室井慎次 生き続ける者のレビュー・感想・評価
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0点と4点の狭間/信じる男の物語
室井慎次を演じるのが辛いから
殉職させて欲しい
かつて柳葉敏郎はそう言ったらしいが
なぜそんな結末にする必要があるのか
不満すぎる、0点だ
ただ、そこ以外は私は好きだった
結末以外は4点にしたい
とりあえず、あと一回は劇場に行くので
細かなレビューはまた改めて書く
【追加レビュー】
2024/11/20 2回目の鑑賞
初恋のメタファー、雪だるま
タカの初恋はその言葉通りに
父親の偏見に満ちた言葉に影響された
好奇心だけの女子は消えた
そんなタカは母をあやめた男を許せるほど
室井からの愛と信頼を受け、自覚している
とんでもないトラブルメーカーの杏に
“自分で気づくのを待ち怒らない”と言う
そうだ、そうだった
室井という男は、青島を信じた
「現場の君たちを信じる」と言って
詳細の判断を各自に委ねた
まさにこれは室井の
“信じる力”の話だったのだ
歪んだ犯罪者に幼少期から洗脳された
杏の心をもとかした
一方、信じてもいないのに
信じたい気持ちだけで血縁を盲信し
せっさくの穏やかな日々をぶち壊す
愚かな児相の職員と
子どもを生活保護額を上げるためと
八つ当たりの道具だと考える父親とが
結局、最後の遭難を招くという皮肉
実の親が求めたら子を返さなくてはならない
“規則”(法律)だから
これまで踊るで何度も描かれてきた
人の心の善悪と伴わない規則が
今作でもまた日常と幸せを壊したのだ
これは続編への振りだろうか
酷評してる人はそういうところを
もう一度、観てほしいと思う
最後が無理矢理でスッキリはしない
最後のストーリー展開がスッキリせず
何か強引にもっていった感がある
事件そのものの詳細が解明されず、レインボーブリッジ封鎖事件での犯人らは全て出所したはずだが、残り2名?は不明のまま
まぁおそらくこの犯人2人が次回作への布石だと思うが…
最後のエンドロールで続編示唆してたし
次は青島メインかな
踊るシリーズ続けるなら監督も脚本家もPも変えた方がいい
※今作を「面白い」と思った方はこのレビューを見ることをオススメしません。ご注意ください。
自分は映画レビューで星1.5などは
ほとんど付けたことがないのですが、
この作品はまさにそれほどの低評価でした。
この作品(前編含めて)を見るために
ドラマ、ドラマSP、過去映画を
できる限り履修しました。
あえて厳しい事を書くと、
もう今のままでは面白い作品も
人を魅了する作品も手がけられるとは思えない。
あの室井慎次をここまで酷い話で消費したのは
踊るシリーズ復活一作目として最悪。
晩節を汚すとはまさにこの作品のこと。
この作品で特筆すべきは
登場するほぼ全ての人物が愚かだということ。
悲しいくらいに愚かで稚拙。
特に若者の描き方が最悪で
もはや悪意を込めて描いたとしか思えない。
少年が好きだった女子、小学生、売店に来る若者
クズしかいなくてこの地域治安悪すぎ。
とにかくこの監督?脚本家?は
「若者や子供」「キレイな女」「ネット」が大嫌い。
過去作でもそれは伺い知れるが
今作でも見事にご多分に漏れずな描き方。
他にも
・事件アッサリ解決しすぎ
・全員アッサリ改心しすぎ
・それまで賢かった犬、アッサリ逃げすぎ
・ローガンを1000倍にアッサリさせたような展開
…と、とにかくアッサリ。
ネタバレにチェックしたのでここにも触れるが
何よりも最後にあの室井慎次がアッサリ○ぬ展開。
いや、アッサリどころか無味無臭。
こんなの食べても味わいの欠片もない。
苦笑いしか浮かばない。
そしてエンディング後、
「皆さんお待たせしました!青島ですよ!嬉しいでしょ!?」と言いたげに
室井さんの弔いにきてる青島が
室井さん宅前で仕事の電話を取って
「はい。行きます。」と言ったかと思えば
目の前に室井宅があるのに顔も見せずに引き返す。
意味がわからない。何しに来たんだお前。
なんのワクワクもなかった。
昔からこの監督は「整合性よりも画を優先する人」
と言われていたらしい。
確かに過去の作品もそうだったが、
今作は整合性もなければ出来上がった物も酷い。
…ならただただ出来の良くないだけの作品ではないか。
とにかく良いところを探す方が難しい。
久しぶりに映画でここまでガッカリした。
前半のレビューを描いた時は
「前後編なのでまだ評価は出来ない」と思っていたが、
両方見た今となっては擁護しようもない。
室井役の柳葉敏郎さんは
他作品でスーツやオールバックの役、
犯人役を引き受けなかったらしい。
そこには全て室井慎次という役が関わっているらしい。
そんな柳葉敏郎さんを知ったPや監督は
「室井慎次から柳葉さんを解放してあげたい」
と思って今作を手掛けたらしい。
…こんな作品で〆るために今まで室井慎次を演じてきた
柳葉敏郎さんが不憫でならない。
フジの映画制作局長がいうには
「元々BSフジでドラマにしようとしていた今作だが、劇場でお客さんを楽しませてきた踊るシリーズが劇場外に出ていく事は考えられなかった」
…という事らしい。
いや、元々踊るシリーズはTVだろ。
「地上波で」ならまだわかるけど
なんでこんな地味で面白くないプロットを見て
映画で行こうと思ったんだ。
ド偏見で申し訳ないが、金のためとしか思えない。
とにかく踊るシリーズ復活第1作目として
最悪な作品を作り上げたとしか言いようがない。
思い出補正で許せる人はすごいなあと、心から思いますよ
2024.11.15 MOVIX京都
2024年の日本映画(115分、G)
前作『室井慎次 敗れざる者』の続編映画
『踊る大捜査線』シリーズのスピンオフ
監督は本広克行
脚本は君塚良一
物語の舞台は、秋田県北大仙
警察官僚を辞めて田舎に越してきた室井慎次(柳葉敏郎)は、事件の被害者遺族の高校生タカ(斎藤潤)、事件の加害者家族のリク(前山くうが&前山こうが)たちを育ててきた
そして、彼らの元に、室井のかつての事件の因縁の相手・日向真奈美(小泉今日子)の娘・杏(福本莉子)がやってくる
施設に行くまでの間、預かることになった室井だったが、彼女の行動はおかしなことが多く、リクは懐くものの、タカは警戒心を募らせていた
物語は、前作にて、何者かによって納屋が放火されたところが描かれる
室井は犯人探しをすることなく、被害届も出さず、地元民たちはその行動を不可思議に思っていた
やがて、その事件は語られることは無くなったものの、住民からの嫌がらせは日に日に増して行った
そんな折、リクの父(加藤浩次)が出所し、新しい生活を始めるとの知らせが入った
児童相談所の松木(稲森いずみ)は「親元に返す方が良い」という決定を下し、室井はそれに従うことになった
最後の思い出作りとばかりに色んなところを巡ることになった4人は、家族でいられる時間を大切にしていく
そして、リクを児相に引き渡す時がやってきたのである
と、映画は事件そっちのけの親子ドラマになっていて、忘れた頃に犯人から電話が来るみたいな雑な流れになっていた
しかも、事件の顛末は「桜(松下洸平)の妄想」を聞かされるだけで、さらにその想像が「ぜんぶ真奈美が洗脳してやったこと」という、推理とも思えないものになっていた
杏が洗脳されていたとして、どの時点でそれが解けたのかもわからず(多分、猟銃撃った時)、唐突にスマホの待受を見て「クソババア」とか言い始めてしまう
真奈美の洗脳は万能すぎて、刑務所にいるのに室井の引越し先がわかるとか、服役していた犯人の出所がわかるとか、今現在何をしているかわかるとかも、どうなってるんだろうねえという感じになっていた
ファンサイトの存在を知っていても、そのサイトで洗脳する方法などもよくわからず、刑務所に面会に来させて懐柔できた人物が偶然レインボーブリッジの犯人だったとかも無茶だと思う
書き出したらキリがないほどに粗が多いのだが、骨子を親子の物語にしているので、それ以外のことは、それを阻害する道具として捉えているのだろう
いずれにせよ、久々に「途中で席をたっても良いかな」と思ってしまった作品だった
妄想のところで脱力、猟銃を撃たせたところでさらに脱力、生活保護のことを聞かれて表情を変える児相のところで「もういいかな」というように、何を見せられているのだろうか、という感覚が強かった
刑事ドラマで事件解決を妄想という時点で真面目に作る気はないのだと思うが、やはり犬追いかけて室井死亡が一番やっちゃけいないことのように思えた
おそらくは次回作の構想があって、どうしても室井と青嶋を一緒には出せないのだと思うが、この映画に青嶋が出てくる意味はほとんどなく、しかもエンドロール後に顔出しまでしていた
彼の性格を考えれば、無線で事件発生の連絡があっても、室井に手を合わせには行ったと思うので、それを仄めかすように「無線を無視して玄関先までいく」というので良かったと思う
その人物が青嶋であると思わせることができればOKなので、顔を出さずにコートを見せるだけでも良かったのではないだろうか
不器用な室井慎次さん
綺麗な秋田県の雪景色や俳優の方々の
演技は良かった。シンペイも可愛い。
不器用ながら警察官であった事に
対して子供達、少年、青年に間違った
道を歩ませず助ける気持ちと信じる気持ちは
伝わった。親として。
少し脚本が伏線回収が足りてない部分や
ちぐはぐな所が少しあった感じが心残り。
柳葉敏郎さん長い間、お疲れ様でした。
これは無いかなぁ
途中、家族として成立していくまでだけなら、全然有り。
むしろ好きな方、『4.5でも良い。』って思える位。
でも、簡単に室井さんが亡くなったり、青島が “いかにも” ってタイミングで出てきたり。
“踊る・・・・”と見ればそんなモンかも知れませんが、それまで室井さんがベースだっただけに、急に方向性を変えた制作側の意図が分からない。
とりあえず私には合わなかったです。
分からなくはないけど……
はじめに。
自分なりに踊る大捜査線は大好きです。
踊るシリーズ再始動となり、全作見直して、
破れざる者を見た。
大いなる序章という事で、前作は概ね納得し楽しめた。
なんなら二回見に行った。
で、先行上映を見た。
結論からいうと、なんの盛り上がりもなく
序章のそのままのスピードで物語が進み、
レインボーブリッジの持ち出しも、
死体が出てきた理由の訳も全く語られず。
ましてや事件も、当たり前だが刑事ではない室井をほっといて犯人逮捕に繋がる。
レインボーブリッジも日向真奈美もコンテンツの無駄遣い。
ただ、淡々と踊る大捜査線版北の国からだった。
そもそも、あんなに村人にハブにされてたのに、
あんなに簡単に皆が心変わりするのか?
日向杏もあんなに簡単に心を開いて呪縛から溶けるのか?
そもそも青島との約束を守れなかったから、
そのケジメをつけるために子供を引き取り
子供たちとの暮らしが楽しいと話してた室井が
吹雪そうな山奥に向かうのか?
遭難して皆に迷惑をかけるかもと思わないのか?
室井慎次のキャラクターって、あんなだったのか?
青島との約束はそんな簡単な事だったのか?
子供は自分が引き取ると言ったあとの行動としてはおかしくないか?
人の人生なんて、そんなに映画やドラマになるほどドラマティックで刺激的な事は少ないのかもしれない。
警察を辞め、山奥に暮らせば
関わる人は減り、
普通の人の人生はそんなものなのかもしれない。
関わった人や子供たちに室井の信念は受け継がれ
そういう意味では「生き続ける」ってことなのかもしれないけれど、
踊る大捜査線って、そういうものだったのか?
これは自分だけなのかもしれないけれど
ある意味ファンタジーで
生きづらい毎日の中でも
ユーモアと信念と、信頼出来る仲間がいれば生きていけるよ
それが自分の中での踊る大捜査線だった。
いろんなキャラクターがいて
青島みたいなキャラクターばかりではなく、
室井慎次みたいな人の人生があるのは分かるけど
これは敢えて見せる必要があったのか?
もう物語の中盤で、薄々とラストは見えていたけど、思った通りの結末だった。
こんなんならドラマの最終回に
あの階段の上と下で敬礼をして
お互いを信じて、それぞれの立ち位置で互いを信じて生きている。
そこで終わっていて良かったのではとさえ思えてしまった。
(でもそれだと最悪の七日間も、レインボーブリッジもいらないってことになってしまうけど)
自分としては、低迷してるフジテレビをもう一度復活させるため踊る大捜査線で一旗あげたい。
けど、柳葉敏郎はもう室井慎次の呪縛から逃れたい。
しかも柳葉敏郎と織田裕二の確執はやっぱりあって、二人をまたシリーズに引っ張り出すのが難しい
それならやっぱ室井慎次、死んでもらおうか?
ってのがフジの答えじゃない?
みたいに思ってしまった。
この二作は踊る大捜査線シリーズではなく、室井慎次という人間にフォーカスしたストーリーで、
一人の人間の生き様を見ろと言われても、
なんの感情移入も出来なかったし、
ラストに向けて畳み掛けるように心変わりする周囲の描き方が雑すぎて
完全に置いてけぼりだった。
本当に苦痛に感じてしまうほどだった。
ここまで書いたけど
本当に踊る大捜査線は今まで見てきたドラマで一番好きで、
ある意味生き方の指針の一つみたいに勝手に思ってる。
だからこそ、もう踊る大捜査線シリーズはもういいです。
ラストに出てきた。
これでどこかできっと彼も彼なりに日々に揉まれながら生きてる。
それでいいと思うから続くのはやめてくれ。
一緒にお菓子戻そう
北の国からの名台詞「こどもが〜」は有名ですが本作では悪い意味でこの迷台詞が生まれました。
本当に大好きな作品だから悪い評価はしたくない。室井慎次の結末も、亀山さん達や柳葉敏郎さんが望んだことなら受け入れます。家族ドラマを中心とした話も良かったです。だけど無理がありすぎる。
銃口を向けるほど敵意を向けていた村人たちが何故室井に心を許したのかさっぱり理解できなかった。スマホを手にした途端に他の男へ好意を寄せる女の子にも。唐突に万引きしたリクの心情も。猟銃をぶっ放したら改心した杏にも。諭されていい子になる不良たちも。
全て観る側で脳内補完でもしない限り理解が及ばない。不自然なまでに物事が丸く収まる。やるなら当初の予定通りドラマで時間をかけて丁寧に描いて欲しかった。大好きなシリーズだか、本作はいくらなんでもお粗末で急性で雑すぎる。北の国からとグラントリノの劣化版とまで言いたくなる。この二作を足して2で割ったらマイナスになったような作品。テレビ映画でもラストマイルのような質が高く完成度の高い作品があり、大きく見劣りしている。これは予算だけの問題ではないように思います。
前編で期待値が上がっていただけに本当に残念で仕方ない。室井慎次の死を描くなら、こんな酷い脚本にゴーサインださず、もっと丁寧にしてほしかった。亀山さん、映画化したのは間違いだったのではないでしょうか。
後編で同じことを描くなら二部作にする必要はなかったのでは。日向真奈美とレインボーブリッジの犯人を絡める必要もなかったのでは。
新しいシリーズに期待したいが、とにかく不安でしかない。相当にハードルを下げるしか…。
そういう結末を描きたかったの?
室井さんが信念をもって犯罪被害者加害者の家族を育ててるのは理解できました。
ただ、周りの人たちの行動の背景が、ちょっと汲み取れなかったです。
タカと良い感じだったのに、急に別の男の子になびいてく女の子。
急に万引きしだすリク。
急に現れる暴れる若者たち。
急に音信不通の息子のことを打ち明ける村の人。
急に自分もよそ者だったと打ち明ける村の人。(だったら前編であんな厳しくすんな笑)
急に自供を始める殺人犯。
ずっと母の言葉の影響受けてたのに、急に改心する杏。
室井さんの信念から発する言葉を聞いて皆心変わりしたのかもしれませんが、
それにしてもなぜその言葉が効いたのか、どう効いたのか、もう一つ。。。
それぞれの人物の描きたいシーンをブツ切りに撮って詰め込んだような感じ。
一つ一つを掘り下げるか削るかできたんじゃないかなーと思いました。
それと、リクをしっかり育ててきた室井さんから、簡単に怪しい父親に渡そうとした児相。
首輪なしで遊んでるシーンあったのに、最後急に雪山に逃げ出すシンペイ。
終始変なテンションの警官。
なぜか室井さんのことを解ってます風の若い刑事。
私には彼らの行動の背景が汲み取れませんでした。
室井さんの信念が生き続けていて、
子どもたちが目標をもって強く生きていったり、
新城さんや沖田さんが警察内部で実現しようと動いていたりする流れは良かったと思います。
でも最後別に室井さんを無理やり退場させなくても良かったんじゃないかと思います。
なぜこれで良いと思ったのか...
さも警察を辞めたにも関わらず室井さんが事件に巻き込まれる事が物語のメインストーリーのような予告ですが、違います。巻き込まれますが、さらっと関わるだけです。
基本は里子と室井さんの日常に起きる出来事がメインで、過去に関わりがあった人たちが偶然に関わってくる感じです(新城、緒方、森下、沖田等々)。
結果室井さん死にます。
吹雪の雪山で遭難した犬探しに行って、そのまま死にます。
冗談の様な話ですが、冗談じゃありません。
もう里子引き取ってって設定がいらなかったんじゃないかと思う。
秋田で一人暮らしって設定で良かったんじゃないか。
浅い疑似家族ごっこを延々と見せられても全く面白くない。
落ちのない子供の初恋の話もいらない、結局NTRれて終わり、初恋の相手がとんだビッチだったって事で終わり。
前後編やったわりにまったくキャラの掘り下げがされなかった。
捜査一課の若手刑事と室井さんのバディものにした方が良かった。
4時間近くたったのに良かったシーンは、青島が出てきたエンドロール後の30秒だけ。
踊るはコメディじゃなかったのか??
本当にこんな作品が作りたかったのか??
若者に絡まれて「君等には勝てん!!一緒にお菓子戻そう!!」って言ってました...本当にあなたは室井慎次なのか??
最後に室井さんを落ちぶれさせて終わらせた制作陣は罪深い...
踊る大捜査線が好きだから本当にガッカリした。
ひとりの人間を描いている。
踊るファンとして、昔のノリを期待してしまうが・・・、
今回の2部作は、ひとりの人間を深堀りしたものであり、警察ドラマのノリではない。
賛否が分かれるのも、そこではないかと個人的に思いますが、私はとても、面白かった。
ここまで、人間くさくて、誰にでも温かい室井さんは、本編では描けなかったはず、
結果として「神格化」されてしまった結末は、とても残念ではあったが、
皆の心に「生き続ける者」になったのは、間違いなさそうだ。
映画のあと、敬礼した人も多かったのではなかろうか。
今後もレジェンドは、継続されるようなので、
どういった着地をみせるか、期待したい。
「踊るシリーズ」のファンの期待を裏切る、警察ドラマではなく模擬家族の物語になってしまった。
1997年から2012年にかけて制作されたフジテレビ系列のテレビドラマ及びその劇場版映画作品である『踊る大捜査線』シリーズで柳葉敏郎が演じる人気キャラクター・室井慎次を主人公に描く映画2部作の後編で、『室井慎次 敗れざる者』の続編。
注目は『踊る大捜査線』シリーズの主役である青島俊作が『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』以来12年ぶりに登場することです。
●ストーリー
警察を辞めて故郷の秋田に戻り、事件被害者・加害者家族の支援をしたいという思いから、タカ(齋藤潤)とリク(前山くうが・前山こうが)という2人の少年を引き取り、暮らしていた室井慎次(柳葉敏郎)。
しかし、彼の家のそばで他殺死体が発見され、さらにかつて湾岸署を占拠した猟奇殺人犯・日向真奈美の娘だという少女・日向杏(福本莉子)が現れたことから、穏やかな日常は徐々に変化していきます。かつての同僚であり今は秋田県警察本部長になっていた新城賢太郎(筧利夫)に頼まれ、警視庁刑事部捜査一課の若手刑事・桜章太郎(松下洸平)とともに捜査に協力することになった室井。そんな彼のもとに、服役を経て出所してきたリクの父親柳町明楽(加藤浩次)が訪ねてきます。 室井は明楽からもう二度と息子に暴力はしないという約束を取り付けたうえで、リクを父親の元に一旦は返したのですが…。
●解説
脚本の君塚良一が2022年冬、「とにかく室井を書きたい」と亀山千広プロデューサーに連絡したのがきっかけで動き出した「踊るシリーズ」の新作企画。しかしオファーをかけても、『柳葉=室井慎次』というイメージが強くなりすぎて、俳優業がつまらなくなっていて、できる限りそのイメージを払拭したくて仕事をしてきた柳葉敏郎から、「俺が納得いくような説明をしてくれ」と要求されて、ニベなく断られてしまいます。
しかし2回目の会議では、君塚と亀山の、室井に対する熱い思いをひしひしと感じた柳葉が、当たり役を作り上げてくれた2人に恩返ししなければ、という思い変わって、撮影にこぎ着けることができたそうです。
それでも柳葉の心の内には、室井の姿は今回で見納めにしたいという強い決意があったのでしょう。その意向が強く脚本に反映されて、「踊るシリーズ」のファンにとって驚きの結末を迎えることになりました。
企画がスタートするや、柳葉は「制服やスーツ、コートという鎧を脱ぎ捨てた室井は何か出来るのか、何のために生きるのか。」問いつづけてきたそうなのです。そして室井を演じきることに凄まじい責任感をもって役に当たりました。その意気込みは、本作をご覧になった方なら感じられると思います。そのストイックで、一途な役者精神は、どこか室井と共通するものを感じさせます。
室井は今回で降板となりますが、柳葉が残してくれた本作の演技は、見た人の心の中にずっと『生き続ける者』となることでしょう。
●感想
本作は「踊るシリーズ」のファンの期待を裏切るものとなりました。「踊るシリーズ」の核心は、警察の官僚組織の改革にありました。しかし青島刑事との約束を実現できずに警察を辞めてしまった室井を描いても、もはや警察の官僚組織の改革なんて無理なことは誰にも明らかです。それでも室井がしたためた捜査改革案のレボートが秋田県警察本部長の新城によって評価されて、警察組織に浸透していく予感をさせるということでお茶を濁しているのです。もし君塚さんが、本腰入れて青島刑事との約束の顛末を中心に据えたのなら、警察組織が抱える問題点にもっと肉薄し、事件は現場に落ちているのにそれを無視する実態を鋭くえぐり出していたはずです。
しかし君塚さんは「踊るシリーズ」の核心を回避し、本作の軸を室井が退職後に作り上げた摸擬家族の物語にしてしまったのです。これはこれでいい話に仕上がっているのですが、「踊るシリーズ」の話ではなくなってしまっているところが問題です。
前編で、秋田県警と警視庁の合同捜査態勢が敷かれて、室井の自宅周辺で大規模な捜索が行われた殺人事件も、殺された被害者が、かつてのレインボーブリッジ事件の犯行一味の一人だったという設定からは、室井も捜査に参加して、犯人像と昔の事件との接点に迫る展開が考えられたのに、後編の本作ではほとんど無視されてしまいました。
前編のラストで室井の自宅倉庫が放火されるシーンも、室井一家の身辺に危機が及ぶのかと思いきや、あっさりと犯人が判明し、放火を白状してしまうのです。これでは放火の背後で関与したと思わせる獄中の日向真奈美の魔の手が全く活かされなくなってしまいました。
唯一緊迫感あるシーンは、出獄してきたリクの父親が、室井の自宅を急襲し、乱闘するという顛末くらいです。もはや警察ドラマではなくなってしまったのが、本作の前後編だったのです。
皆さん期待の青島刑事の出演シーンも、エンドロールの後のみの限定されたものになってしまいました。それでも彼らしい登場の仕方なので、ぜひ30年ぶりの再会を楽しまれてください。
●最後に
ついでに秋田犬のシンペイが本作で大活躍します。思わず凄い演技力と唸るシーンも後半出てきます。
終わっちゃった…
ラストはみなさんおっしゃってるように、とても納得できない!!!
どーしても室井さんを踊るシリーズから退場させたかったのかなぁ…
今後の展開に室井さんの死が必要なのだろうか…
と思わざるを得ないラストでした。
村の方々とは後半は打ち解けてで安心はしました。説明不足なとこも多かったですが、まぁ室井さんの人柄が伝わったのでしょう。
子供達にもちゃんと室井さんの信念が届いてたようで、室井さんの意思は生き続けてるようでよかったです。
なんだかなぁ
パトレイバーは踊る〜の教科書ですって本広監督が言ってたから「みんなで幸せになろうよ」的な大団円期待して観たら思ってたのと違う
室井さんのあの最期だけは納得いかない
狭心症の疑いがあるとか…盛大にミスリードして死んでないんかーい!は、the Movieで青島で既にやったけどもう一回やろうよ
なにより里親として子ども達を育てる責任を放棄したように見えるのが1番残念なんだよ
室井さんはあんな無責任な死に方しないよ
タカの成長を見守ってやってよ
リクをダメな親父から守ってよ
杏の洗脳をといて安心させてよ
何も解決してないじゃん
踊るファンとしては和久さんと吉田副総監みたいな関係になってくれると信じてたけど、それは前編で否定されたし警察辞めた以上、青島にあわせる顔が無いのは分かるけど室井さんにはもっと幸せな最期を用意して欲しかったなー
って思ったけど…よく考えたら本広監督エヴァも好きだったわ
庵野さんみたいに俺が観たかったラストはコレジャナイと思わせるのはなんだかなぁ
悪くないのに
飽きることなく最後まで見れる作品だが、フジテレビ系制作のせいか、北の国からの秋田バージョンに感じるポイントがたくさん。
エンディングで松山千春の歌声が聞こえてきてお腹いっぱい。
踊る大捜査線とは関係ないものだと思って見てもいいぐらい過去の室井慎次らしさは何もない。
【きたのくにから】に『あ』をつけた
【あきたのくにから】だと思って前編後編を観ると感動作品です
ガッカリすることも驚くことも裏切られることもない
うーん‥
前編はまさに(北‥国‥!)
踊るメンバーがちょいちょい出てくる懐かしさと、子役の演技の素晴らしさ‥少しずつ変わっていく室井さんの心情が胸を打ちます。が、話はほとんど進まなくて序章で終わりました。
さて、後編ではいろんな謎が解き明かされる、と期待していたのですが、結局美しい風景と子役の演技に感動、で終わりました‥
えっ死なせる必要ありました?犬自分で帰って来られるでしょ?身体悪いのに無理する必要ある?子供達預かったのに無責任すぎるでしょ!映画館でなければ叫んでましたね。
青島くんと共演する夢も絶たれてしまいました。残念です。
タイトルなし(ネタバレ)
「敗れざる者」とセットで、あくまで個人的な点を付けました。なんとなくは見れるので、星1はあったのだろうと思いました。あとは、私には合わなかったみたいです。
なので、以下に書くのは、あくまで「合うか合わないか」の話だと思っていただいて大丈夫です。
1 キャラクターがアイコンっぽい
生きてきたから出るはずの厚みが見えなくて、まるで「こういう仕事やこういう年代、こういう場所の人たちはこういうことを考えて、こういうことを言ったりやったりするだろうな」というレッテルの元で作られている台詞や行動ばかりに見えました。「敗れざる者」の女性弁護士の倫理観ゼロの発言とか、スマホを手にした若者(主に子ども側)の発言や行動(映し方が悪意あるように見えただけかも知れませんが)とか、商店で急にキレだして警察事みたいな暴れ方をし出す若者とか、近隣住民の描き方とかが主です。
私は、見ていくうちに恐らくこの映画は内容的に人間ドラマなんだろうと思っていたので、その人間の描き方がステレオタイプのラベリングだらけだと、「人間」を描きたいのではないのかな? と疑問を持ってしまい、何を感じて良いのか分からなくなってしまいました。
2 まとまりがないっぽい
「敗れざる者」を見た時に、死体遺棄事件のことや、アンのことなど、過去の事件が室井を追い掛けてきている印象で、実際に予告映像もそれらのことをピックアップしたものになっていたように感じていたため、それらの事柄が折り重なって一つに収束していくのかな、と勝手に思っていました。しかし、実際はそのどれもが物語の中心になっていく感じがせず、室井さんの言葉に絆されていくかたちで収束していきます(「敗れざる者」のタカとその実母を殺した犯人との面会シーンにも同じようなことがありました。)。犯人その者は東京の警察が勝手に捕まえてくれるし、室井さんが告げることは本件と無関係の説教だし、アンは自分から告白し出すし、その程度で済ませることだったのにどうして妙に謎めかして時間を引っ張ったのかな、メインっぽい予告にしたのかな、と疑問に思ってしまいました。
その他、里子たちのエピソード(タカの過去や恋愛事情とか、リクの過去や不登校とか)も、まるで無理やり詰め込んだ印象があって、映画として見るにはダイジェスト感が多いように感じました。実際、最初はBSでドラマ化する予定だったらしいので、その名残かな、とも思いましたが、だとしたら個人的には「映画」と「ドラマ」を構成する側が判断して作るはずではないかな? と疑問に思いました。
3 人間に対する見方・考え方が合わないっぽい
上記1、2にも共通する話題かもしれませんが、説教一つで人間が改心することが多過ぎる印象を受けました。「敗れざる者」でタカとその実母を殺した犯人が対面する場面で、いい大人が高校生男子に「お前たちはみんなこんなもんだ。」みたいな説教を一回されただけで自白し出すとか、今回のメインだと思われたレインボーブリッジ事件周りの死体遺棄事件の面会でも、今回が初対面であるはずの室井が、本件とは無関係の倫理観を教えただけで、懲りずに犯罪に手を染めていた殺人犯が自白し出す(もしこれと説教が関係なかったら、いよいよ映画的に無意味なシーンになると個人的に感じたので、多分説教が効いたということで考えています。)とか、個人的にはあり得ないな、と感じてしまいました。他人からの説教一つで善くなるなら、これまで何度も誰かの良い言葉に触れているはずですし、その人間が犯罪をするにも、それなりの人生の積み重ねと葛藤、正当化があっただろうと思うためです。
アンなんて、あの日向真奈美を母親に持ち、超複雑な人生を生きてきた結果、ほぼ洗脳状態で今の彼女ができたはずなのに、どうしてこの短期間でそこまで変われるのか理解できませんでした。
同様に、商店を荒らしていて、室井にも襲い掛かったチンピラが、「棚を戻そう」としか言わない室井に言われた後で改心したのも良く分からなくて、「それで更生するなら矯正施設はいらないよな」と思いましたし、何より、あの発言のどこに改心するポイントがあったのかが分かりませんでした。
私は個人的に、言葉が重くなるのは、その人の人生の厚みによるものだと思うからです。現代日本の20代が戦争を語るのと、戦争当時10代を生きたご年配の方々が戦争を語るのでは、その重さがまったく違うのと同じだと思っています。室井さんに言葉の重さがないとは思わないのですが、室井さんはただでさえ言葉で生き方を示せない不器用さが良くも悪くも特徴だと思うので、もっと行動で示してくれると良かったように思いました。「映っていないところで行動に移していたはず。もっと想像しろ」というのでは、観客に甘えすぎのようにも思えてしまいました。
4 倫理観が合わないっぽい
タカが恋している女子高生が、彼から身の上を聞かされた際に放った「お母さん天国に行けてないんだね」発言は、狂気的だなと感じてしまいましたが、その後で感動的に思える音楽を流す構成が一番よく分からなかったです。また、リクが同級生にやり返したことを褒める室井さんにも、低学年の子供に暴力の応酬を肯定してしまうんだな、と異質な感覚を覚えました。室井さんが警察官だったから尚更そう思いましたし、そういう心情の機微にも敏い印象があったので余計に変だな、と感じてしまいました。伝えたいことがそういうことじゃないのなら、余計、伝え方には気を配るべきなのではないかな、とも思いました。
一番は、室井さんがアンに銃を撃たせた後の件です。「銃は人を守るためのものだ。」と室井さんは言っていましたので、恐らく、どんなものでも使いよう、という道徳的な話かも知れませんが、個人的には、何をどう取り繕っても銃は殺傷能力の高い凶器であり、怖いものに変わりはないだろうということと感じてしまいましたし、その理屈では「守るために殺す」という屁理屈に対抗できないのではないか、と疑問を持ってしまいました。
あとサブキャラにも水の合わなさは感じました。例えば、キャラ立ちの為とはいえ、交番勤務の乃木が知っておくべき手続きを知らないことに一切恥ずかしさもなさそうにギャグで乗り切ろうとしているのは、天然でもわざとでも普通に職業倫理的に大丈夫なのかな、と思いました。次に、児童相談所の方々は、実際がどうかは分かりませんが、加藤浩次さん演じる出所してきた実父のもとに、どうして何の疑問もなく返せるのか理解できませんでした。元犯罪者だからではなく、明らかにリクを虐待しており、実父本人の性格的特性や生活状況等を鑑みても、帰住先として相応しくない、と普通は疑問に抱くのが人情ではないのかな、と思いました。上記にも書いたように、それが行政上の取り決めなら結果は仕方ないとしても、せめて葛藤がなかったのか。もしかすると、「血縁の強さは本当の絆なのか?」というテーマを描きたかったのかも知れませんが、それ以前に、キャラクターに葛藤がなければ人間ドラマは成立しないと個人的には思いまして、結果、観ている私は何をどう見て良いのか、良く分からなくなってしまいました。
5 構成に対する考え方が合わないっぽい
上記4でも書きましたが、音楽でその場面を意図的に構成側の持っていきたい方向に持っていこうとしている気がしてなりませんでした。これがダイナミックなアクションものとかなら、正直、人間味とかは求めていないので、視覚的に刺激的なら音楽はある程度受け入れられるのですが、個人的にこの映画はアクションも特になく、サスペンス性も薄く、ミステリー要素も大して取り入れていないのだろうと思った結果、人間ドラマだと思っているので、音楽を多用するよりも無音で登場人物の発言や所作で心情やテーマを発信した方が重厚感が増すのではないかな、と感じてしまいました。個人的に、人間ドラマは人間の在り様を描くものであって、構成側の意図を音楽などで操作的に示すものにすると一気に軽くなると考えるからです。
あと、物語構成でも合わないなと思うところはありました。室井さんが雪山で死んだと思われる際に流れた救助隊の無線で、「犬が離れない」ことを矢鱈泣きながら言っているシーンがあって、これも個人的に過剰だし、そのことを強調する暇があったらもっと状況を報告するのが仕事ではないかな、とか思いました。しかも、その後でボロボロになって犬が戻ってきたことを見ると、「もしかしてあの後、保護もしなかったのか? そこまで室井さんから離れなかった犬なのに放置したのかな? というか、ここで離れなかったのならどうして銃声で逃げ出したのかな? 銃声ならアンのところで聞いてるよね? それ以前にほぼ放し飼いで問題のない賢い犬のはずなのに、どうしてそんなににげちゃったのかな?」と余計なことまで邪推してしまい、どうにも、室井さんを殺すためだけに無理やり用意されたシーンに思えてしまいました。
以上です。長々と合わない点ばかり書きましたが、演じている方々は皆さんとても素晴らしく、子役の方も含めて見応えがありました。それに、テーマも私なりに、室井さんをとおして「繋がりの大切さ」とか、「本当に意味で生き続けるとは何か」などについて描いていると受け止めること自体はできましたので、実はそこまで「時間の無駄だった」とまでは思っていません。ただ、個人的には「何も考えず、仕事帰りにふと思い出して観てみるくらい」でも良いのかな、と思いました。
読んでくださった方、長文失礼しました。ご拝読、ありがとうございました。
室井さんを退場させるには…
秋田の綺麗な風景
高校生日記(初恋と失恋)
中々無理矢理な女の子の立ち直り
本当の児童相談所?ガバガバ判定で子供
渡してしまうん?
カトー
シンペイに害をなしたお前だけは許さない!!
ココロに斧を構えたままで
エンディング
松山千春を使うとは、泣かしにきてる。
シンペイ賢いのに山奥まで逃げるわけない。
死に方にしてもあれは無い。
春になってから畑仕事中に心臓押さえて倒れるとか…救急車に乗せられて暗転からED
夜、表の椅子に座って晩酌中に、
リクくんがひざ掛けを掛けて家の中に
戻って行って家族の笑い声を聴きながら暗転ED
ありきたりでも、幸せな空間で亡くなって欲しかった。
タカくんの初恋相手が卒業後、東京で酷い目にあって大学生か警察学校に行っているタカくんと再会とか、まだまだ続くのでしょう。
カトーお前は許さない…
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