劇場公開日 2025年2月14日

聖なるイチジクの種のレビュー・感想・評価

全106件中、41~60件目を表示

3.5家父長制の成れの果て

2025年2月26日
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鑑賞方法:映画館

イランで暮らす一組の家族に起きた、ある事件。それは社会背景だったり、父の昇進だったり、これまでの家族生活の積み重ねだったり、信仰であったり。様々な要因が絡み合っての結末だったのかな…辛い。

日本でも少し前まで当たり前だった“父親が絶対”という家族の価値観。本作の母親は、画面に映っている間、ずっと働いているのが強烈に印象に残っています。朝から晩まで家事をして、子どもの世話をして、旦那さんの帰りを待ってから寝る。特に感謝もされず、当たり前のこととして受け取られる。個人的にはこの母親に一番感情移入が出来たと同時に、胸が苦しくなりました。
一方で娘2人は、とにかくもう…いい加減にしてくれ…とずっと思っていた…。特にお姉ちゃん…。

物凄い覚悟をもって制作された本作、色々考えさせられると同時に、イランの現状や文化を知る機会になりました。

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まだまだぼのぼの

4.0熱い思いが込められた映画

2025年2月26日
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鑑賞方法:映画館

怖い

知的

イランのある抗議行動とその弾圧を背景に崩壊していく家族を追った物語
音楽を使わずじっくり見せていくスタイルだから途中ウトウトしたけど、挿入される実際の映像には震え上がった
クライマックスはハラハラして最後はね・・・笑
撮影直後に亡命した監督の熱い思いが込められた映画

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NOSTOS3

4.0絞め殺しの木

2025年2月26日
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鑑賞方法:映画館

私は好きな髪型や髪色にして、好きな色に爪を塗る自由を生まれたときからもっている。髪を布で隠すことを強要されたこともないし、髪を隠さなかったからといって殺される恐怖を味わったこともない。
映画の中でうつしだされる、作りものではないスマホ動画をみるのはとてもつらかったが、同時に、彼女たちのリアルな痛みを生まれたときから自由をもつ私は真に理解することなどできないのだろうな、とも思った。
高校生のとき、カラオケで「好きな服を着てるだけ 悪いことしてないよ」と屈託なく歌えていたことがどれだけ贅沢だったか。

一見おとうさんの機嫌をとることだけに終始しているおかあさんが、平和で円満な家庭の維持にどれだけ腐心していたか、それを思うととてもやるせない。

映画の冒頭で、イチジクは他の木に巻きついて養分を吸い上げる宿木みたいな説明があったので、少し検索してみたら『絞め殺しの木』とでてきて、ちょっと暗澹たる気持ちになりました。

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kikisava

4.0神とはなんぞや?

2025年2月25日
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約3時間たしかにあっという間だった

というか前半と後半で展開が変わる感じ

いつ銃が無くなるんだと思ってたら

そういう展開になっていくのね!

読めそうで読めない感じ
ミスリードか?と思わせる演出は上手い!

ただ、サスペンス映画としてだけ観ちゃうと割と王道タイプ

それよりも

"神に取り憑かれた"人の恐ろしさがよく分かる

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創

5.0たかがヒジャブで命を落とす無念が今も

2025年2月24日
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鑑賞方法:映画館

笑える

 イランの政権から目を付けられ、それこそ命懸けで映画制作を続けるモハマド・ラスロフ監督が本作で取り上げるのは、たかか布切れ一枚で、家庭がズタズタに切り裂かれる現実を寓意的に描く。イスラムでは必須の要求で当たり前かもしれませんが、本作のセリフにも「ヒジャブ着けないだけであり得ない・・・」のセリフが登場するから、私の感覚も違ってはいない。

 直接的には2022年9月19日のニュースに基づく。イランの首都テヘランで、マサ・アミニさん(22)は13日、頭髪を覆うスカーフを適切に着けていなかったとして道徳警察に逮捕された。目撃者によると、アミニさんは警察車両の中で殴られ、その後、意識不明に陥り、アミニさんは16日に亡くなった。この事件がきっかけで、実際に抗議行動が起きるも、徹底的に弾圧される。まさにこの抗議の模様の実際映像が本作にも挿入される。頭を撃ち抜かれた死体がそのまま画面に登場する衝撃。マサさんの面影もそのまま映し出される。

 この悲劇が本作の中で取り入れられ、テレビ映像も当時のものをそのまま使い、登場人物が不安にかられる描写がポイント。道徳警察による検挙を受けて、反政府デモ逮捕者に不当な刑罰を下すための国家の下働きをするのが公僕が本作の主役。禿げ頭なれど実直で、昇進も順当で大理石をふんだんに使用したコンドミニアムに何不自由なく住む。絵にかいたような妻と2人の美しい娘の4人の家庭が舞台となる。現状の暮らしを維持するためには国民の反感をかう政権に寄り添うしかない。当然に彼の仕事柄、活動家達から個人攻撃の対象となってしまう。これが本作のシチュエーション。その上で、役所から護身用の銃を貸与されるも、それが忽然となくなって・・さあ大変ってお話。

 イランの政治をウィキから引用すると、憲法では同時にイスラム教シーア派を国教と定め、キリスト教・ユダヤ教・ゾロアスター教の市民は被選挙権などを一部制限される二級市民として、バハイ教徒・無神論者などは、国内での生活自体を認められていない。政治と宗教が相いれない原則をつくづく思い知る。女性に対する制約もまた、私達の理解を超えた理不尽の域。本作は、それらを糾弾するのではなく、国家の仕組みを一家4人の関係性に落とし込んで描き、世界に知ってもらうのが役割。

 急進的な思想に染まる2人の娘を非難しつつも、母として2人を包み込む包容力で理不尽をのみ込む母親が素晴らしい。法律だ宗教だの前に根源的な産みの母が最優先なのは、当然。父親の仕事は政権に近いため娘達にも何をしいてるのか秘密って凄さ。そうこうするうちに抗議デモに参加した娘の友人が血まみれとなって家に運び込まれ、国家の縮図が家庭にすっぽりとハメられる。国家の為はひいては神のために、紛失した銃をモチーフにして、妻及び娘を疑い出した段階から、温厚な父親が秘密警察さながらの恐怖政治に一変する。

 緩やかな前半と比し、後半は別の映画化と思うようにトーンが異なってゆく。疑心暗鬼が何を産むのか、サスペンス色が増し、周囲の何気ない日常の視線が一挙に監視に見えてしまう不幸。カーチェイスをしてまで監視を逃れ、ついには家族内で銃を向け合う狂気にまで突き進む。母親の有り様との対比が強烈で、ジレンマの極致のままクライマックスへ突入してしまう。言うまでもなく実に不毛なまま絶望的地獄絵図となる。

 もとより父親の苦悩は判るものの、娘を監禁までするのね。肝心の次女の心理が今一つ不明確なのが玉に傷、よけいに父親をエスカレートさせてしまっているとしか思えない。これまでいい暮らしが出来たのも誰のお陰と思っているのか? と世の父親の嘆きが聞こえてくる。

 宗教は違えど、情報収集にテレビよりインターネットってところが痛く沁みます。ビデオカメラに封印された仲睦ましい一家の笑顔の映像が、悲劇を強調してしまう。どこからどう見ても人間の道を外れた現実をイチジクの種に例え、テヘラン市内を隠しカメラでロケーションの心意気を讃えるべきでしょう。アフガニスタンではもっと酷い状況とか。国際世論に訴えるしか術がない事を、理解したいものです。冬はともかく、クソ暑い日本の夏でもイスラムの女性は頭をすっぽりと覆っていらっしゃるのを見かける昨今。変えたい人々が多ければそれを受け入れ改革する柔軟性が試されている。

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クニオ

4.0イランの女性問題のドキュメンタリーで前半は実話

2025年2月24日
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怖い

2022年にイランで女性が顔にスカーフを巻かなかったため警察に逮捕されて偶然に死亡した。それから反政府デモが起こり警察による強制逮捕が始まる。後ですぐ調べましたが前半は実話なんですね。
前半は神映画だと思います。

しっかし後半のサスペンス、前半と後半がガラリと変わります。決してつまらないわけじゃないけど拍子抜けしました。この映画167分もあるし長く感じました。
後半ダレたので−1点の星4です。

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アメゾー

4.5上手い

2025年2月24日
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鑑賞方法:映画館

イラン映画。
イランという宗教国家が抱える理不尽で男権的なあり方をひとつの家族を題材に描き出す。
進むにつれおかしく強権的になってゆく父親の行動が、次第にイランという国家の在りようと重なってゆく上手い造り。
撮影は秘密裏に進められたというが、SNSなどで共有された動画なども使用しまったくそうした制約を感じさせない。ある場面の特殊メイクも凄かった…

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ぱんちょ

3.5イチジクの種を撒こう‼️

2025年2月23日
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悲しい

怖い

知的

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活動写真愛好家

3.5映画で他国の内情を知る。

2025年2月23日
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みったん

3.5猟犬の罪

2025年2月23日
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悲しい

怖い

難しい

家の中で消えた護身用の銃を巡り疑心暗鬼する家庭内サスペンススリラー。

映画の切り口は、体制派の猟犬のような仕事から脱却できそうな父とその家族の「家庭内」に焦点を当てているのが面白い。テヘランの情勢が緊迫するにつれ、家族内の不協和音が大きくなっていくのも観る者に伝わった。
そして、クライマックスに至る背景を存分に描けている点に評価したい。詳細は控えるが、家族が外部問題に対応する事で追い込まれていく描写が一つ一つ丁寧だ。更にこの映画を観れば遠いテヘランの状況はあんな感じだったのかと想像できた。

キーツールとしてスマホが大活躍だ。テヘランの若者においても、宗教的社会規範よりも家長の威厳よりも、SNSで流れてくる情報の方が真実のようだ。まさに御時世である。

ナイーブな話題ですが、映画としての切り口語り口はちゃんとエンタメ作品として成り立っているので、「聖なるイチジクの種」という監督の主旨をじっくり考えるも良し、純粋に、猟犬の罪を背負う父とその家族の疑心暗鬼サスペンススリラーとしてみるも良しだと思います。

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ihatakaeight

4.0私はお父さんの気持ちになって見てしまったので、 最後は切なかった

2025年2月22日
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私はお父さんの気持ちになって見てしまったので、

最後は切なかった

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jung

3.0聖なるイチジクの種(映画の記憶2025/2/21)

2025年2月22日
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悲しい

イランの社会変革を感じる作品。平和な日本だと考えられない世界線。たしかに保守的なイスラム世界だと上映厳しいw

キリスト圏や仏教圏だと意味不明な家族感だったりするから人によっては理解に苦しむ場面が多いかも。あとイランの暴動映像が多用されてて人によっては目を背けたくなるかも。
監督がこの作品きっかけでイラン政府から有罪喰らって、執行前に亡命したのも頷けるストーリー。

まぁ古い物はいずれ新しくなるわけだから未来の若者を抑えつける政治は良くないとも思う。少なくとも自分は若者に未来を見せられるおじさんでいたいw
若者から教わることも多いからね。爺になっても若者と会話できる人間になっていたい。
(個人的評価6点/10点中)

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motorad_kira

3.5日本が平和であることを再認識

2025年2月22日
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見終わったらどんよりした気分になりました。
家族の誰も悪くないのに不幸になる。
母親が一番大変だと思いました。

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チャーリー

4.5壊れ行く家族、壊れ行く国家

2025年2月22日
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悲しい

怖い

知的

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レント

4.0映画づくりの勇気と覚悟

2025年2月21日
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モハマド・ラスロフ監督が母国イランで秘密裏に撮影し、国外脱出後に完成させた作品とのこと。前半のほとんどが屋内シーン、後半は人里離れた荒れ地というのも、そうした事情からなのだろう。
現状のイラン社会に対する親子世代の意識の違いが大きなテーマだが、その間に位置する母親が前半の主役に見える。体制維持のため本意でない使命に苦悩する父親の姿も描いているが、影は薄い。
ヒジャブを発端とした抗議活動の実際の投稿動画と合わせて、姉の友人の顔の傷口から散弾を取り出すシーンは、痛ましく、胸が締め付けられる。銃が紛失して、疑われた母親と姉妹が、父の友人(おそらくこれまで多くの無辜に嘘の証言をさせてきた)の尋問を受けるシーンも、リアルで恐ろしい。
と、ここまでは傑作の雰囲気なのだが、テヘランを離れてからの後半は、トーンが変わって、父親の家族に対する狂気めいた行動が、まるでホラー(シャイニング?)のように描かれる。イランという国家と父親をダブらせる意図は理解できるが、ちょっと醒めてしまった。
監督はイランを脱出できたが、出演者やスタッフは国内に留め置かれて、取り調べを受けたとのこと。体制に異議申し立てする映画づくりが、いかに勇気と覚悟がいるものか、思いを寄せつつ、それは決して他人事ではないとも考える。

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山の手ロック

4.5マクガフィンとしての拳銃

2025年2月21日
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2024年。モハマド・ラスロフ監督。イランでまじめに宗教裁判所勤務の公務員を務めて来た真面目な男性と妻、その娘二人。男性はようやく調査員に昇進して判事への道も見えてきたが、ちょうどそのころ、イスラム教の女性蔑視に抗議していた若い女性が死亡したことをめぐり、警察の暴行を疑う市民たちの抗議運動が過激化。男性は司法の場で抑圧的な体制に従って働かざるをえなくなり、そのツケが家族の不和へとつながっていき、、、という話。
イスラム教独裁体制であるイランにおいて、もっとも抑圧されているのが女性。この物語では良識的だった男性もまた抑圧側に徐々に魂を売っていく姿が痛々しいが、その被害を家庭内の女性たちがもろにあびていく。後半ではお約束どおり一番若い少女をはじめとした女性たちの反乱がおこっていくのだが。
そこで、拳銃。自宅で拳銃を紛失した男性は出世に響く失態と考え、マッチョな家父長としての「本性」をあらわにしていく。その意味では拳銃は決定的に重要な意味を持つ。しかし、最終的に発射される銃弾は意味をなさないので、拳銃がなくなったこと、または、拳銃を持ち歩いていること自体で画面にみなぎるハラハラドキドキの緊張感のためのアイテムだ。まさにヒッチコックが言うところ「マクガフィン」。
実際の事件を元にしており、抗議運動の様子などはスマホで撮られたらしい実際の映像も多数引用しているようだ。イランの人々に光が指すことを祈りたい。

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文字読み

3.5終盤面白い

2025年2月21日
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吉泉知彦

4.5ヒジャブと拳銃の象徴性。

2025年2月21日
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前半のヒジャブデモに伴う、家族に漂う不穏な空気感と、序盤に出てくる拳銃の悲劇が後半への繋ぎとなって一気に終盤に流れ込む展開。
前半はスマホで撮影された凄惨な動画の数々に緊張感ある展開。後半はテヘランからひとけの無い郊外にロケ場所が変わるあたりに諸般の事情が伺える。
イスラム法を下敷きに国や指導者と家長の相似関係を巧みに操りながらラストとデモ動画をセットにしたカタルシス。
気分としては映画2本分観た感じで、シナリオの旨さに感心してしまった。

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ラーメンは味噌。時々淡麗醤油。

3.0ラストは、観客は勿論、登場人物達も予測できない

2025年2月20日
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母国の弾圧に屈せず、映画を完成&上映にこぎつけたことには敬意を表します。
尺がもう少し短ければより説得力が増したと思います。

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sugar bread

4.5

2025年2月20日
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難しい

この監督は絶対観る!
と決めていたので、仕事帰りでも3時間耐えて観れました笑

イランの現状と
銃が無くなり
家族の仲の亀裂
父の本性、、、

3時間で最初の印象と最後の印象が変わる映画ですね

テーマは一貫してます

是非皆さん観てほしい

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アプソ