「すっごく面白い」エイリアン ロムルス 吉泉知彦さんの映画レビュー(感想・評価)
すっごく面白い
第1作の直後みたいな時間軸で、炭鉱の惑星で働く若者たちのお話だ。一定の条件を満たすと別の惑星の移住できるのだが、条件を認めてもらえない女の子が主人公で、アンドロイドの弟を連れている。その弟が、宇宙船の中の別のアンドロイドのシムカードみたいなのを読み込んだ途端、可愛げがなくなりびっくりする。変なつまらないダジャレを言って、ドジっ子の彼をかわいく思っていたことにその時気づく。
廃棄された宇宙ステーションに主人公らが侵入するとエイリアンだらけで大変なことになる。上半身だけのアンドロイドが、敵か味方か分からなくて怖い。実際、企業の利益しか考えていないのだけど時々彼らのためになるアドバイスも言う。
コンピュータの表現が1作目と同じDOS-Vパソコンのイメージで、マウスがない。
イケメンの彼がエイリアンの酸を全身に浴びて穴だらけになって死ぬところが恐ろしい。無重力になって酸を避けながら通るところも名場面だ。
主人公は特にこれといった個性はない普通のお嬢さんだけど、弟思いで可愛くなくなった弟を見捨てられない。勇気を振り絞るところに泣ける。見せ場が盛り盛りですっごく面白い。もう1回見たい。
(追記)
宇宙に浮かんでいた船はノストロモ号で、そこにいるアンドロイドが1作目のアッシュであると聞いて、それは確かめたいと1作目を見返して再び見に行く。すると、1作目でアッシュは燃やされているし、ノストロモ号は大爆発している。
冒頭でノストロモ号の名前の書かれた部品が漂流していて、ノストロモ号からエイリアンの卵みたいなのを回収している場面があって、漂っていた廃船はノストロモ号ではない。アンドロイドもアッシュと同じ型のアンドロイドだ。教えてくれた人が間違っていた。
2回目でもまた面白さが抜群で、意地悪に見ていても面白さに負ける。かなりの傑作だ。
土星の輪みたいな隕石群が激流のようだが、本当にあんな風なのだろうか。ふわふわと浮かんでいるだけではないだろうか。あの星がそうなのだろうか。また、爆発で隕石群に近づいてしまったが、もう一回爆発させて軌道を変えればいいのではないだろうか。
弟のアンディーというネーミングはアンドロイドから雑に名付けたのではないだろうか、犬にワンコとつけるような感覚で。
一作目との共通点では、こちらも労働者が搾取されていて待遇などにみんな不満を抱いている。シリーズ全体の共通点では、恋愛を描かず、友情や家族愛がモチベーションとなる。今回は一人は妊婦でカップルがいてもよさそうなものだが、行きずりの男が父親だと語る。