「亀山X君塚 脅威の自己満足」室井慎次 生き続ける者 ジョリーさんの映画レビュー(感想・評価)
亀山X君塚 脅威の自己満足
いくらなんでも前後編に分けてまで劇場公開するような内容ではないのでは、、、
前編で意味ありげに映された凛久の父(加藤浩次)の手の火傷。「息子に暴力を振るっていたと思いきや、実は他の誰かによる暴力から息子を守るために負った火傷なのか?」なんていう思わせぶりなシーンでしたが、結局ストレートに暴力親父でした。
室井さんが国見(マギー)に接見し説教を始めますが、途中ゆーっくりと桜(松下洸平)のほうに視線を向け、国見と会話しつつもまるで桜に対してのメッセージであるかのような言い方をし、桜自身も複雑な表情を見せるという演出がなされます。「もしかすると桜も何か事件に関係しているのか?」などと感じさせられてしまうのですが、そんな事は全くありませんでした。
また、一連の出来事は実は全て日向真奈美(小泉今日子)が室井さんに対して仕向けたことだという流れ、あくまで桜の推理というレベルでしかもセリフで説明されるだけで終わりなので、観てるこちらは「なんじゃそら」としか思えません。
そもそも作り手の方々は、踊るシリーズにおける日向真奈美という犯人の神通力みたいなものを信用し過ぎなのでは。そんな何度も出てこられてもいい加減冷めます。ファンサイトができるくらいカリスマティックな犯人でしょうか、あの人。
そんな思わせぶりな無駄演出や「こういう展開にしたいから」という結論ありきの話運びが随所に出てくるだけでなく、前編にて「そんな訳ないだろう」というくらい室井さんに冷たかった地元住民や嘘みたいな不良少年、さらには杏(福本莉子)に至るまで、ありとあらゆる人たちがなぜか勝手に「良い人」になっていくし、その後の遭難展開のために室井さんは凛久の父に愛犬を掴まれて外に放り出されても何も言わないし、あれだけ静かな演出で進んできた映画が「大勢の大人がせっせと動くシーンをスローで見せてバックに無線の音声を飛び交わさせる」という、過去の踊るで何度も見たことのある本広演出が取って付けたかのように最後に急に放り込まれてとても違和感だし、もう鑑賞中は気になる事だらけで感動などしている暇もありません。
無線といえば、最後の無線の声は小野賢章さんですよね?クレジットにも名前がありましたし。あの声だけやたら演技かかっててとても浮いていました。ただの小野さんの無駄遣いです。「犬が離れません!」って2回繰り返されても、「この人は犬が怖くて近付けないのかな?」と思ってしまいました。
ポストクレジットは、MCU的なサプライズをやりたかったのでしょうか。確かに、織田氏のスター性は凄いと思います。アーミーコートが振り向いたときにはさすがに声が出ました。が、それであれば尚のこと室井さんを殺さなくても良かったのでは。無論、ギバ氏はもう演りたくはないでしょうから、最後に室井さんに死を向かえさせることでケリをつけたのは分からんでもないですが、だったらもう踊る自体やらなければいいのに。
亀山千広と君塚良一の自己満足に付き合わされるだけの前後編。計4,000円を払って受けるハラスメントでした。ドラマに夢中になった学生時代は一体何だったんだろう…
そうか、何でもかんでもハラスメントだらけで、メチャクチャ住みにくい世の中になったんだから、何でもかんでもハラスメントで訴えても、罰は当たりませんよね(笑)
もし、勝訴できたら、私めも踊る〜とは違いますが、頭痛を催した作品を作ったあの監督を訴えるので、教えてください😁