お母さんが一緒のレビュー・感想・評価
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母親の影響力は凄まじい
ケチしかつけない母に悩まされる娘3人の物語。
母親の影響力は凄まじいものがある、と思わずにはいられない!
嫌だと思っていても母親に無意識に似てしまう言葉選びや接し方や考え方…立ち振る舞い…
嫌だと思っているのに家族旅行を企画するのは家族愛の現れですよね。
母親に褒められたい、認められたい、母親との関わりで安心や穏やかさを得たいものなんだろうな、人間は…
もう見入ってしまいますよ。。
演技なので大袈裟な表現もあるように感じるが、役者の皆さんの感情の爆発に引き込まれる作品。
心の動きがよくわかり、痛いほど共感できる所もある。家族間だからこそ言葉を選ばずに鋭い一撃をくらわせてしまうことってあるよね、家族の言葉や態度が心を刺激し、耐えようと思っても耐えられず反撃してしまうこともある
ただ、なかなかここまで傷つけあって罵って…ということは多くないと思うのだが、家族間においてコンプレックスや不満は、程度に差はあれど皆感じているはず。
ドス黒い部分を、これでもか!というほど表現しているのはかなりインパクトがあった。
その中でキーちゃんの彼の存在は、ホッとする良いアクセントだった。
最後まで母親の姿は見えない
江口さんが大好きで選んだ映画
途中、江口さんのことを苦手になりそうだった
それほどまでにクセの強い長女の演技、それに負けない次女、三女の演技が素晴らしかったということです。
全ての家族間で、負の連鎖ではなく、好循環が起こる未来がいいなって思う
とても面白い作品でした!
作り物感
期待していただけに残念。
江口のりこ、古川琴音。
3姉妹のほぼ3人芝居と聞いて気になっていたので鑑賞。
舞台版の映画化作品や、次第に登場人物の心が徐々に露呈していく作品は大好きだけど、本作は全くハマらず。
姉妹のよくある題材ながら、役者とシチュエーションから面白くなる可能性はあった。
しかし。
セリフ回し、攻防・敵味方の入れ替わり方、感情爆発のタイミングがどれも不自然かつ過剰。露天風呂で空見上げたり、3人でストール持って…なシーンなど恥ずかしいくらいわざとらしい。
そして急に爽やかなラスト。ほう。
リアルじゃないんだよなぁ。
全て少しずつずれているというか。
いや、家族って他人より色々難しいし、その割に突然仲が良くなることもある。それは分かる。でも安っぽい展開や描写、しつこいやり取りが多過ぎる。
久しぶりに観客として置いてけぼり感。
何かが変われば面白くなりそうなのにな。。
視聴者に委ねているが、目をそらすことはできない
ホームドラマというジャンルのこの作品は少し奇妙な作り方で、「桐島、部活やめるってよ」と同じく、タイトルと物語の中心である母が一切登場しない。
これはおそらく、母と聞いて感じるそれぞれの母や、一般的な母親というものを視聴者に想像させるためだろう。
冒頭から起きたアクシデント
温泉宿の送迎車が轍にハマって、3姉妹で車を押すというイレギュラー
この些細なことが、長女やよいの不機嫌を誘い、企画した二女マナミに対するダメ出しへと加速する。
母の誕生日に、母を喜ばせるために企画した家族旅行
一旦やよいのダメ出しが始まると、畳のニオイや浴衣のニオイにまでケチをつけ始める。
そしてこのケチがどんどん加速する。
さて、
家族という最初の人間関係
性格や考え方にとても大きな影響を与えるもの
基本的には誰もが家族の「幸せ」を望みながら、そのための「云々」という決まりのようなものによって縛られているのかもしれない。
この物語は、その家族という人間関係についてかなりデフォルメされているが、監督はこのようなドタバタ劇を見せて、視聴者に何を問いかけたかったのだろうか?
おそらく見る人によって受け取り方は大きく異なってしまうように感じた。
作中、母は登場しない。(送迎車の中に影のように存在しているだけ)
つまりこの作品は、母そのものではなく、母の影響力、家族や3姉妹への影響力、または支配力の大きさを示しているのだろう。
やよいは母の言いつけ通りに生きてきた。
その結果結婚できないままもうすぐ40歳となる。
顔にコンプレックスを持っている。妹たちから、その性格は母そっくりだと言われる。
この報われない気持ちを強く持っている。
マナミは勉強や能力でやよいに敵わない。
男運のなさ 仕事が長続きしない そして絶えず姉と比較されることで自己肯定感を持てないでいる。
キヨミはそんな二人を割と冷めた目で見ているが、姉たちに従わざるを得ない。
さて、、
母の影響力はやよいに最も強く表れ、マナミにもキヨミにも影響力を与えている。
そして彼女らの言い争いは、すべて母のいないところで行われている。
本音
家族だから言える言葉
そして、
母のために企画した旅行
これだけで彼女らの家族愛は、本当はかなり強いことがわかる。
親の影響
人間は動物のように本能的部分だけでは生きていけない。
それを補う教育や躾や考え方は、親が教える。
当然その親の影響力は子供の思考に大きく影響を与える。
そしてこのタイトル
NHKの番組「お母さんと一緒」を文字っているのかと思った。
しかし、
このタイトルの意味は深いと感じた。
つまり、
母が死んだとしても、考え方や心には、いつも「お母さんが一緒」にいるのだろう。
意識的にも潜在意識にも、母はずっと一緒にいるのだ。
そして姉妹たちの罵りあいにある「家族だから言えること」や、お互いのことを思って言った言葉が核心的であるが故、「怒ってしまう」「怒らせてしまう」のだろう。
実際には他人として見たくはないものだ。
当然他人には見せないものだ。
家族旅行はたまたま企画したことだったが、個々人が溜め込んでいた膿が冒頭のアクシデントが針となって噴出した。
最後にマナミは近所のパワースポットで水を汲んで4羽の折り鶴を折る。
腫れあがった空とようやく入った温泉
この自然の力が膿が出た部分に沁み込んでくる。
パワースポットの水を飲んだ母が珍しく「おいしい」とポジティブな言葉を言ったことが、3姉妹にとってとてもうれしいことだった。
あの瞬間、ようやくみんなが「来てよかった」と思えたのだろう。
この折り鶴
平和や祈りの象徴
タカヒロが踏みつぶすが、マナミはそれを丁寧に直すシーンがある。
実はマナミこそが家族をつないでいる要なのではないだろうか?
絶えず板挟みになっていながらも、家族を保とうとしているのがマナミだろう。
母の言葉にキレた長女が、プレゼントを捨てた後、3人で泣きストールで涙を拭く。
感情のピークであり 再出発の浄化とも取れる。
この物語は、汲み取る気があるかどうかがキーポイントだろうか。
微妙に感じる部分に、自分自身の家族に対する抵抗感があるのかもしれない。
胸糞悪いけど家族ってそんなもん
旅館にとってはすげー迷惑。
長女はツラいよね~
…女三姉妹のあるある物語
ようなバトルがオモシロく過激に…
弥生が泊まる旅館の悪口を言う
ところからはじまる
次第に誕生日を祝う母の
悪口に変わっていく
江口のりこの過激な言い方が
恐い!こわ~い
次女とのバトルもエスカレート
最終的に末っ子の清美(古川琴音)
を巻き込む事態に
結局、長女弥生(江口)が
母の言うことを言われるままに
勉強、仕事に頑張って生きてきた
母の期待に応えてきた…のに
いまになって結婚して孫を見せてと
無理な事を言われ大激怒。
これは・・わかる
でも一重瞼だから可愛くない
という思い込みは…どうなんだろう(?)
常に怒っているから笑うと本当に可愛い
長女の弥生がコンプレックスの塊で
巻き起こすお話かな~
母の影響をそのまま受けて
母の様になってしまった弥生
"母に誉められたかった"だろうな~
いい子と思われたかったんだろう
好きな母のために選んだスカーフを
せめて。喜んでもらえたら・・
弥生は満足できたのにね
なぜか笑えそうで笑えなかった
弥生に春が来ますように♡
性格ブス
三人姉妹は面白いっすね
この世に明けない夜はない
三姉妹同士の駆け引きが、母親をめぐって炸裂する。
だが、男からはこの三姉妹のいざこざがいまひとつ理解できない。
女性特有の感情の綾がよくわからない。
そこに三女の子連れフイアンセが登場すると、彼は彼女たちの思う壺。
彼女たちの世界は理屈が通らない。結婚観、両親に対する思い、三姉妹同士の思惑。
この感情の襞を、その中にひとりおかれた男がこなしていくことは難しい。
でも、彼はめげない。そして三女にとってもいいことを言う。
「夜暗いときに、思いつめていろいろ考えたことっていうのは、たいてい間違ってるとよ。大切なことは太陽が出てるときに考えることたい。あとで後悔するけん」
きっと母親と三姉妹とフイアンセのいざこざは、朝が来たらすべてが振り出しに戻る。そう、この世に明けない夜はないということ。
三姉妹の喧嘩が延々と続いて
喧嘩、喧嘩、喧嘩の繰り返し。ただそれだけを
描いた映画という気がしました。私には、女兄弟がいないので、
実感はないですが、姉妹の口喧嘩って、こんな感じですよね、絶対。
男同士の喧嘩じゃありえないな。
男と女は、やはり根本的に違う。こんな時代だけど、あえて
それを投げかけた映画のように感じました。考えすぎかな?
ただ、見てると、結構辛いんですよね。
喧嘩してる場所に自分もいてるような感覚になって、
もういい加減にしろよ、やめろよと言いたくなってくる。
それだけ、見事に描いている作品だと感じました。
三姉妹のキャスティングの勝利ですね。
とても演劇的だけど、映画のフィルターをかけた舞台劇っぽい映画。
舞台劇の映画化らしく3人プラス1人(江口のりこ、内田慈、古川琴音+ネルソンズの青山フォール勝ち)のほぼ4人で話は進む。
シーンもほぼ旅館の部屋での話。
よく法事などで集まると兄弟同士での他愛もない話をするけど、三姉妹で他愛もない、だけど、遠慮のない、自分勝手に毒づき合ってしまう話。なんか既視感がある(ウチもそうだよな~と)。
向田邦子ほど深刻にならず、笑いあり涙ありの舞台劇らしい話。それを、映画的にカット割を丁寧にして、それぞれの役者の演技を最大限引き出す。とても演劇的だけど映画のフィルターをかけた舞台劇っぽい映画というか。
久々の橋口亮輔監督作品として期待したが、彼の映画という感じは薄かったけどそれなりに楽しめた。
江口のりこのキレかたや内田慈の涙など演技合戦が見もの。古川琴音がよかった。彼女を最近よく見るが一番よかった。芸人の青山フォール勝ちもトボケていてよかった。
山田洋次監督が誉めていたとか。
本当に「お母さんが一緒」だったと思う。
「お母さんが一緒」とは言いつつも、その題名とは裏腹に、三姉妹中心に物語は進み、劇中に「お母さん」は、ほとんど登場しません(悪路で脱輪してしまった宿の送迎のワゴン車の車内でのシルエットが、ちょっと映るだけ)。
夫の生前は、夫婦仲があまり良くなかったようで、三姉妹とも母親を反面教師にしているようなフシもあり、また長女vs次女・三女のバトルが半端なく、母の誕生日祝いの温泉旅行とはいえ、観ているこちらも「一触即発の緊張関係」にハラハラ、ドキドキ。
そこへ、三女が余計な「サプライズ」を持ち込むので、上記の長女vs次女・三女の緊張関係に、更に余計な火種が加わるという未曾有の危険な展開でもありましたけれども。
しかし、それでも「最後の一線」を越えることなく、いつの間にか論点がすり替わって、何時とはなしに別の話題に変わって行けるのは、やはり血のつながった姉妹同士のこと故なのでしょう。
その意味では、「お母さんが一緒」という本作のタイトルは、「お母さんと同行して温泉旅行をしている」という物理的な意味と、「三姉妹ともお母さんが同じ」というメンタル面=心の持ち様という意味とのダブルミーニングになっていたのかも知れません。
(それ故、本作のタイトルが「お母さんと一緒」ではなく「お母さんが一緒」とされているのには、理由があったとも思っています)
そんなことから、ホームドラマとしては、なかなかの良作に仕上がっていたとも、評論子は思います。
(追記)
遠慮なくケンカができるのも、肉親だからのことでしょう。
他人様が相手のときのように顔色を窺って攻撃防禦に忖度を加える必要もない。遠慮会釈なく「ことばの爆弾」を投げ込んでもいい。
しかし、局面が展開したら、それまでの攻防は何の未練もなく打ち捨てて、また新たな局面での攻防に専念する―。
そういう意味では、争っていることが大事で、争っていることの中身は、そんなに大事ではないのかも知れません。
評論子の息子・娘も、中学から高校くらいにかけては、寄ると触るとケンカをしていましたけれども。
社会に出てみると「おっ、こいつら案外と仲がいいのか?」と思えることがあるのも、その実は、何かネタを見つけては(定期的に?)一戦交えることで、お互いの関係性を確認していたのかも知れないと、今になっては思い直したりもしています。
肉親って、「いいもの」「ありがたいもの」だとも、評論子は改めて思いました。
(第30回函館港イルミナシオン映画祭@北海道函館市にて鑑賞)
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