「長女 江口のりこ」お母さんが一緒 きりんさんの映画レビュー(感想・評価)
長女 江口のりこ
NHKの「お母さんといっしょ」をもじったタイトルですよね。
世代ならばビビビッとくるはず。このタイトル。
橋口亮輔監督は、被写体となる家族の歴史を、素朴で、誰にでも身に覚えがあって、共感できるキャッチフレーズで、
そうやっていつも鑑賞者に楽しい物語を差し出してくれます。
等身大だから面白いんですよね。
・・・・・・・・・・・・・
推しの映画館=塩尻の東座。
きっぷ売り場の小さなロビーです。
東座は やってくれましたよ♪
東座の【お姉さん】と【妹さん】と、そして【お母さま✨】が、三人並んでのお出迎えでした。
ね?これ、いいでしょう!?(笑)
絶対この映画の上映のために、
いつもは奥の住宅におられる事が多いお母さまも (たぶん長女の社長=こずえさんに引っ張り出されて) 、母と姉妹で、ロビーで僕たちのことを迎えてくれたんですよ。
映画みたいでしょう?
粋なプロデュースです♪
・・・・・・・・・・・・・
きょうだいの性格の違いが、このドラマの全てです。
「不機嫌な長男・長女、無責任な末っ子たち」。
これ、僕が愛読するハウツー本なのですが、
長子・中間子・末子 バッシ の、生まれながらに持っている個々の性格と、その三兄弟・三姉妹が家庭内で後天的に養われてしまった上下階級やら役割分担やらを、ズバリ解説していて、たいへん面白い本です。
きょうだい間の性格の差異を、よくぞここまで観察したものです。きょうだい同士の無理解や いざこざや、不満や我慢の原因を、分析・指し示してくれるマンウォッチングの本でした。
僕自身が、男5人兄弟の一番上でしてね、いわゆる長男なんですが、弟たちとの関係の上手く行かない事にずっと悩みを抱えつつ、耐えに耐えては親と弟たちを取り結び、無意識に自分の事は押し殺して、
僕も江口のりこのように我慢もしてきた。
だからこの解説本でいろいろ納得が出来、また溜飲が下りたのです。
解決法は「そのままの自分を」「そのままの弟たちを」「受け入れるしかない」って事なんですがネ。
「親と子」は、「家庭」という社会の最小構成の単位。
その中でも 「きょうだい関係」は、人が密接して生きる学校や職場のひな型。
上手く付き合えない者同士がどうやって狭い家の中で一緒に暮らせるかを、子供たちは子供部屋で現地実習するのだと思います。
・・・・・・・・・・・・・
「細雪」 は四姉妹。
「リア王」 は三姉妹。
「若草物語」 は四姉妹。
「海街diary」 は三姉妹+末娘。
本作品も、
三人の女の性格描写が秀逸。
一旦ばらばらになって独立した姉妹が、大人になって母親を要にして再会をする物語。
とかく女はよく喋る。
・ほんの少しほかのきょうだいを理解し、
・ほんの少し自分のことがわかる。
・自分の気持ちも、やっと泣きながらもぶちまけることが出来た。
・母親がいなくなるまでに間に合った、ゆるやかな時間が流れます。
時間がたっぷりのお泊りの効用です。
後半は「激しい時間」が怒涛のごとくに流れる。
姉のマスカラも怒涛のごとく流れます。
・・・・・・・・・・・・・
[ おまけ ① ]
うちは子供が3人。
妻は、子供たちの誕生日には たいへん「ユニークなプレゼント」を毎年用意していました。
誕生日の子だけを連れて丸一日外出するのです。
つまりその日は、誕生日の主役がお母さんを独り占めできるのです。なんでも希望どおりです。どこへ行くのもお願いどおり、その日の主役の子のリクエストがすべて叶うのです。
(逆に、その子がお家にいたいと望むなら、僕が他の二人を邪魔にならないように連れ出すことになりますね)。
でも、何かをもらったり、美味しいものを食べたり、遊園地に行ったりする事なんかよりも、夢のような「私だけのお母さんといっしょの時間」が、年に一回は、一人一人に叶うわけですよ。
我慢をしたり、押しのけたり、涙を飲んだりしながら きょうだいと暮らしていても、「その日」は全てを満たして余りある喜びがある。
すごくいいプレゼントですよねぇ・・
いいセンスをしていた女性でした。
映画の三人は、微笑ましくもお母さんの取り合いのために帰宅した子供たちの姿でした。
男はダメですわー。女親にはどう逆立ちしても永久に勝てません。
・・・・・・・・・・・・・
[ おまけ ② ]
邦画作品は基本かけないはずの東座。
珍しく本作の上映となりました。
けれど加齢のおかげで聴力が落ちている僕のこと、
「字幕」が出ない邦画は、不安的中。やっぱダメでしたね・・よく聞こえない。
ましてや佐賀弁での会話です。ボソボソ喋る姉江口のりこの独り言も多くて、大著の台本。ワンシチュエーションの舞台劇。
残念ながら半分以上は聞き取れなかったです。
DVD借りなおします。
これ、フォロアーの皆さんも、年が行けば遭遇する辛さだと思いますよ。
レンタルDVDならば、最近のものは邦画にも[設定ボタン]で日本語の字幕が、それも二種類出せますから、これ、覚えていてくださいね。
·
「隣の部屋で」、
「親に聞こえないところで」、
子どもたちは親について、実はこれだけ侃々諤々、喋っているのでした。
ではでは。
こんにちは
「ボヘミアンラプソディ」の文字化けのアドバイス
ありがとうございます。すぐに直しました。
お礼が遅くなりすみません。
とても変わった毒舌の映画でしたね。
お母さんは最後まで出てこなくて・・・でも、3姉妹は
お母さんを深く愛している。
そんなラストでしたね。
いつもありがとうございます。