劇場公開日 2024年5月31日

  • 予告編を見る

「R18の中ではまだ安心して見られるほう」FARANG ファラン yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0R18の中ではまだ安心して見られるほう

2024年6月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

今年203本目(合計1,295本目/今月(2024年6月度)3本目)。
(前の作品 「マッドマックス フュリオサ」→この作品「ファラン」→次の作品「からかい上手の高木さん」)

 まずこの映画はフランス映画なので、例の?というか、あの形容しがたい不思議な旋律で登場するCANAL+の表示。フランス映画かな…と思ってみていると…。

 確かにフランスが最初舞台なのですが、物語前半からすぐタイに飛んでしまいます。タイに行った理由についてはここのサイトにも書かれていますが、タイにいっても過去を清算することができない彼が待っている結末とは…といった趣旨の映画です。R18で、ややアダルトかな(PG12レベル)と、流血などの表現(R15レベル)が数え役満みたいな状況で、R18単体で…というほどそれほどそうか?というようには思いませんでした。人によってかわる部分もありますね。

 主人公はタイ編において「ある場所」に向かいます。そこは工場ですが、そこで作られている「工場」は、日本も決して無関係なものではないものです(いわゆる児童の強制労働)。この映画はその問題提起を描くものではないですが、悪役がそれに手を染めていることを明示することで「それはいけませんよ」ということを間接的に指ししめした点は大きかったのでは、と思います。

 採点に関しては以下を考慮しました。
なお、R18という映画ですので、その部分については(それを濫用したなどの事情がない限り)採点除外の扱いです。

 -----------------------------------------------------------------------
 (減点0.2/タイで土地を買う買わないの話)

 フランスからやってきた主人公ですが、フランスは土地の売買は、当事者では有効でも第三者に対抗するには登記しろ、です(日本も同じ。日本では177条)。一方、これとは違い「当事者であっても登記しろ」はドイツ、韓国がこれにあたります。タイはというと「書面によってなされた契約書を添付の上当事者間であっても登記しろ」で、出身国のフランスとは実は扱いが違います。

 この点、フランス映画として見るなら、フランス民法のその規定(日本民法177条相当)は常識ですが、そのあとの土地の売り買いの話が若干躓く部分が出てきますので(前提として頭の中に入っている「マインドセット」の話)、ここは何か入れておくべきだったのかな、とは思います。
 -----------------------------------------------------------------------

yukispica