GEMNIBUS vol.1のレビュー・感想・評価
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さすが東宝結構豪華
東宝の才能支援プロジェクト「GEMSTONE Creative Label」による、テーマも作品間の繋がりもない4本の短編オムニバス。
ゴジラ VS メガロ
少女に呼ばれて現れたメガロが東京を徘徊するゴジラと闘う話。
ストーリーは良く解らず、取りあえずゴジラとメガロが必殺技をぶつけ合うバトルアクションですね。
ドラゴンボール的なバトルが好きな人にはあうのかも知れないけれど、迫力だけという感じ。でも、こういう枠でこれはお見事。
☆2.5
knot
人の顔が判らない絵本作家のメンヘラ家族とトラウマの話。
息子が言うことを聞かない的な始まりだけど、結局自分しかみていない主人公が、トラウマと向き合うって感じかな?昔の家に入ったあたりでちょっとテンポが…ストーリー自体はかなり良かったんだけどね。取りあえず藤田さんは有能だった。
☆2.0
ファーストライン
新人アニメーターが初めて1人で任されたある作品のラストシーンの制作で苦悩する話。
迷って先輩たちに感想を求め、ドツボにハマっていくけれど…まあなんとなくその辺りで落としどころは見えてしまう。てもショートだし単純明快どストレートで良い感じ。
☆2.5
フレイル
2035年の日本で老齢者が高校生のアバターになって青春を楽しむVR世界にゾンビが現れる話。
病は気からってことで老人が元気になるのは良いけれど、それだけで話し膨らませて終わった方が良かったんじゃ?ゾンビ登場でパニックになっていたけれど、所詮VR世界の中だけですよね…というのがついて回ってしまった。
☆2.0
常熱
若手監督が作り上げた短編オムニバス映画で、上映館も少ない希少性に惹かれての鑑賞。
本命は「ファーストライン」です。
粗の目立つ作品は多かったですが、その荒削りからしか得られない感触もあったので良い経験になりました。
1本目「ゴジラvsメガロ」
YouTubeに上がっている作品を大スクリーンで、という形なので、作品としての意外性はありませんでしたが、最高にイカすデザインのメガロとゴジラの真っ向勝負を大スクリーンで観れたのは掘り出し物でした。
2本目「knot」
ホラーというよりかは世にも奇妙な物語みたいなテイストで進んでいく作品なんですが、いかんせん話と話の繋がりが曖昧で、テンポもあまり良くなく、観終わった後も解決していなかったりと、短時間での作品ならある程度の決着はつけて欲しかったところです。
あのオチは何番煎じのものか…。
3本目「ファーストライン」
一つのシーンを作るために努力するアニメーターのお話で、パイロット版並みに短いのが惜しまれますが、作画のバリエーションは豊富でしたし、現場の様子なんかもサクサク詰め込んでくれて良かったです。
こちらの完全版が観たいなーってなりました。
4本目「フレイル」
高齢化への警鐘を鳴らし、仮想空間で青春を取り戻そうとしたらウイルスが仮想空間に乱入してきてゾンビものに…といった欲張りセットなんですが、何故か冒頭にゾンビシーンを入れてしまったことにより緊張感が削がれ、音楽に目覚める青春模様も物足りず、ゾンビとのバトルもそこまで白熱せず、役者陣の頑張りでなんとか乗り切っていたかなと思いました。
元の世界で爺婆がワッキャッキャ音楽してるところに黒幕がニヤリ…というこれまた完結していない匂わせエンドだったので、頼むから短編として完結してくれと思ってしまいました。
4本中、1本当たり、1本普通、2本あんましみたいな感じで、雑多に作品を詰め込むよりかは、テーマを決めてのオムニバスにしてほしいなと思いました。
こういう試みは大好きなので、vol.2ではバイオレンス特集をやってほしいところです。
鑑賞日 6/28
鑑賞時間 20:10〜22:00
座席 G-3
想像以上に予算多め
【ゴジラVSメガロ】
ゴジラ身軽になった?と思うぐらいアクティブ感がある。
メガロの動きも良く特撮というよりCG感は強く感じた。
人間のカットはあまり興味がない感じがした
【knot】
サンスペンスホラー。
助手?の人がいい人だった。
【ファーストライン】
凄まじい作画力。ストーリーは至ってシンプルだが
業界人には刺さりそうなことかも。
今後のちな監督に期待。
【フレイル】
まさかの若返りゾンビもの。
色々のごっちゃ混ぜだったがアイデアは面白かった。
ただ全体的にな感想としてはちょっとイマイチ。
ちな監督の才能
ファーストライン目当てで、初日舞台挨拶の日に観ました。絵が動くワクワクと共に、まるで音楽も一緒に飛び出すかのような一体感、立体感。サントラはもはやサントラの域を超えています。ちな監督の、クリエイティブを愛するまっすぐな思いと、それだけではない企画力、構成力、巧みなフレーミング。監督にこれだけの企画を思いつかせる角野隼斗さんの縦横無尽な音楽力。短編なのでストーリーはシンプルですが、国際映画祭ノミネートも納得です。新しい才能の一歩に立ち会うって嬉しいものだなと思いました。
他の作品のことはほとんど知らずに観ましたが、個人的に一番苦手だと思っていたSF学園ゾンビ映画「フレイル」がけっこう面白かったです。奥平大兼はやっぱりいい俳優。脚本も、アイディアを雑多に詰め込んだように見えるけれど各々に必然性がある。「knot」は少し苦手でしたので、計4本の全体としては★3.5。
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