劇場公開日 2024年11月29日

「楽しい作品だが、」雨の中の慾情 ヘルスポーンさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5楽しい作品だが、

2024年12月8日
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鑑賞方法:映画館

「パラサイト」のポン・ジュノ監督に師事していた片山監督らしく、暴力描写や性描写、すなわち人間描写に妥協がないところが好きだ。かつ、色んなテクニックを駆使した撮影・演出でしっかりエンターテイメントになっているところが片山作品の特徴かなと思います。

本作はとてもトリッキーな作りになっていて、これは脚本一体どうなっていたんだと思いましたが、やはりシナハンや現場でオリジナル展開をどんどん足していったようで正直シナリオとしてはまとまりのない作品だったかと思う笑
色んな作風や演出、アイディアがてんこ盛り。
ただし、そこは成田さんをはじめとする役者陣が大奮闘しているのでそれなりに観れてしまう。

死の直前に観る走馬灯のようでもあり、全てが夢でもあるというつくりは面白いし、雨や水道の水が夢の中ではとめどなく流れ出ているのも、欲情に歯止めが効かなくなった主人公の観る夢ということで筋が通っている気もするが、やはりそれに対する戦争パートが欲情を奪われた世界線(こっちが現実)という位置付けになっているように感じるので急にテーマの相性の悪さを感じた。夢と現実が上手く対比になっていなくチグハグな印象を受ける。戦争パート自体の映像はよかっただけ(片山監督による戦争映画が観たくなるほど)に、もったいなく感じた。
前半のあのバス停の映像の力、構図の力がすごかったので、やはり最後もあのバス停をベースに夢と現実の決着を描いて欲しかった。

「さがす」の西成区や本作の台湾の街並みなど古き良き日本の姿というか、一見バラックのような無秩序な街並みに美しさを見出してるところに、つげ義春漫画と片山監督作品との共通点を感じた。

個人的には中盤の西の国で嘘みたいな宮殿で暮らす森田剛演じる伊守の楽しそうな姿が印象に残っている笑

ヘルスポーン
ヘルスポーンさんのコメント
2024年12月19日

最後雷に打たれてハッ!と目を覚ますのもいいですね笑

ヘルスポーン
トミーさんのコメント
2024年12月11日

そりゃ無いだろ!と思ったらホントに落雷。キスシーンでも静電気が走り、最後は二人、てっきり打たれて死ぬのかと思ってました。

トミー