「自分が孤独なのだと知る」HOW TO HAVE SEX shironさんの映画レビュー(感想・評価)
自分が孤独なのだと知る
大人になるって?
しっかり自分が孤独なのだと理解することなのかも。
テンションが上がりっぱなしで、何を見ても笑える。
はるか昔に身に覚えが…
もちろんこんなに派手なパーティーに参加したことは無いですが。笑
女子旅のローカル線のホームで、フトしたことから笑いが止まらず、
「ほら電車に乗るから、もう笑わないの!」と言いながら、笑いを止めようとすればするほど笑えてきて、自分がコントロールできない。
もはや何が面白いのかもわからないのに笑えてくる。
まさに「箸が転がっても笑う年頃」
そんな楽しい旅行で少女たちは大人になってゆく。
仲良し。いつも一緒。同じ気持ち。それが友達だと思っていたけれど、
“バージンはヤバイ”って誰が決めたの?
嫌われたくない。仲間外れにされたくない一心で無理して合わせていたのかも?
この先はいつも一緒ではいられない、それぞれ別々の未来が待っているし
共通の価値観にもズレが出てくる。
あなたと私は別の人間なのだ。
どの登場人物にも多かれ少なかれ心当たりがあると思わせる、心理の切り取り方が素晴らしい。
当事者だったころ、いわゆる“青春映画”が嫌いでした。
どれもこれも大人目線で、バカ騒ぎを“若気の至り”的にコミカルに描いたり、ノスタルジックに美化してんじゃねーよ!なんてムカついてました。
今ではすっかり大人になってしまって、
挫折、悩み、成長、どれも尊くてキラキラして見える…まんまと自分が嫌っていた大人に仕上がってしまった。
今から思うと、当時の私は映画から“何者でもない自分”を突きつけられるようで嫌だったのかも?
この映画で描かれる痛みと孤独は、決してそんなノスタルジーで片付けられるものではなく、とても生々しく新鮮でした。
この映画を見て当事者の年代はどう感じるのだろうか?