「もうエイリアンはこれ以上やりようがないのでは」エイリアン ロムルス ONIさんの映画レビュー(感想・評価)
もうエイリアンはこれ以上やりようがないのでは
正直もっと期待してしまっていた。原点回帰的な声を聞いていたので。その割には序盤からの展開がうまくない。掴みを失敗している。眠くなる。最後の最後になんとか元はとった感じになるが、とにかくエイリアンからの逃走劇がはじまるまで時間がかかり過ぎる。あとやはり原点回帰ったってもう観客のほとんどがどんなモンスターなわかっちゃって、更にVFXが発達した今では同じ設定では驚ようがない。(それにしても、宇宙船内が80年代の想像の未来の延長線上にあるのは泣けてきた)。
思えば最初のエイリアンはギーガーのデザインの斬新さだけでなく、シンゴジラがしっかりその面白さを踏襲していたけど、変態していく得体のしれなさかがあり、そこでキャメロン版は同じことをしても勝ち目はないので、エイリアンを群れにして、更にその生態で得体の知れなさを拡大させ、更にそれに対してのコンバット物として勝負を賭けたのに比べると、やはりエイリアンそのものが怖くも面白くもない。丁寧さが足りないというか。
つーか、さすがにもうやりようはないんじゃないかと思った。ジョーズもジュラシックも貞子も、もうパロディの領域でしか生きる場所はない気がした。
エイリアンに『ドントプリーズ』のフェデ・アルバレスというのはいい組み合わせだとは思うけど、もうリドリースコットがいなくなってからやるしかないのでは、と。でももうエイリアンはいいかな、と思った。
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