「疑似家族」室井慎次 生き続ける者 またぞうさんの映画レビュー(感想・評価)
疑似家族
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過去作を引きずった謎解きも一要素ではあるが、前章につづいて物語の中心線ははっきりと、「室井と預かっている(+乱入してきた)子供たちがなす疑似家族の在り方」である。ドラマチックにしようと思えば加藤浩次や小泉今日子の線をもっと深く掘ることもできたであろうが、そこが導線にすぎなかったところはある意味残念でもあるが、今回はそちらに流れずムロイズムに絞って正解だったと思う。前章でマイナスだった点のいくつかは本作で個人的には納得を得るところもあった。いずれにしても、ロジックがどうであろうと、心が揺さぶられたことは事実である。あの子が警察になるまでレジェンドは続くだろうか。
しかし前章への宇多丸さんのあまりの酷評には残念ながら同意できない点も多かった。もちろん脚本や演出のマイナス点はいろいろと頷くところが多々あったが、結論としては俺の見ている映画と違うスクリーンを見ているんだな、と当たり前のことを改めて思った次第である。
追記:売店のおばさん(おばあさん?)にいしだあゆみ。「ブルーライトヨコハマ」、「日本沈没」、「北の国から」の五郎さんの元妻、工藤栄一の「野獣刑事」。年とともにかつてのヒロインが老人を演じる世代になってきたなあと、飯島直子も併せてそんな感慨も。
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