伏線があるのかと思ったら特に何もなく、政治家の男もあそこまで痛めつける意味ある?
「 ぼくの考えた最強のばいおれんす」 にしたかったかもしれないが、痛快感はなくやっと終わってくれたという疲労感だけが残った。
新人監督なんだから、脚本家は雇うべき。ケンカはキム・ギドク、バイオレンスはイーライ・ロスの映画見て、出直してきてください。
見るべき所が無いただ不快なスナッフフィルムでした。
逃亡の果て
星の評価は役者の没入度に対してだ。
物語は、どう理解していいのかは分からない。
この作品を見て何を得ればいいのか。
18歳の少年が陥っていく底なし沼のような話ではあるのだが…ラストに至り急な方向転換にも思え、結局はリセットするしかないというか、捨てなければならないというか、もっと早く逃げ出すべきだったのだろうなと思う。
元凶は酒乱の義父ではあるのだけれど、彼がこの螺旋に絡め取られるまでに何度も持ち直せる機会はあった。最初の躓きである義父に立ち向かうべきだったとは思う。
よく分からないのだ。
この世界観が。
スマホは普及しているから現代なのかとも思う。なのだが服装や乗り物は前時代的なものも多く、コレらが貧困を表してるアイテムなのだとしても、現代の韓国の暗部なのだろうかと首を傾げる。
隣国の事はわからない。
こういう現状であったとして、何を訴えようとしているのかもわからない。
登場人物達はすべからく底辺に生きる者達で、それを食い潰していく上流階級の存在もしっかり描かれる。
格差という言葉では足りないくらいの差が描かれていく。
たまに出くわすけれど、どういう意義とコンセプトの上で、この手の作品は世に出てくるのだろうか?
元々お互いに好意を描いていたであろう、主人公とその義妹の空気感とかエピソードは嫌いじゃない。
全てを捨てて2人は街から脱出するってラストだ。
自死に等しい最期を遂げた兄貴分の心情も分からなくはない。
だが…トータル的に何を受け止めれば正解なのかがわからない。ただのエンタメのようにも思うし、そうじゃないような感じもする。
韓国という文化や人を理解すれば、この作品のコンセプトも理解できるのだろうか?
俳優陣は、やはり見事だった。
彼らが没入していく深度が観客にも伝播していくようで…主人公の四肢に纏わりついていく黒く悪臭を放つ泥のような触手をずっと感じてた。
物語は好きじゃないけど、俳優陣は素晴らしかった。
◾️追記
この直後に「大いなる不在」を見て思う。
本作だけではないのかもしれないけれど、色味が濃いし、画面が暗い。
まるで色味とかからも、作品世界へのアプローチをしているようにも思えた。
日本映画の基準として「作品は見やすくする事」って項目があると仮定し、画面は明るめにっていう常識があったとして、韓国にはソレがないようにも見える。
作り手側の主張が100%投入されてるような…。
本作を見た後の「大いなる不在」は何だが色が薄いって感じで、物語が始まるまでに作品のカラーを察知する材料が乏しいような印象だった。
深みって言うのかなぁ…韓国にはソレがあった。
たまたまかもしんないけどね。
18だと?
終始重苦しく胸糞悪い、これぞ韓国ノワール(褒めてます)。エグい場面や、一寸先は闇みたいな痺れる環境によって画面に釘付けになることは必至。だが一方で、家庭環境や裏社会、政界の混ざり方が今一歩しっくりこず、妹やジャジャ麺親子の存在も大事なようでなんだか中途半端。ところどころ(湖の会話含め)理解不能だったりこの要素いるか?な場面もあり、惜しいというか、いろいろ改善してリメイクしたらもっと良くなる要素あるよな、と思う。
総じて面白いが、実は未完成な作品に思えた。
4.0つけたけど4.0よりの4.0未満のつもりです。
あと、18歳には見えない。
雰囲気・見せ方・キャラクター申し分なかったのですが……
韓国の下層社会を描いたノワールで、映画としてはかなり好みの部類。
ソン・ジュンギさん演じるチゴンの圧倒的な存在感とキム・ソンヒョさん演じるハヤンの野性味のある魅力がなかなか良かったです。
お話の展開も悪くなく、あとはヨジュンの成長かな……と思っていたところで、鉄砲玉として使い捨てられそうになり、嫉妬からさらにハメられるという展開。この後の展開がやや拙速というか雑というか、なんとなく察することはできてもスッキリとは腹落ちしない展開で終わっていきます。
映画全体の雰囲気は最高によかったのに、少し残念な気持ちで劇場を後にしました。
言葉には言い尽くし難い
スラム街の貧困層で育った18歳の少年は学校で起こした問題で大金が必要になり、資金を得るためにも犯罪組織に足を踏み入れ闇落ちしてしまう。
少年は借金を肩代わりしてもらった恩返しのために仕事という名の盗みを行うようになって徐々に頭角を現すようになるが、それがやがてグループ内での掟を守れないということになり、グループからの脱退を勧告される。
一番ゾッとするのがペンチのシーン。
お前にも俺の痛みが分かるだろと言わんばかりにペンチを用いて自らの爪を剥ぐシーン。剥いだ瞬間に血がたらーっと出るのだが、剥いだ爪が血で真っ赤に染まった状態で地面に落ちる瞬間はグロじゃなくても痛々しすぎて見てられない。
チゴンの真似しとばかりに少年もするのだが、自ら置かれている立場がわかっているから何としてでもという思いがあったのかもしれない。しかし現実はそんなに甘くない。
チゴンを殺したとしても、一度踏み外してしまった以上更生するのは難しく貧困が生んだ格差や暴力だけが何とも言えないもどかしさを痛感した。
俺を"ヒョン"(兄貴)だと思え。
オオカミ少年だったソン・ジュンギ様が本作では裏社会の兄貴に!
はぁ〜イケメン♡背中がセクシー♡
主演のホン・サビンさんは存じ上げず申し訳ない。
ずっと誰かに似てるなぁ〜誰だろ〜って思って観てました。
イヤ、ちゃんと集中してましたヨ٩( ᐛ )و
マブリー♡の「犯罪都市2」にも出ていたチョン・ジェグァンは兄貴の右腕的な役でしたね。
(ソンム)
ちょっと高岡蒼甫っぽかった。
(そんでちょっと三角関係?!w)
いや〜さすが。韓国ノワール!
本作も容赦無かったですわ。大好物。
国や性別に関わらず、生まれ育った
"環境"って、本当にとても大きいですね。
日本でも似たような悲劇が起こっています。
貧困って。。心を蝕みますよね。。
チゴンがヨンギュに目をかけたのも、自分と同じ、あの場所、あの環境で生まれ育ち、生きて来たから。
右腕のソンムでさえもよそ者(20歳であの街に来た)に思える程に、チゴンはヨンギュに自分を重ね合わせたのだろう。
犯罪組織のリーダー・チゴン。
義父からのDVや底辺の暮らしから抜け出せない複雑な家庭環境のヨンギュ。
2人は、出会うべくして出会ったのだと思えてならない。
最悪な環境の中でだが、ほんの一瞬安らぎを持てた。
希望と呼ぶにはあまりにも悲劇的な結末。
これもはじめから決まっていたかのようだった。
見せ場の
ヨンギュが落とし前をつけるべく
(&組織を抜けたい)手首を落とす覚悟で戻る
↓
それを止めようとするチゴン
↓
強行しようとするヨンギュとチゴンが揉み合いになる
↓
何故かヨンギュはチゴンを殺そうとする流れに。。
↓
チゴン抵抗からの一瞬の間
↓
チゴンはヨンギュの手を握りキリ(?)を自分の首元に
↓
今度はそれをヨンギュが阻止
↓
しようとするも。。。
この流れの2人の心境の変化がよく分からなんだ(°▽°)
チゴンは死に場所を探していた?
チゴンにとって死は救済だった?
最期は笑みを含んだ表情だったのが印象的でした。
他にも色々?ハテナ?な所もあって立ち止まりそうになったけど、力技で強引に引っ張られました!
あの釣り針のこと、ヨンギュが求めていた
「皆が同じ水準で暮らせる場所」のこと、ハヤンとの関係性など、色々と考えてしまい切なくなりました。
(でも、高校生!自分と同じ歳、しかも異性と、ある日突然きょうだいになるのはキツい。。)
ただ、
本当にあの父子が可哀想過ぎて( ; ; )
特に子!子!!泣泣
青春18×2にけつラストではなく、
あそこで義父ヤッちゃって、母の隣りに座り込み、「一緒に行こう」って言ったから、そのまま自分の腹を刺し息絶えるヨンギュ。ハヤン泣き崩れ落ちる。。
って希望のカケラもないラストでも良かったカナなんて。。
感覚が狂ってる麻痺してる自分が怖い(°▽°)
皆さんが引いていくのがわかります(°▽°)
待って〜!行かないで〜!
それにしても母親冷たくなかったですか?
ちゃんと守ってくれよ!信じてくれよ!話を聞いてあげてくれよ!と、一言物申したくて仕方ありませんでした。
それでも子は母が好きで大切で。。って所が泣けました( ; ; )
個人的にはもっとくれ〜!もっと行ったれ〜!って思いもありますが、いやはや本当にろくでもない世界でした。
レイトショー、同じ時間で終わったキングダムの人々からは、興奮冷めやらぬ声が聞こえて参りましたが、こちらチーム5人、全員お一人様だったとはいえ、共通して皆さん( ̄  ̄)こんな表情でした。
一体感では負けていませんでした。
惜しい作品
なんだか感情移入出来ないキャラクター達で、ストーリーもなんだかとっ散らかっていて???が多い。撮影方法などは韓国映画らしく良いのだが、シナリオがイマイチで乗れない。特に義理兄弟の話や父親の家庭内暴力等中途半端な設定、冒頭のクラスメイトを殴るシーンもキャラクター設定を出したいのだが良く分からない。
溺れた少年
格好良くもない、希望も救いもない。
韓国映画だからもっと胸熱なものがあるかと期待していたが、それもない。それでも惹きつけられる。
ソン・ジュンギのクールな二枚目ぶり。
チゴンが主役でもよかった。
何があれば彼を救えるのかはわからないが、来た道を振り返っても何も無いのだと思った
2024.7.31 字幕 京都シネマ
2023年の韓国映画(123分、R15+)
閉塞感からアウトローの世界に足を踏み入れる少年を描いたクライム映画
監督&脚本はキム・チャンフン
原題は『화란』、英題は『Hopeless』で、ともに「絶望」という意味
物語の舞台は、韓国の明安市
そこで暮らすヨンギュ(ホン・サビン)は、複雑な家庭環境で青春時代を過ごすことになった
母モギュン(パク・ホギョン)は酒を飲むと暴力的になる男・チョンドク(ユ・ソンジュ)と再婚し、年頃の娘・ハヤン(ビビ)が義理に妹になった
ハヤンは何かしらの理由でクラスメイトからいじめられていて、それを見かねたヨンギュは、いじめの中心人物ミョンフン(チョン・ヨンジュ)の頭を石で殴りつけた
双方の親が出てきて話合いが行われるものの、300万ウォンの示談金を出せと言われてしまう
無い袖は振れず、義父にバレたらどうなるかわからない
だが、街角にて、一度会話を交わしただけの地元の半グレ・チゴン(ソン・ジュンギ)が彼のために金を用立てた
その後、チゴンの部下スンム(チョン・ジェグァン)から来るなと言われていたものの、ヨンギュはそれを無視してチゴンの元を訪れた
そして「雇って欲しい」と懇願する
チゴンたちはバイクを盗んで海外に流すことを生業としていて、スンムからキーの無いバイクの動かし方などを教えてもらう
そして、今までに得たことも無いような金を受け取ることになったのである
映画は、底辺の少年が行き場を失った挙句にヤバい世界に足を踏み入れるというもので、無知ゆえに危ない橋を何度も渡らされる様子が描かれていく
チゴンはヨンギュには荷が重すぎると思っていたが、彼にはこの世界で生きていく覚悟が芽生え始めていて、その潮流には逆らえなかったのである
物語は文字通り救いのない世界を描いていて、それを絶望と捉えるかどうかはその世界をどう見るかに依る
普通の人には絶望の世界にしか見えないが、この道こそ生きる道と思う人もいるので何とも言えない部分があった
ラストにて、チゴンはヨンギュに自分を刺させるのだが、チゴンにとってはあの世への道のほうが希望に見え、またその道はヨンギュにとっても希望への足掛かりだったと言える
普通に見れば地獄行きにしか見えないその道も、2人には質の違う希望に続いているところが奥深くもあった
いずれにせよ、しんどい展開が延々と続き、底が全く見えずにラストも悲惨に映る
だが、考え方次第では暴力親からの解放、組織からの解放にも繋がっていて、あの2人ならどこででも生きて行けそうにも思える
学がないことよりも、足を踏み入れた世界で覚悟を持てるかどうかと、我を失わずに俯瞰できるならば通用するのかもしれない
ヨンギュにはそれがまだ足りないものの、チゴンの選択を考えると、別世界に行くほうが未来があると言えるのではないだろうか
韓国人の、 社会の底辺の人たちの描き方って本当に容赦ない 見てると...
韓国人の、
社会の底辺の人たちの描き方って本当に容赦ない
見てると心がひりひりしてくる
ソンジュンギは、
最後のシーンで仰向けになってからあとは、
ソンジュンギ史上最高の表情(というか演技)だった
日本でもかかる趣旨は妥当するので良い映画
今年275本目(合計1,367本目/今月(2024年7月度)38本目)。
※ (前期)今年237本目(合計1,329本目/今月(2024年6月度)37本目)。
(前の作品 「インサイド・ヘッド2」→この作品「このろくでもない世界で」→次の作品「???」←シネマートを予定)
韓国を舞台にしたノワールもの。
中華料理店?でバイトしている高校生があることに関与したことから示談金を持ちかけられるようになりいわゆる「裏の世界」に入っていくというストーリーです。もっとも主人公の高校生側の帰責性はほぼなく、いわゆる「日本でいうところの暴力団等への警戒、心のもちよう」などの論点が入ってきます。日本でもそのような活動(高校生に対してもそういった「反社会勢力とはかかわらないようにしましょう」という啓発運動)はされているので、かかる趣旨は韓国にも妥当し、その観点ではよかったかなというところです。
タイトル通り、本当に「ろくでもない世界」で誰も救いようのない状態になるのが展開的には厳しいかなといったところですが、お隣の韓国においてもやはりこういった状況は映画とはいっても一定数存在すると思われるところ、そうした部分を描いたこと、またそれをもって日韓とも一定数存在する論点である「反社会的勢力の排除」「抜けたいと思うものへの援助」という相反する2つの活動は必要であり、その点には明確に触れていないものの、明らかにわかる範囲であり、そうした映画であった点は良かったです。
大阪市では韓国映画を見たいなと思えばシネマートですが、シネマート(心斎橋)は閉館が決まっていて、番組編成の関係か扱いなし。tohoシネマズ系で韓国映画って結構珍しい気が…。
採点に関しては以下を気にしたところです。
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(減点0.3/地名表記がカタカナである点について)
この映画、舞台がどこかが明確になっておらず(予告編などからは地方であることはわかる)、この点は実は最後に「カタカナで」地名が出るのですが、韓国の地名(都市名)というとカタカナで書いてもわかるのは、ソウル(首都)とプサン程度で、他はカタカナで書かれてもわからない部分が多いです。ここは漢字表記(韓国でも都市・地名には漢字表記が今でも残ります)にしてほしかったです。
※ 代表例が「スンチョン」と書かれる「順天」市です(1948年に大きな事件がおきた一つの地域で、日本のコリアタウンにも、済州島事件、麗水順天事件に端を発した難民の形でその出身の方もいます)。ところが、「スンチョン」表記でも、北朝鮮側にも同じ「スンチョン」のカタカナ表記になる「順"川"市」があり、カタカナ表記だけでは特定できない部分がいくつかあります(まぁ、北朝鮮の地名まで言い始めるとマニアですが…)。
この点は少し配慮が欲しかったです。
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盗んだバイクで走り出す
結局、(微妙なカンケイな)義妹とバイクで街から逃走する訳だけど、、
なぜこの「ろくでもない世界」に留まらくてはいけないのか? の、ヨンギョなりの理由
を描いて欲しかったです。
その分主人公のヨンギョと、とりまく周囲のどうしようもない環境はよく描かれていて、作品の世界観には入りやすかったです。
あと、こちらが見落としてるのかピンとこなかったのは、
最後のヨンギョが鉄砲玉となって、親分に背いた議員候補の男を殺しに行くまでは分かる。
誰かの(チゴンの元弟分)工作でバイクが大破、命からがら逃げだす。
兄貴分であるチゴンを疑い殺しに行く。
一方チゴンは失敗したと分かって、ヨンギョに代わり親分に納めるはずの金を工面する。
チゴンは弟分のヨンギョをかばうかたちになる。
戻ったヨンギョは、最初は怒に任せチゴンを殺そうと、激しいバトルになるわけだが・・
拮抗するうちに、攻めのはずのヨンギョがいつの間にか自尽する行為に変わり、それを止めようとするチゴンになり・・
そうこうする内に今度は逆に、自害しようとするチゴンと、それを止めようとするヨンギョになり。。と(逆だったか?失念)
そんな二人の両極の心情の振り切れ具合が、一連の格闘のさなかで展開されるので、見ていて?とまではならないが、(チゴンがツンデレなだけあって)非常に戸惑う。
説明してもらわなくてもいいので、腑に落ちる描写がどこかで欲しかったです。
そんなツンデレのチゴンですが、いつもポーカーフェイスで表情の乏しいキャラクターは秀逸でした。
ずっと愛を知らず底を見つめるような物悲しいたたずまいは強烈に印象に残ります。
演ずるソン・ジュンギは魅力的でした。
家庭の事情
荒んだ町の荒んだ家庭で暮らす高校生が手を差し伸べてくれた裏の社会に男にすがり闇堕ちする話。
義妹がイジメられた仕返しをしたことで、相手の親に慰謝料300万ウォンを請求されて巻き起こって行く。
主人公の振る舞いをみていると18歳とはいえあまり賢い感じはしないし、腹が座っているわけでもないし…。
ボスに頼まれごとをされる流れから山場の流れは、ちょっと自分にはその心情が理解出来ず、そっち?という感じ。
そしてトドメのアホ親父もなんだかね…。
途中まで、やり切れなさや胸くそ悪さはたまらないものがあって相当良かったけれど、この終盤の流れが自分にはイマイチ刺さらず。
面白かったぶんなんだかとてももどかしかった。
一人の高校生が闇に落ちて行く全く救われない韓国映画。 本年度ベスト級。
日本円で約30万円位の示談金を巡り、1人の高校生が闇に落ちて行く姿を描いた作品って感じだった。
ある理由で暴力事件を起こし停学となったヨンギュ。
変則的な4人家族のヨンギュ。
お酒に明け暮れ暴力を振るう父。
腹違いの妹のハヤン。
母親。
家が結構狭い(笑)
示談金が必要なヨンギュは頼れる人がいなくアルバイトでお金を稼ぐ感じ。
そんな中、金貸し業を隠れ蓑にした犯罪組織の中ボス的なチゴンに救われ組織の一員となってしまう展開。
悪い事に悪い事が重なっていく負のスパイラル感がハンパない。
どんどん悪の深海にハマってしまうヨンギュが観ていて辛い。
ヨンギュに優しくする犯罪組織のソン・ジョンギさん演じるチゴン。
イケメンで優しい感じなんだけど白黒がはっきりしていて恐ろしい。
ヨンギュと妹のハヤン。
仲が悪い感じだけど腹違いの兄妹だけど心が繋がっていた感じ。
犯罪組織や家族がどんどん壊れて行く感じが容赦無い(笑)
最後に少しだけ光が見えた感じに希望が持てた感じでした( ´∀`)
邦画でも出来ないかな
韓国バイオレンス映画ではよくある、
貧困がメインの裏社会ノアール。
継父のDVに怯える少年ヨンギュ、という、
今では特殊では無い環境から端を発し、
裏社会に沼っていくが、
そこで目をかけるチゴン兄貴が
とてもかっこいい😎
チゴンの思いと、ヨンギュへの罠。
交錯し絡れ、理解出来ないままラストへ。
R15指定ならでは、
バイオレンス描写は容赦無い😱
ヨンギュの部屋でのチゴンの行為、
ヨンギュが事務所に戻ってからの道具、
いやー、ベタだが手に汗💦
正直言えば、
ラスト前、ヨンギュがパット握った時は、
心の中では「ヤッタレー❗️」と思いました😅
チゴンもそう思ってたと思う。
邦画でもこーゆー題材を、
有名所の役者でやってほしい。
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