「踊るファンへの冒涜」室井慎次 生き続ける者 mirageさんの映画レビュー(感想・評価)
踊るファンへの冒涜
踊る大捜査線を初めて観たのは小学生の頃。
リアルタイムでドラマを観ていて、子供ながらにワクワクしていた。
シリーズが続いてもその気持ちは変わらず、映画が出る度に映画館に足を運び、FINALが公開された時は本編のタイトルバックが流れただけで“これで本当に終わっちゃうんだ”という思いで泣いた。
それから更に時が経ち、今年に入り踊るプロジェクト再開のニュース。耳にした時はとても嬉しかったし、とにかく公開が楽しみだった!
それなのに。。。
はっきり言ってこの展開はあり得ない。
室井さん死んじゃうのは絶対違う。
死ぬにしてもこの亡くなり方だけは絶対違う。
踊る大捜査線ってTVシリーズで青島と室井さんが時にぶつかりながら丁寧に築き上げてきた信頼・約束・絆が根幹にあって、彼らの役職や立場が変わってもそれがブレずに時折垣間見えるから面白いし素晴らしいと思える。
だから、「室井さん、オレはあんたを信じる」や「あいつの背中を見てろ」と言った胸熱シーンが生まれるし、ファンもそういったシーンを観たい。
けど、室井さんを退場させちゃったらそういったやり取りを見る事は二度とない。
例えどんなにシリーズが続こうがベンチで肩を並べて座る青島と室井さんを観ることは叶わないし、青島との絆を感じるシーンもお目にかかれない。
それはシリーズのファンから楽しみを奪ったと言っても過言ではないと思う。
何年もかけて繋いできた物語なのにこれではあんまりでしょ。みんなの演技は素晴らしいのに、ストーリーが酷いとしか言いようがない。
君塚さん、本広監督、亀山Pは踊るシリーズをずっと近くで描いてきたのにこれで良しと思ってるのだろうか?ドラマや映画において登場人物の命を捨てるということはある意味見せ場とも言えるけれど、この使い方はあまりにも雑。これではお金目当ての為に無理矢理作品を作ったとか言われても仕方がない。収益の為にファンがフジテレビに踊らされてるみたいだ。
ただただ残念で失望した。
FINALで華々しく終わるべきだった。