「希望の灯り」時々、私は考える かばこさんの映画レビュー(感想・評価)
希望の灯り
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こんな職場で働けたら、と、私も妄想してしまった。
コミュ障な主人公に対する、周囲の人々の距離感がとてもよい。
フランが職場の皆さんにドーナツの差し入れをすれば、全員が口々にフランありがとう、と言って喜んでシェアする。ホームパーティーでは、彼女の渾身の演技を大いに楽しんで、またぜひ来てよ、と言われる。
決して無理強いしないがフランが自分からコンタクトを望めば受け入れる、温かい人達。
貨物船が来て貨物の積み下ろしがあるような小さな港町の佇まいが良い。
そんな街で、こんな職場で、こんな人々と過ごせたら。
私だったらそれだけで毎日が幸せだ。
自分が死んでいる妄想をするのが密かな楽しみという彼女は変わっているが卑屈なわけではない。無理に人に好かれようとしないので他人に忖度しないし不本意な社交もしない。行きたければ行く、したければするという、良い意味で自分本位なところは逆に羨ましい。
ロバートみたいな人は私はちょっと苦手だが、フランには好もしい人なんだろう。
彼の二度の離婚の原因はよく調べたほうが良いと思うよ。
定年退職した元同僚の姿に、考えさせられるものがありました。
フランの今後には、希望の灯りしか見えない。
そんな映画は珍しいなと思った。
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