「常熱」GEMNIBUS vol.1 ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
常熱
若手監督が作り上げた短編オムニバス映画で、上映館も少ない希少性に惹かれての鑑賞。
本命は「ファーストライン」です。
粗の目立つ作品は多かったですが、その荒削りからしか得られない感触もあったので良い経験になりました。
1本目「ゴジラvsメガロ」
YouTubeに上がっている作品を大スクリーンで、という形なので、作品としての意外性はありませんでしたが、最高にイカすデザインのメガロとゴジラの真っ向勝負を大スクリーンで観れたのは掘り出し物でした。
2本目「knot」
ホラーというよりかは世にも奇妙な物語みたいなテイストで進んでいく作品なんですが、いかんせん話と話の繋がりが曖昧で、テンポもあまり良くなく、観終わった後も解決していなかったりと、短時間での作品ならある程度の決着はつけて欲しかったところです。
あのオチは何番煎じのものか…。
3本目「ファーストライン」
一つのシーンを作るために努力するアニメーターのお話で、パイロット版並みに短いのが惜しまれますが、作画のバリエーションは豊富でしたし、現場の様子なんかもサクサク詰め込んでくれて良かったです。
こちらの完全版が観たいなーってなりました。
4本目「フレイル」
高齢化への警鐘を鳴らし、仮想空間で青春を取り戻そうとしたらウイルスが仮想空間に乱入してきてゾンビものに…といった欲張りセットなんですが、何故か冒頭にゾンビシーンを入れてしまったことにより緊張感が削がれ、音楽に目覚める青春模様も物足りず、ゾンビとのバトルもそこまで白熱せず、役者陣の頑張りでなんとか乗り切っていたかなと思いました。
元の世界で爺婆がワッキャッキャ音楽してるところに黒幕がニヤリ…というこれまた完結していない匂わせエンドだったので、頼むから短編として完結してくれと思ってしまいました。
4本中、1本当たり、1本普通、2本あんましみたいな感じで、雑多に作品を詰め込むよりかは、テーマを決めてのオムニバスにしてほしいなと思いました。
こういう試みは大好きなので、vol.2ではバイオレンス特集をやってほしいところです。
鑑賞日 6/28
鑑賞時間 20:10〜22:00
座席 G-3