「イギリスの公に出来なかった史実」アンジェントルメン りあのさんの映画レビュー(感想・評価)
イギリスの公に出来なかった史実
第2次世界大戦中の1942年1月、ナチス軍はオランダ、ベルギー、フランスを占領し、イギリスも猛攻を受け窮地に追い込まれていた。イギリスはアメリカ軍の援助を要請していたが、ナチス軍の潜水艦Uボートが大西洋を支配していて、アメリカ軍がイギリスに来る事が出来なかった。そこで、特殊作戦執行部のガビンズ少将とイアン・フレミングは、ガス少佐に、イギリス軍にもナチスにも見つからずに、北大西洋上のUボートを無力化せよ、という高難度の任務を命じた。特殊能力を持つ仲間たちを集めて船で現地へ向かったガス少佐は、作戦決行へ向けて準備を進めていくが・・・さてどうなる、という事実に基づく話。
その特殊部隊は違法だったため、イギリスはその存在を公に出来ず、1912年になってやっとチャーチル元首相の文書が公開されたため、公になったとの事。つまり、70年間秘密だったのか、とその事に驚いた。
ナチスは全面的に悪、と捉えて観ると、がんばれイギリスなんだけど、弱いからアメリカ頼りと言うのも情けないと言えば情けないな、とも思った。日本はその時アメリカと戦ってたので、一方的にイギリスを応援したいとは思わなかった。
海軍情報将校のイアン・フレミングは退役後に作家となったそうで、007で生み出し、ジェームズ・ボンドはモデルが本作のガス・マーチ=フィリップスとの事。勉強になった。
演じたヘンリー・カビルが良かった。
女スパイ役のエイザ・ゴンザレスが美しく色っぽかった。史実だと、その2人がこの作戦の後4月に結婚し、ガス・マーチ=フィリップスは9月に別の作戦で戦死したとの事。あんな生死紙一重の様な作戦を続けてると命がいくつあっても足りないよな、という感想。
事実に基づく、との事で、あまりフィクションを多く加えずに製作したのだろうけど、アクションもスリルあり凄かった。
潜水艦の補給基地がアフリカに有ったのも勉強になったし、戦争中の情報の大切さも良く理解できる、素晴らしい作品だと思った。