エイリアン ロムルスのレビュー・感想・評価
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シリーズファンの監督による、最大のファンサービス
【イントロダクション】
言わずと知れたSFホラーの金字塔『エイリアン』シリーズの最新作。シリーズの生みの親、巨匠リドリー・スコットを制作総指揮に据え、監督・脚本を本シリーズの大ファンにして『ドント・ブリーズ』の鬼才フェデ・アルバレスが務める。
監督がシリーズの大ファンを公言しているだけあって、随所に「分かってるなぁ〜」と感じさせる、同じくシリーズファンは思わずニヤリとしてしまうような演出が盛り沢山。しかし、決してマニア向けのニッチな作風には陥らず、本作でシリーズに初めて触れるファンにも優しい「一見さん大歓迎!」な作りになっている点が素晴らしい。
また、本作の時代設定は第1作『エイリアン』(79)の2122年から20年後の「2142年」を舞台としている為、第1作の制作時期である70年代後半〜80年代のSF作品の美術を拘って再現している。実際に宇宙ステーションのセットを組み、ミニチュアを製作、箱型モニターにキーボード、着ぐるみやアニマトロニクスまで用いた徹底ぶりには頭が下がる。
【ストーリー】
エレン・リプリーの奮闘によって宇宙空間に排出された“ゼノモーフ”は、自らを繭としてノストロモ号の破片と共に宇宙空間を漂っていた。“ウェイランド・ユタニ社”は、この休眠状態のゼノモーフを回収。謎に包まれた究極の生命体の研究を開始した。
一方、ウェイランド社が人類の存続と生存域拡大を目的として、宇宙の星々を植民地化する計画の一端を担うジャクソン星では、若い植民地者達が過酷な労働環境に苦しめられていた。彼らは作業中に偶然、宇宙空間を漂う「ロムルスとレムス」の神話に準えた2つのモジュールからなる謎の宇宙ステーション“ルネサンス号”を発見。ステーション内にあるであろう休眠ポッドを調達し、自分達の宇宙船で理想の惑星ユヴァーガへと脱出する計画を実行するーー。
主人公の小柄で内気な女性レイン、レインの弟にしてアンドロイドのアンディ、採掘場で働くグループのリーダー格タイラー、タイラーの妹ケイ、ひょうきん者でアンドロイド嫌いなビヨン、スキンヘッドが特徴的な女性パイロットのナヴァロ。各々が様々な理由で両親を失っており、過酷な環境から命懸けの脱出計画に乗り出すという導入は、物質や情報に満ちながらも何処か満たされず、追い詰められて生きている我々現代人にも通じる設定で非常に優秀。
【エイリアン】
・フェイスハガー
今回のフェイスハガーは、ウェイランド社が休眠状態のゼノモーフを研究して生み出した個体の為、お馴染みのエイリアンエッグからの誕生シーンは無く、袋に冷凍密閉された状態から復活を果たし、レイン達に襲いかかる。
また、視覚を持たない為に、獲物の立てた音や体温変化に敏感に反応して襲ってくるという習性も示された。これは、眼球を持たない後のチェストバスターやゼノモーフに至るまで共通の襲撃方法なのだと思われる。こうしたさり気ない情報開示も嬉しい。また、体温に反応するのを防ぐ為、室内の室温を人間の体温と同程度まで上昇させ、音を立てずに進み抜けるというアイデアは、流石『ドント・ブリーズ』の監督と言ったところ。
・チェストバスター→ゼノモーフ
これまで主に台詞や設定によって示されてきた「脱皮を繰り返して成体へと進化する」というチェストバスターの成長過程を、脱皮した皮の残骸から壁面の繭(蛹)へと目線を移し、それを破ってゼノモーフが誕生する様子を(少なくとも映画シリーズにおいては)初めて映像的に示してみせた点は、間違いなく本作の白眉だろう。ビヨンからの電気ショックによる攻撃にも耐え、寧ろ酸の血液で反撃し、風穴を空けて殺害。怯え慌てふためくケイの眼前で完全体となる一連のシーンの何と美しく絶望的な事か。
【シリーズの集大成感】
ファンにとって嬉しい要素としては、これまでのシリーズのありとあらゆる要素を内包している点も外せない。
・CGを駆使して『エイリアン』に登場したアンドロイドのアッシュ(故:イアン・ホルム)に酷似したルーク(ダニエル・ベッツ)を作り出し、しかも今回は一応は味方(少なくとも、初邂逅時は直ちに撤退するよう勧めていた)というスタンス。
・ステーションの研究員らを繁殖の苗床にする為に巣窟化させた通路と、そこに隠れ潜む無数のゼノモーフは、まるで『エイリアン2』(86)のウォーリアー。また、回収され研究対象にされたオリジナルのゼノモーフが宙に吊るされているシルエットは、クイーンエイリアンが初登場した瞬間を彷彿とさせる。
・レイン達の住むジャクソン星は、彼女らがまるで囚人のように扱われる様が『エイリアン3』(92)に通じるものがある。
・作中の時間経過と比較して明らかに成長速度の速い(特に、フェイスハガーの寄生からチェストバスター誕生まで)様子は、『エイリアンVS.プレデター』(04)にて、プレデター達が自分達の“成人の儀”を執り行う為に品種改良したものと重なる。
この他にも、構図や美術に至るまで、ありとあらゆる所にシリーズへの愛が溢れており、清々しいほどのオタクっぷり。
レインを演じたケイリー・スピーニーの熱演も素晴らしく、かつてシガニー・ウィーバーが演じたリプリーより更に小柄でか弱く見える彼女が、知恵と勇気を振り絞って幾度となく窮地を脱していく姿は非常に魅力的だった。
特に電磁弾が装填された自動小銃を構えてゼノモーフらに立ち向かっていく姿は、完全にかつてシガニー・ウィーバーが演じたリプリーと重なって見えた。おまけに彼女、宇宙ステーションの重力装置を利用した無重力空間でゼノモーフらの酸の血液を無効化して宇宙船に穴が空くのを防ぎ、宙を螺旋状に浮遊する血液の塊を火の輪くぐりかの如く移動し、危険な塊を銃の反動を利用して避けると抜群に頭がキレる。
後述するクライマックスでの“ヤツ”との死闘の際には、リプリーと同じく宇宙服に身を包む。分かってはいても、やはりあの瞬間はテンションが上がらずにはいられなかった。
【新種:オフスプリング】
ホラー映画にはいくつかの所謂“お約束”という物がある。その内の一つが『処女や妊婦は生き残る』というものだ。ケイが誰の子かも分からない子を妊娠したと示された瞬間は、このお約束が発動したとワクワクさせられ、同時に本作ではこのお約束を守るのか破るのかとハラハラもさせられた。
そして、本作は決して弱者に容赦はしなかった。ケイはゼノモーフから襲撃を受け、その際に負った傷による失血死から自らとお腹の子の命を守る為、ウェイランド社の研究によって生み出された“黒い液体”を注射してしまう。やがて、事前に示されていた実験マウスの異常進化が示した通り、人間とエイリアンの混合生物である通称“オフスプリング”が誕生する。ケイの様子を確認しに来たアンディの背後に、急成長したオフスプリングが出現するあの恐怖と、人間によく似た顔立ちをしながら一切の感情が読み取れない不気味さに対する生理的嫌悪感は、本作随一のホラー演出であったのは間違いない。…と同時に、私の中に酷い落胆も生まれた。
早い話、「俺、“ニューボーン”嫌いなんだよぉぉぉぉー!!」である(ニューボーンとは、『エイリアン4』(97)にて登場した、リプリーの遺伝子を受け継ぎ、人間と同じく子宮からの出産を可能にしたクイーンエイリアンから誕生した乳白色のボディを持つ新個体である)。
おまけに、このオフスプリング、自らの生みの親であるケイをゼノモーフよろしく第二の顎もどきの舌で体液を啜って殺害したのである。これには流石に、「マァ、この子ったら!!親に手を上げる所まであの子(ニューボーン)そっくりザマス!!」と感じざるを得なかった。
いや、分かってはいる。オフスプリングの見た目が『プロメテウス』(12)で登場した人類の創造主である“エンジニア”の姿を模している事は。しかし、クライマックスで隠し球として登場するのがあの姿では、些か素直に受け入れ難い。もっと言ってしまえば、オフスプリングの登場によるインパクトによって、これまで恐怖を盛り上げてきたゼノモーフやフェイスハガーら、オリジナルのクリーチャー達が完全に前座扱いになってしまった。
因みに、この“黒い液体”は、『プロメテウス』にて初登場した物質で、エンジニアが用いたもの。実は、この黒い液体を巡っては、『プロメテウス』の脚本段階では詳細な設定が書かれていたが、「作品の本質に触れすぎるから」という理由でスタジオ側が撮影段階で削除させたという経緯がある。それを知っているか否かで、本作における黒い液体の扱いと、それに対する感想にも若干の違いが生じるので、ここで大雑把に解説する。
この黒い液体。元々は、エンジニア達の神“ディーコン”(姿はエイリアンに酷似している)の血液であり、生命を再誕させるという性質を持っている。しかし、エンジニア達は自分達がこのディーコンの血を用いて誕生させた人類が、長い歴史の中で絶えず争いを繰り返す姿に失望し、自分達が研究して作り出したディーコンの血の複製品“ブラックグー”を用いる事で、人類を進化させようとした。しかし、このブラックグー、ディーコンの血が司る生命の誕生とは真逆の存在で、生物を凶暴化させるというトンデモ迷惑な欠陥品なのである。
そんなブラックグーを再現した本作の合成物質“Z-01”もまた、もれなく惨劇を招いてくれた。この、人類の創造主たるエンジニアと同じ過ちを繰り返すという構図が何とも皮肉。
話をオフスプリングに戻すが、本作オリジナルのラスボスを登場させる事自体が悪い事だとは思わない。シリーズに新しい風を通すのは、新作を作る最大の意義となるだろう。しかし、ならばオフスプリングの見た目は、時間経過と共に更に変化・進化させていっても良かった気がする。
事前にマウスの実験映像で予想外の進化とその成れの果てとなった異形の存在の姿が示されていただけに、オフスプリングのヒダ状の後頭部やゼノモーフの背中の管を連想させる特徴的な背中には、いつ後頭部が迫り出すか、いつ背中の管が伸びるかと期待させられもしたのだが…。
多少マニアックな話になるが、ゼノモーフら成体エイリアンの頭蓋骨には眼窩がある。ならば、オフスプリングもレインやアンディを襲う中で、視覚情報に頼った襲撃では獲物を逃し続けるばかりだと判断し、眼球を排出(もしくは収縮)させ、頭部を透明フードのように丸みを帯びた形へと変貌させ、よりエイリアンとしての側面を強化していった方が面白くなったのではないかと思う。
肌の色も次第に実験マウスの成れの果てのような青味がかった黒い肌へと変貌するのも面白かったと思うし、前述した後頭部や背中の変化も「早く食い止めなければゼノモーフ以上の脅威になる!」という緊張感を演出するのに効果的になったはずだ。
《ゼノモーフの遺伝子と人間の遺伝子を共存させ、人類の進化を促そうとしたが、より種として強い侵蝕性を示したゼノモーフの遺伝子が、やがては人間の遺伝子を完全に上書きする。一つの種としての完成形こそがゼノモーフらエイリアンの姿なのだ》と、進化の方向性を帰結させた方が、エイリアンという神秘的な存在の特別感、脅威感を改めて効果的に示せたと思うのだ。
【終わりに】
さて、そんな過去作の良いも悪いも網羅し、シリーズの一つの集大成とも言える役割を担った本作。しかし、意地悪な言い方をしてしまえば、それは単に「シリーズのあらゆる要素を内包した作品」に過ぎず、言ってしまえば、本作は『スター・ウォーズEP7/フォースの覚醒』(15)のようなもの。本当の勝負となるのはこの先。新シリーズにおける「2」になるだろう。
かつて、リドリー・スコットからバトンを渡されたジェームズ・キャメロンが、本シリーズにアクション要素、クイーンエイリアンという最高のラスボス(推し!)を追加して、作品の世界観を広げシリーズの人気を不動のものとしたように、次回作では推しの登場含め更なる広がりを大いに期待したい。
フェデ・アルバレス監督、出来れば次回作以降も是非よろしくお願いしますッ!!
傑作!!
若者が盗みに入った家にいたのはヤバい奴だった!ってつくりは「ドント・ブリーズ」そのまま!!
フェデ・アルバレス監督はサム・ライミ監督に見出されライミ監督リメイク作「死霊のはらわた」から、ライミ監督プロデュースの「ドント・ブリーズ」が話題となり、その後は北欧スリラーの傑作シリーズ"ミレニアム"から「ドラゴンタトゥーの女」の続編「蜘蛛の巣を払う女」でハリウッドメジャー映画の監督になってしまったなぁと思いました。
その後は(私は大傑作だと思っています)「悪魔のいけにえ」の正当?続編「悪魔のいけにえ レザーフェイス リターンズ」の製作をするなど、ホラー映画界のいい感じのポジションにいる良い感じの監督です。
本作「エイリアン ロムルス」ではSF映画は初だと思いますが、宇宙ステーションとのドッキングシーンや無重力表現、小惑星帯を常に窓の外に感じさせる背景の美しさなど、めちゃくちゃこだわっていてすげー!!と思いました。
ホラー表現はさすがに手堅く、しっかり怖くて面白い。
舞台美術はよくこんなに予算が集まったと思うくらい超豪華。植民地の惑星から宇宙ステーションまで実際に360°見回せるくらいセットを作りこんだようで、さすがディズニー 20世紀FOXと大巨匠リドリー・スコットのプロデュースだと思いました。
フェデ・アルバレス監督は巨匠に気に入られるのが上手いのかな笑
前半は映像が凄まじくて引き込まれたのですが、後半はほんのちょっとだけ映像が窮屈だったような。
貨物室を切り離すくだりは主人公が下に降りて上に登ってまた下に降りてと、もうちょっとスムーズにならなかったのかなーと思いましたし、ワイヤー引っかかてあんなに上手くレバー倒せるのなんて奇跡でしょ笑
ただ、ヤツのフォルムと表情はキモくてよかったですね〜笑
エイリアンファンとしてはグッズ展開をもう少し頑張って欲しかったなぁ。パンフレットの最後のページにフィギュアやグッズ載っているのを見るのが好きだったのですが本作は一切なし。
昔はフィギュアだけの展開でコウモリみたいな羽が生えたエイリアンや動物モチーフのエイリアンがあったり色々あったなぁと思い出しました。
公式Xの等身大ゼノモーフ1名様プレゼント企画に応募。
コヴェナント続編は作らないのかな?
歴代エイリアン映画3位
パート1は未知の宇宙生物の神秘という「わからない物への怖さ」「逃げ場のない閉鎖的な空間」「どこかに一匹いる怖さ」「武器が無い」「仲間の1人がアンドロイド」「起爆装置のタイムリミット」「最後にたった1人」と、思い出すと様々な怖さがあった
エイリアン自体も劇中では数秒しか映らないから逆に怖かった
言ってみれば1人暮らしのアパートに突然姿を現したゴキブリを仕留め損じてまだどこかにいて、いつ出てくるかわからない恐怖に似ている?
しかしもうここまで来るとみんなエイリアンについての情報は多いのでパート1の衝撃を超えることは不可能
パート2は軍隊で武器も充実だがとにかく数が多いので苦戦
で、今回はこのパート1、2の良いところをギュッと詰め込んだ感じでオマージュも多くファンサービス満載たから面白くないわけはない
ただなんかパソコンのゲーム的な展開かなとは思ったが、演出がなかなか見応えあり歴代のエイリアン映画では面白さ3位の位置にはあるかな?
久しぶりのガッツリSF映画として楽しめました♪
こんな怪物は"アリエン"
悪徳企業が牛耳る、太陽の昇らない劣悪な植民星(!?)から脱出すべく計画を立てた若者達。コールドスリープができるポッドを探すべく、謎の宇宙船に忍び込むが…といった物語。
お馴染み、人気SFパニックホラーの新作ですね。
構図としては、人間とエイリアンとアンドロイドと…という三角関係は踏襲。仲間を助ける者もいれば見捨てようとする者も…あれだけアンディに言っておきながら、この対比は印象的。
相変わらず、文字通り面食いのチビッコ達には寒気がしますね…。通常サイズの奴らも口の中からまたお口が…何度観ても慣れない(笑)
そんな恐怖は勿論、幾多に降りかかる絶望的な展開も見応えありだし、汗をかけない牛歩や無重力酸は難しいゲームをプレイしているかのよう。
後は、初代エイリアンを復習しておくと面白さ倍増といった所でしょうか。長く続く作品だからこそできる技ですね♪
強いていえば、親父ギャグが寒い上伏線と言うほどのキーになってない感じがしたのと、個人的に点滅描写が苦手なのでそこはちょっと。。
しかしながら、あまり目新しさは感じなくとも、まさにこれぞエイリアンの王道といった感じで中々面白い作品だった。
今後にも期待ですね!!
フツーに面白い。
ちゃんとエイリアン
エイリアンは最初からすべて公開当時劇場で
のおやじです。
1は大好き
2はまあまあ好き(終盤のビショップの活躍がすき〜)
3はどちらでもない
4はまあまあ好き(この監督推しだったので)
プロメとコヴェはまさかの未鑑賞。
評価がわかれていたので少し警戒しながら鑑賞
いやいや、ちゃんとエイリアン!
どこかで見たシーンばかりとのレビューもありましたが
オマージュですよ。どこかで見たシーン大歓迎。
エイリアンの方程式を崩さずに
よく新しいストーリー、映像に昇華させたなと思います。
主演の女優も幼い感じで、出だしは「あ〜、なんか物足りない」と感じましたが
終盤に向けて、どんどんいい顔に。うまい!
最後はちゃんと2代目シガニーになってました。
シネマサンシャインのIMAXで観ればよかったな。
正しい採点は3.7点、とはいえ食べログだったら百名店。
エイリアンちょっと進化
今作でのゲテモノ描写も強烈!
エイリアン映画の設定を充分に生かされたSFホラーエンターテイメントでなかなか楽しめた。
オールドファンへのサービスもてんこ盛りだったが、それでいて新しいアイデアもいくつか盛り込まれ好印象。
エイリアンシリーズは毎回個性ある監督によってそれぞれの特色を生かした作風を味わうのが醍醐味であったが、それは本作でも同様であった。
今回はプロデュースにまわったリドリースコットがもしも監督をしていたら重厚感のある質の高いものになっていたとは思うが、今作のフェデアルバレス監督の演出は良い意味で身近な作風になっていてエイリアンシリーズの基本形というか王道スタイルに準じており、観たかったエイリアンってこういうのだよなと思わせてくれてとても安心して観ることができてよかった。
またアクションシーン等はアトラクション的な要素も強く、これまでエイリアンシリーズを知らない方にもとっつきやすい一本ではないかとも思った。
ただし、今シリーズ伝統のゲテモノ描写は本作でも強烈であり、この辺は好みが分かれるかもだが個人的には最高だった!
またしつこいあいつがやってきた!
期待どおりのドキドキ!ハラハラ!
リドリー・スコット監督による1979年の傑作「エイリアン」の“その後”を舞台した本作。とっても期待していたのですが、公開初日の夕方時点では、まさかの低評価!一抹の不安を感じながらも、仕事帰りに鑑賞してきました。本当はIMAXで観たかったのですが、上映時間の都合が合わず、しかたなく通常スクリーンでの鑑賞となりましたが、十分に迫力を感じる映像でした。でも、これがIMAXだったらさらに没入感が得られたのでは…と思うと、ちょっと悔しい気もします。
ストーリーは、植民惑星でアンドロイドのアンディを弟同然にかわいがりながらも、終わりのない開拓作業に希望を見出せずにいたレインは、同じように行き詰まりを感じていたタイラーらに誘われて、近くを漂流中の宇宙研究施設ロムルス内にあるコールドスリープ装置を奪って惑星ユヴァーガへの脱出を試みるが、施設内には恐ろしい未知の生物が潜んでおり、仲間が一人また一人と殺されていくというもの。
本作はエイリアンの恐怖を描くSFサバイバルホラーだと思っていたので、実はストーリーには全く期待していませんでした。しかし、思っていたよりはメインストーリーがしっかりしていて、なかなか見応えがあります。開拓作業を強いられている若者たちが、自由を求めて危険を顧みずにチャンスに賭けるというのは理解できますし、ロムルス内にエイリアンがいる理由もきちんと描かれていて、冒頭に帰結しているのもよかったです。
また、アンドロイドのアンディの存在感が大きく、レインとの姉弟愛を感じさせる人間同様の心の動きを見せる一方、感情に流されることなく冷静な判断を下す合理性などを描き、私たちが“人間らしさ”をどこに感じているかを問いかけてくるようです。これに対して終盤では、人から生まれし人型の人ならざるものが登場し、ウェイランド・ユタニ社の研究の末路のようにも、現代科学への警鐘のようにも感じます。人間とそうでないものの境界線、その垣根を越える功罪を考えさせられます。
肝心のアクション&ホラーシーンは、どちらも大興奮でスクリーンに釘付けです。序盤こそテンポが上がらず、やや退屈なものの、一度ヤツらの襲撃が始まればあとはノンストップ展開のまさにジェットコースター状態です。あの手この手で襲ってくるエイリアンに対し、細かな伏線を回収しながら撃退していく流れは圧巻です。どこまでもしつこく、最後の最後までドキドキハラハラさせてくれます。
「エイリアン」シリーズはたぶん2作目までしか観てなくて、それもずいぶん前のことなので、恐怖以外の記憶はほぼありません。そんな状態での鑑賞でしたが、ストーリーから置いていかれることはありません。前作を忘れていても初見でも、問題なく楽しめる親切設計です。もちろん前作とのつながりを感じさせるシーンやオマージュもたくさんあると思うので、シリーズファンの期待にもしっかり応えてくれていると思います。
この手の作品にありがちなご都合主義とツッコミどころはもちろん本作にもありますが、これでもかと続く恐怖の波状攻撃が、そこを気にする暇を与えません。ただ、それでもマンネリ感や既視感は否めません。レインとアンディのその後も気になるところですが、もし続編を作るなら、さらなるドラマ性や新機軸が必要かもしれません。
主演はケイリー・スピーニーで、どんな状況でも心折れずに戦うレインを好演しています。脇を固めるのは、デビッド・ジョンソン、アーチー・ルノー、イザベラ・メルセド、スパイク・ファーン、アイリーン・ウーら。中でも、アンディ役のデビッド・ジョンソンの演じ分けがお見事です。
よく知る材料のごった煮鍋のお味は?
エイリアン1からコヴェナントの材料を、これでもかと入れたごった煮鍋の様な作品!
入っている材料はよく知る物ばかりなので、行きつけの定食屋の料理の様に美味しいけれど、新鮮味が無い!
一作目を超えるなんてとてもとても…
闇鍋の様に何か入ってるのか分からなかったプロメテウスやコヴェナントの方が、私的には面白かったです。
P.S
この映画の一番の見所はアッシュ様かな?
謎の演出で全て台無し。
海外の評判が良いという事で期待したけど過去作のオマージュだらけで新鮮味は無し。
その一方で主人公達を廃船に入れる為にコールドスリープカプセルにエネルギーが必要なんて新設定がいきなり出てきてえ?となった。
突っ込み要素満載だけど終盤近くでゼノモーフがヒロインを落下するエレベーターから助けるシーンはわけがわからずこの映画は駄目と確定。
エイリアンシリーズはターミネーターと同じく2まででいいと痛感させられた。
絶望発、さらにエグい絶望行
エイリアン・シリーズ第7作(通算第9作)。
TC PREMIUM THEATERで鑑賞(ドルビーアトモス,字幕)。
まさに「絶望(過酷な労働環境)から逃げ出したのに、さらにエグい絶望(エイリアン)に遭遇しちゃった件」である。
希望を求めて進んだ先に待ち受ける逃げ場の無い壮絶なサバイバル。あまりにも若者たちが不憫で不憫で仕方が無い。
自業自得とは言え、なんとか全員生還をと願ったがそうすんなり行くはずも無い。だってこれ「エイリアン」だから…
新・戦うヒロインを演じるケイリー・スピーニーの存在感がすごい。童顔でかわいらしい見た目(畑芽育に似てる!)からは想像も出来ない逞しさを見せる(1作目と2作目のリプリーを足して2で割ったような感じ)。パルスライフルを構え、エイリアンの群れと対峙する時の覚悟の目つきにしびれた(無重力状態の戦闘シーンが斬新で面白いアイデアだなと思った)。
飛び掛かって来るフェイスハガー。忍び寄るゼノモーフ。そしてアステロイドへの衝突タイムリミット。圧倒的な絶望が襲い掛かり、筆舌に尽くしがたいリアルな恐怖が迫って来る。手に汗握りながら主人公たちの戦いを見守った。
かなりのオマージュが仕込まれていて既視感バリバリだったが、「ドント・ブリーズ」のフェデ・アルバレス監督ならではと言える巧みな音の表現と、シリーズの伝統を継承した恐怖描写にハラハラさせられっぱなしで面白かった。
過去作へのオマージュはし過ぎると残念な結果を招くことになるが、本作に限っては物語に不可欠な要素として結びついているため、全くノイズじゃなかったし、原点回帰の王道作品として成立させているバランス感覚が巧いなと感じた。
1作目のその後を前半で描き、後半になると、エイリアンの群れやパルスライフルは2作目を彷彿とさせ、エイリアンの生態を元に神の領域へ踏み込んでいる研究は「プロメテウス」や「コヴェナント」と地続きの設定となっていて素晴らしい。
人型のエイリアン(エイリアンと言っていいのかどうか微妙なライン)の登場はサプライズだった。母親を殺害する時点で同系統のニューボーンよりたちが悪い。最終決戦はハラハラ・ドキドキの極致で食い入るように夢中になった。
シリーズ初見でも十二分に楽しめる、入門編として最適な作品だと思った。もちろん事前にシリーズを観てからでも良し、本作を観た後で1作目等を鑑賞して関係性を知るも良し、いろいろな楽しみ方が出来る構造なのも好感度が高い。
[余談]
エンドクレジットで、一際目立つよう大きな文字で書かれていた「H・R・ギーガー」。愛とリスペクトを感じた。
[以降の鑑賞記録]
2025/01/30:Disney+(吹替)
1作目のチョイ後の時代
TOHOシネマズ上野で鑑賞🎥
予告編を観て「『エイリアン』の1作目に似てるかも…」と思ったら、アレンジはあるものの似ていた感じ。リドリー・スコットが製作に入っていることも大きいだろう🤔
相変わらず、エイリアンの造形は美しく、なかなか面白かった🙂🙌
宇宙船ノストロモ号の破片が映り、そこから何かを回収する宇宙船。
場面変わって、22世紀の他の星を植民地にした人間たちは、絶望的な人生を送っていたが、若者たち6人は貨物船で植民地の星から脱出する。そして、漂流している宇宙船には冷凍ポッドがあるから他の星に行ける……と無人の漂流船に乗り込むのだが、その“ロムルス”側はエイリアンが…。
彼らは最強生命体から逃げられるのか?……という既視感のある展開…😄
本日公開ということもあり、会社帰りに観たが、けっこう混んでいた。また、外人(アメリカ人)がたくさん来ていた。「日本語字幕は関係なく観られてイイな…」などと思う🤗笑
ただ、本作はディズニー配給映画なので、「さらに、本作の続編を作っていったら、『スターウォーズ』のようにシリーズ作り始めた頃のポリシーは薄れていくんだろうな…」と思ってしまうが、なんとかリドリー・スコットが製作陣から離脱しないように祈るのみ🙏
まぁ、これはこれで、面白かったので良かった✨
<映倫No.60085>
俺的には星5 娯楽として満点💯 画面の面白さが全て❗️ フィクションだから安心して楽しめる❗️
よく 職場で 新人のこと 『右も左もわからない』って言うよね
俺は エイリアン1979 含め 一作も見てないし、今後も見ることは無い
ご丁寧に有料🈶パンフ エイリアンの形態変化 と エイリアン・ユニバースの歴史に触れてて
非常にわかりやすいのだが
正直言って 歴史とか 仕組みなんてどうでもイイわ
まさに『右も左も どころか 上も下もわからない 状態』で鑑賞 エイリアンドシロウト
難しい😓ストーリー詳細は 全く 興味ないし 理解できず
しかし 本作こそ まさに ザ ハリウッド ザ アメリカ🇺🇸プラスα
日本人には作れない 瞬間の刹那 理屈では無く画面を楽しむ作品でした。
『プリシラ』のケイニー・スピーニーがどうとか【ただ 主役格なので 小柄な彼女がデカく見えた】
アンドロイドである アンディがどうとか 後付け知識で正直関係なかった。
思うに 『2001年宇宙の旅』イヤ『ブレードランナー 2019年想定』だったか❓唯一の欠点は 近未来すぎて 基本的に全てが外れてたこと・・方向性はあってたとか除外
その点は 本作は 2142頃と 想像できない100年以上後だから 描写に問題が無い 日本で言うと明治大正時代の人が
スマホ📱パソコン💻 全く予想してないのと同じ
ちなみに 可能性としては 巨大な隕石 流れ星🌠落下で 人類全滅も 科学的に可能性は否定できないのでよろしく❗️
登場人物は それぞれ 特徴があって わかりやすい 名前はどうでもイイ
最初は 2001年・・イヤ『ブレードランナー』思い出したが
その後の展開が その瞬間瞬間で面白い 宇宙 エイリアン👽 ・・なんか簡単に『ドッキング』は❓だったが❓
なんか 大宇宙🪐でも密室 気持ち悪いエイリアン👽の描写 で 最後まで行けた
コレ 配給がウォルト・ディズニー・ジャパン なのだが
まさに 体感 アトラクション気分で 画面を楽しめた。娯楽とは何かだよねぇ
よって ❓❓ハテナ描写が大いにもかかわらず 最後までIMAX画面 最高でした。
もちろん 他作との連関【有料🈶パンフ、事前ホームページだと 元祖エイリアン👽と エイリアン👽👽2の間
の模様だけど】・・んな知識は 私には関係なかった そもそも 有料🈶パンフは拾い読みで
今だに 本作のストーリー知らんがな 細かい点は気にしない 映画ドシロウトのオッサンでも 画面が楽しめた❗️
エイリアンの宿命
余りに出来過ぎた第一作の後、続編が出来る度にどんどんつまらなくなったりマンネリになるという宿命を『エイリアン』も逃れる事は出来ず、第一作の御大リドリー・スコットが復帰しても何だか勿体ぶった一部ファンの為だけの作品になってしまいました。だから、前作『コヴェナント』を観た段階で僕はもうエイリアンにはさようならをしたつもりでした。
しかし、本作の予告編にはそそる物を感じ、恐る恐る映画館に向かいました。
ふむ、久しぶりに「怖いエイリアン」が帰って来ました。『ドント・ブリーズ』のフェデ・アルバレス監督らしく、観客のビビらせ方も心得ています。
ただ、本作のエイリアンは「怖い」というより「気色悪い」が先に立っている気がしました。第一作では、あの粘液の「気色悪さ」は飽くまでも「怖さ」を演出する導入に過ぎなかったので、そこがちょっと残念。
そして、これは仕方ないのですが、「宇宙船の閉鎖空間でエイリアンと相対する」という設定である以上は、第一作と類似に成らざるを得ず、それを超える事が出来ないというのもまた哀しい宿命でした。特に僕は、エイリアンが沢山出て来るという設定には大反対で、第一作では、リプリーがたった一人で一匹のエイリアンと闘ったからこそあそこまで緊張感が研ぎ澄まされたのだと思います。それに対し、エイリアンが次々出て来ると言う事は「エイリアンが不死身になった」と同義であり、「目の前のエイリアンを殺しても無駄」となり主人公の大きな選択肢の一つが削られてしまうのです。
とか何とか言いながら、本作で若いファンを獲得する事が出来ればまだシリーズは続くのかな。
“エイリアン”の名に恥じない
一番有名な初作および最初の頃の作品はあまり観ていなくて、観ているのは2012年以降の“プロメテウス”、“コヴェナント”くらいなので、エイリアンファンとは言えないし、気味の悪いエイリアンが余り好きでないのだけど、ハリウッド大作欠乏気味な昨今なので、「やっぱり観なくては」と観賞。
【物語】
時代は22世紀半ば、地球から遥か彼方の惑星で暮らす6人の若者。 鉱物採取だけが目的の何の楽しみも無い惑星から1日も早く脱出することを全員望んでいた。ある日宇宙貨物船員の1人が仕事中に見つけた廃宇宙ステーション「ロムルス」から数年眠らせる生命維持装置を取り出して他の惑星に渡ることを提案する。
5人はその賭けに乗ることを決断し、貨物船で密かにロムルスにやって来る。早速生命維持装置と装置を稼働させるための燃料を入手すべく、船内を捜索する。しかし、船内にはロムルスを廃船にした、人間を襲い寄生するエイリアンが眠っていた。
【感想】
観て良かったと思える作品だった。
一番は“エイリアン”の名に恥じない、スリリングな映像とアクション。
これについては、「ちょっとしつこ過ぎる」と思えるくらい、最後の最後までハラハラさせてくれる。
もう1つ大きいのは、ヒロイン演じるケイリー・スピーニー。終始彼女が魅力的で”おっかない”展開の中で目を楽しませてくれた。「初めて観た」と書きかけて、確認したらプレスリーの元妻”プリシラ”を演じた女優だったのだな。プリシラでもとても可憐だったが、今後益々の活躍を期待する。
その他、良かったのはアンドロイドのアンディー。アンドロイドとかサイボーグとか人造人間はSFの世界では使い古された設定だけれども、昨今の急速なAIの発展で、実世界でも現実味を帯びて来ているので、少し今までと見方が変わって来た。CHAT GPTの出現で誰でもどこでも簡単にPCと会話できる世界になって来ている。人間と同等に運動できるのはまだ先かも知れないけど、会話・思考だけだったら凡人以上にできる機械が手軽に提供されてしまう日がすぐ来そうで、楽しみでもあり、恐怖でもあるなと以前よりずっと身近な問題として感じた。
1つ文句を付けるとすれば、貧困層と思われる6人組が宇宙船で逃避行を図ったこと。現代で言えば軽自動車盗んで6人が郊外に逃げ出すみたいに描かれているが、なんぼ、宇宙が身近になっても軽自動車並みにはならんでしょう。 まあ、ご愛敬として許しますけど。
SF&スリラー&アクション作品として十分に楽しめる作品だと思います。
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