室井慎次 生き続ける者のレビュー・感想・評価
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こんな映画悪い意味で初めて。
いやー、参った。
ここまで前編見た人間の気持ちを蔑ろにしてくれるとはね。逆に清々しいわ。
最後に胸糞サプライズとファン向けサプライズがありますが、一応それは伏せときます。
思いつくまま書いていきますので乱文失礼します。
まあそのサプライズが一番のダメダメポイントなのですが…
まず、大きな事件は起きません。
前編に引き続きほぼずーっと室井さんと里子たちの話をスローなテンポで見させられます。
それ前編で飽きるほど見たよって話を何度も何度もリピートします。
里子長男の失恋話の脈絡のなさには唖然とした。
前編から続く彼女の無神経さがフリだったのかもしれないが、やっぱ東京いくね!と言い間髪入れず男と楽しげに話す姿はもはやサイコパス。
そして村人との関係。これも和解が突然過ぎる。
脚本的には里子長男が室井さんの想いみたいなものを村の人に話すシーンがキッカケなんだろうけど雑すぎ。
それ以降はまるで人が変わったように協力的になり、室井さんが聞いてもいないのに過去の話をしたりする。
つまり前編のはフリでもなんでもなく、ただの嫌がらせ…
そして事件。これがマジで意味不明。
簡単に解決しすぎなのは一億歩譲って良いとして、端折り過ぎだし犯人の動機すら僕の記憶では語られていないはず。
で、捕まったあとに室井さんが会いに行ったかと思えば人情に訴えかけて自白を促すだけ。
前回意味ありげな極楽加藤さんは、陸を引き取ったがやっぱり暴力振るって戻ってきただけ。
一応加藤さんが室井家を襲撃するのがクライマックスだが、それ自体にはなんのハラハラも無し。
総じて、都合のいいようにキャラクターを動かしすぎて冷める。
室井さんが行く先々でトラブルに見舞われたり良いことっぽいことをを言われたり。。
室井映画は以前の容疑者室井慎次もそうでしたが、あれは1本だし次があるとわかってたから許せた。
今回に次はない。なぜ無いかは胸糞サプライズのせい。もういいや言っちゃお、室井さん死にます。
あーマジで何してくれてんの?
こんな何もない無味乾燥な映画でこんだけ温めたキャラクターを死なせていいのか???
死なせるなと言ってるんじゃないんですよ。
それなりの舞台を用意したうえで、でしょうよ。
たしかにメタ的に見れば二部作で映画も用意したんだから納得できなくはないが、内容がお粗末すぎて今まで作り上げてきたキャラクターに申し訳ないと思わないのか?
前後編合わせ4時間中3時間半以上をスローな里子の話に使って何がしたい!?それが踊るを始めたときに室井というキャラで表現したかったことか?
パトレイバーが好きなんじゃないのかよ。
後藤隊長がこんな結末で納得出来るのか、よく考えてください。
本当にちゃんとしたホームドラマをしたいんなら、直近で言うなら今放送中の「ライオンの隠れ家」というドラマを観てください。
子供との向き合い方の脚本の質が全然違います。
踊る関係なく、泣ける映画、良い話
前作から続けて先行上映で鑑賞。
人を疑う仕事をしていた室井さん。
今は、人を信じる室井さん。
何があっても信じて待つって簡単にできることじゃない、子供に対しても、本当の親ですら難しいのに…
特に杏ちゃんに対しての室井さんの行動(猟銃の金庫の暗証番号をみせる、放火を知っても何も言わない+前作からの不穏な行動に対しても)
終始とても、良い演出だなぁと思いました
杏ちゃんも、猟銃を手にして『こわい』という感情を抱くことができる所に安堵。そんな純粋な部分、犯罪者の娘だからと最初から決めつけていない所も良かった。
信じて暗証番号みせたから、結果的に猟銃で助けることができた。室井さんが信じ続けた事で、家族になれた。
恐怖だったけど、家族を『守るもの』として使ったところ、すごく良かった!
最期まで家族を守る形で終わった室井さん。元凶はお父さんだけど、リクが戻ってきたのも元を辿れば室井さんの愛情、過ごした時間。しんぺいが側を離れず見守られたのも、全部必然だなぁと、納得感というか妥当な終わり方でした。
(長年ファンの方は分からないけど、筆者は古参踊る熱烈ファンでは無かったので 1作品として感動できる満足感あり)
家族って素晴らしい、大切な人と過ごす時間を噛み締めて毎日を生きようと思える作品でした👌🏾
真の、新たなる希望。
前作『敗れざる者』は『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』からの12年間の人生が詰まってた。そのときのモヤモヤが解消され、みなの人生が詰まっていて、個人的には腑に落ちた。
今作は前作よりも、人間を描いていたのではないだろうか。
予想よりも、警察描写は少なく、秋田県警内での事件はあっさりと幕を閉じた。
その部分は、往年の「警察ドラマの踊るらしさ」としては少なく感じる方もいるだろう。
まあ、犯人のアジトに突入する際、銃器対策部隊?的な部隊が突入。大袈裟に感じるかもしれないが、18年前に、拳銃で捜査員(すみれ)が撃たれているのだし、殺人事件も起こしていることから、あそこまでの準備はするのではないだろうか。
現実の世界での特殊詐欺も結構凶悪だし。時代性もあって良いかと。
しかし、前作から登場した地域に住むものたちの設定回収は上手かったと思う。
リーダー等、組織論なこと。
他人の幸せを羨ましくなる人間性。
排他主義。
この辺も上手かった。
日向真奈美も、どこかで一般的な日常を望んでいたのかな、と思った。
そう思うと、結構寂しい人だな、と。
室井さんがシンペイを探すあたりから、結末が見えていて涙が流れた。
本編中で一度もセリフで語られない「死」。
しかし、描写だけで何が起きたのか、
今後、みんなは室井さんの想いをどうやって背負っていくのか。
すべて悟られていて、納得した。
シリーズ全体で描いていた「健康診断」の大切さの凄まじいオチだと思う。
秋田県警で「青島と室井の約束」「和久さんと吉田副総監の想い」のモデルケースをつくるという流れも、かなり地に足ついた流れだと思う。新城秋田県警本部長と沖田警察庁官房審議官なら、実現できると思う。
そして、すみれさん。後遺症に苦しんでいるけど、生きていてよかった。
やっぱり、警察辞めてたんだね。それも人生。
●子どもたちについて
高校生組二人の成長もよかった。
今後、タカが国家公務員I類として警察庁に入庁して、シリーズとして次のフェーズとして受け継がれる流れも期待できる。
年齢的に和久さんのポストになるであろう青島とのタッグも悪くない。
杏も、途中から母性の一面も見られ、児童関係の仕事や、お母さんのように医療の道に進んで“きちんと人の健康を守る仕事”についてもおかしくないなと思った。
なにより「猟奇性が遺伝する」みたいなキャラクターにならなくてよかった。
リクの物語も、里親の難しさ、歯痒さも描かれていて、
初対面のとき、ナマハゲですぐ心を開くものか?と感じたりもしたが、子どもって、結構直感で「いいオトナ、悪いオトナ」を見分けるチカラがあるから、意外と自然なんだろうと思う。あのときだけ、室井さんからギバちゃんだったな。
●次章?
そして、ポストクレジットシーン。
なんとなく想定内だったし、エンディングで記載されていた、本編で使用された記憶のないサントラ。
あ、こういうことか、そうだよね、と思ったし、感極まった。
ここでシリーズが終わってもいいし、次も期待できる。
『踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!』のときに、「新・踊る大捜査線」と言われていたが、あれはオトナの都合をすごく感じていた、実は。もちろん、好きだけどね。
でも新作2部作は、亀山さんはじめ、製作陣が本当に描きたかったものを製作できたのではないだろうか??
シリーズが大きくなるにつれて、物語が大風呂敷になっていったが、やっぱり「踊る大捜査線シリーズ」は人間の物語、社会性あるドラマだと思うから。「刑事って地味ね」、そう地味なところ(事件とかではないってこと)にフォーカスした面白さが「踊る」なんだと思う。
いろいろ言い分が出てくる映画だとは思うし、中途半端だったり、整合性が取れないところもあると思う。最初のプロットとは変更になった部分、変えた部分、変えざるを得なかった部分があるだろうし。
そもそも、室井慎次が12年前のあと、どういう選択をしたか、どう生きたか、を描きたかったわけだから、これは室井さんの物語。時間的に、少し中途半端になったりするのは仕方がない事なんのかな、と思う。
これが最善なんじゃないかと。
たぶんね、本格的なヒューマンドラマを作ろうとしたら、つくれたと思うの。だけど、そうしたら、踊るぽくないって言われるわけじゃん。まあ、踊るのキャラクターが出る時点で自分は「踊る」だって思っているけど。
うーん、ヒット作って難しい。
それぞれの正しさがあるわけだし…。
でも、本作は、個人的にシリーズ全体を通して、腑に落ちる展開だった。
ありがとう、室井さん。
続編、完璧すぎるだろ。期待を遥かに超えた。
こんなにも静かに1ミリも無駄なく面白い映画はあっただろうか。生き様と人を信じて育てるって事、そして感動。
こんなに素晴らしい映画を有難う。ただ、ただ、そう言いたい。室井さん、あんた凄いよ。こんな男に生まれたら格好いいだろな。
余談、泣けた数々。
りくを抱きしめたシーン
りくを見送ったシーン
杏を抱きしめたシーン
ワンコが帰ってきたシーン(笑)
あの時、ワンコがやられると思って心臓止まるかと思った。
そして、松山千春さんの主題歌
あれはズルい。エンドロールまで無駄なく完璧かよ‼️
映像で語る続きと。
一気に北の国からがフラッシュバック。と、それを超えてた感。
今年1番素晴らしい映画でした。
本当にありがとうございました。
素晴らしい脚本を、映画を。
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